
私の場合、オペレッタ、オペラ鑑賞にお酒は欠かせません(お酒をお飲みにならない方は、どうでも良い話かもしれませんが)。
劇場の雰囲気を味わいながら、開演前に一杯いただきながら、徐々に気持ちを高めていきます。そしてパウゼ(幕間の休憩)で一杯、この瞬間こそ、本場のオペレッタ、オペラ鑑賞の楽しみの一つです。
私みたいな方が多いようで、ウィーンを代表する歌劇場、シュタットオパーとフォルクスオパーには、それぞれビュフェがあります。
フォルクスオパーは劇場が小さいこともあり、日本式の2階に一箇所だけあります。ちょうど、エントランスの真上で、バルコニーのある場所です。2003/2004シーズンまでは、ここが唯一の喫煙所だったため、休憩時間中は紫煙がひどく、たばこが弱い人は、長居できませんでした(2004/2005シーズンからは、禁煙になりました)。
また、パウゼの時は、当日券売り場の前にワゴンを出して、特定の飲み物だけ販売しています(主に瓶で販売できるもの)。販売している場所が少ないこともあり、パウゼでは大混雑になることが多々あります。失礼ですが、日本のように順番に並んで…という習慣がないようで、スタッフと目があった瞬間に、素早くオーダーを出さないと、次のお客様に行ってしまいます。
ただ、この喧噪が「庶民の劇場」である「フォルクオパーらしいな」と思うようになってきました。
一方、シュタットオパーですが、こちらは正確にビュフェの数を数えたことがないので、わかりませんが、色々な場所にあります。メインは、エントランスの上にある「シュヴィンド・ロビー」(有名なロッジァに隣接しています)と、オペラ座通りに面した「大理石の間」でしょう。「大理石の間」には休憩用の座席とテーブルがセットされていますので、ここで寛ぐことができます。意外な穴場は、1階のパレッテから、一つ降りた所にあるビュフェです。ちょっと目立たないため、空いていることがあります。このほか、上層階にもビュフェがあります。
ところで、シュタットオパーのシンボルでもあるロッジァは、冬季はガラスで覆われますが、秋と春はガラスもなく、非常に気持ちが良い場所です。とくに日の長い時期、夕暮れのオパーリンクを眺めながら、ゼクトを一杯。「また、ウィーンに戻ってきたな。今日はどんな演出かな…」と思いを巡らす瞬間が、大好きです。ある方が、「劇場は非日常的な空間である」とおっしゃっています。日本公演では、開演前や幕間の休憩に、ロビーのソファでお弁当…私個人としては、どんなにすばらしい公演でも雰囲気が崩れるので、好きになれません(日本で働くものですから、事情はよくわかりますが…)。
さて、このシュタットオパーでビュフェを受託している会社は、ケルントナーシュトラーセにも店を出しているGERSTNERというカフェです。毎回、シュタットオパーのビュフェを利用して思うことが二つあります。
一つは、「販売員の優雅さ」です(ただし、例外もあります)。フォルクオパーではパウゼのビュフェが「市場」のような雰囲気なのに対し、こちらはどんなに忙しい時でも、スタッフ応対がゆったりしています。この品を感じさせる「ゆったりした応対」が、場の雰囲気を作っていると言っても過言ではないと思います。とくに中年の女性スタッフの応対には、光るものがあります(まるで別の時間が流れているように感じることがあります)。
もう一つは「カナッペがおいしい」ということです。ここのカナッペは何種類かあり、オープンサンド形式のものと、小型のゼンメルを使ったサンドイッチがあります。どちらも、本当に小型なのですが、繊細な味で、結構いけます。以前、80歳近い私の母を連れて行ったことがありますが、「このカナッペはおいしい」と気に入ったようです(ちなみに、他のお料理も口に合わない訳ではないようですが、プラスの反応がはっきり出たのは、このカナッペだけでした)。
本格的な夕食は、舞台がはねてから…という方も多いようなので、本当に軽くおなかに入れておく…といったものですが、こんなところにもウィーンの文化を感じています。
このほか、開演前に予約シートに記入してスタッフに渡しておくと、パウゼに準備をしておいてくれるというサービスもあります(グループのお客様が利用しているようです)。
ところで、GERSTNERのケルントナーシュトラーセのお店にも入ったことがありますが、店の雰囲気はごく普通のカフェでしたが、「例のカナッペ」はしっかりショーケースに並んでいました。
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