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September 2004

September 30, 2004

朝食とラジオ放送

日本の飲食店では、高級なお店を除いてBGMが流れているところが大多数ですが、オーストリアでは、何も流していないところが多いようです(生演奏をしているところは別ですが)。

そんな中、不思議に思うには、ホテルの朝食室に流れるラジオ放送です。私は、ウィーンをはじめとする都市部では、敷居の高い高級ホテルは敬遠して、比較的お手頃価格のホテルを選んでいます。また、夏は地方のお手軽ホテルです。私の利用するホテルでは、朝食専門の部屋があるところが多いのですが、ここでは、なぜかラジオ放送が流れています。

だいたい、地元のラジオ局の放送が流れていることが、多いようです。道路交通情報や音楽(これは意外と外国のポップス系が多い)などが流れています。そうそう、時報にも結構、特徴がありますね。また、地方ではVOLKMUSIKを流している放送局もあります(この手の曲が流れると、朝から、なぜかウキウキしてしまう私…)。

まさか、「ラジオ放送を聴くと消化が良くなるから」と行った理由ではなく、「朝の情報提供」が目的だと思います。
しかし、BGMが少なく、音に対して敏感なオーストリアには、珍しい習慣だと思います。
最近では、毎年夏に訪問しているホテルでは、朝、朝食室でラジオを聴かないと、「今年も、ここに戻ってきたなぁ」と実感できなくなってしまいました(習慣とは恐ろしい…)。

日本のホテルでは、テレビをつけているところはありますが、今は、ラジオ放送を流している所は少ないですね。

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September 29, 2004

ベッカライの移動販売

以前、「オーストリアでは朝早くから仕事をするので、午前中に軽食をとる習慣がある」といった話を聞いたことがあります。「職場の休憩」なので、普通、旅行者はお目にかかることはありません。

ある年の夏、レンタカーを借りてザルツカンマーグートを巡っていたときのことです。夕方、モンドゼーの定宿に戻り、「さて、これからビアタイム」と、勇んで車を降りました。ふと車を見ると、車の姿勢がおかしい…。後輪の空気が抜けているではありませんか。
進行方向左側のタイヤの空気が完全に抜けてしまっています。このまま走らせる訳にはいかないので、ホテルの駐車場で、テンポラリータイヤへの交換作業と相成りました。実は、タイヤの交換、日本では経験がありません。レンタカー備え付けのマニュアルを見ながら、ジャッキで車体を上げて、トランクからテンポラリータイヤを取り出し、30分ほどで交換が完了しました。近くにガススタンドがあるので、とりあえず、そこへ空気の抜けたタイヤを持ち込むことにしました(タイヤを持って歩いて行ったわけではありません。レンタカーに乗せて行ったのは言うまでもありません)。
ガススタンドのスタッフは、さっそく空気を入れてくれましたが、その結果、チューブが破損していることがわかりました。スタッフ曰く、「チューブが破損しているから、うちでは無理だね。修理工場に行ってね」。ホテルに戻り、フロントのお姉さんに修理工場の場所をたずねたところ、幸い、私が借りた車の修理工場が、モンドゼーにあることが判明。さっそく、翌朝、修理工場へ持ち込むことになりました。

翌朝、9時前に修理工場に到着し、スタッフにタイヤ補修の旨を申し出ると、さっそく作業にかかってくれました。私としては「タイヤを買い換える必要があるかな」と思っていましたが、補修で大丈夫とのこと(本当に、大丈夫?)でした。タイヤの補修が完了し、テンポラリータイヤへの交換もやってくれました。

この様子を修理工場の駐車場で見ていると、そこに一台のバンがやってきました。そこには、某ベッカライの名前が書かれています。「この車も修理かな」と思っていると、修理工場の駐車場に到着するやいなや、修理工場のスタッフが、仕事の手を休めて「この車」の周りに集まってきました。ドライバーはおもむろに、後ろのドアを開けると、そこには、焼きたての各種ブロートが…。そう、ベッカライの移動販売車だったのです。そのうち、事務所のスタッフも集まり、それぞれ、この好みのブロートを1個か2個買っています。

この間、15分ほどだったでしょうか。商売が終わると、ベッカライのバンは、次の職場へと颯爽と向かっていきました。雰囲気としては、日本の某「健康飲料の職域販売」に近い雰囲気があります。

その後、手の空いている人は、休憩に入り、さっそく買ったブロートを食べていたようです。
「私の車は、どうなるの…」と心配でしたが、幸い?担当スタッフは、ブロートを食べる前に、タイヤ交換を終えてくれました。

また、国立劇場連盟のブッキングオフィスが古い建物の中にあった頃は、朝、チケットを受け取りに行くと、発券カウンターの中に、ブロートが置いてあるのを見たこともあります(さすがに今はオープンカウンターになったので、あまり見なくなりましたが)。

タイヤがパンクしたおかげで、オーストリアの仕事風景をかいま見ることができたエピソードです。

しかし、タイヤがパンクしたのが、高速道路の高速走行中でなくて良かった…と思ったのは、それからしばらくしてからのことです。

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September 28, 2004

カーテンコールの花束

日本のオペレッタ、オペラ公演では、客席からの花束投げ込みは「御法度」のようですが、ウィーンでは、盛んですね。とくにプルミエや、「同劇場初出演」といった歌手が登場した場合、結構投げ込まれます。

時々、途中で花束が失速し、舞台まで届かず、オーケストラピットにあえなく落下…ということもありますが。私も一度やってみたい…という気持ちになります。
さて、この花束ですが、なぜか、舞台に一番近い左側の個室から投げ込まれています(例外があるのかもしれませんが…)。

昨年、ウィーンフォルクスオパーで「アナテフカ」(屋根の上のヴァイオリン弾き)を観たとき、たまたま、この「花束投げ込み個室」が自分の席になりました。いつものように開演20分前に席につくと、何と個室の後方(入口近く)に花束が置いてあるでは、ありませんか。その後も、途中の休憩時間中に、花束を持ってきて置いていくお客様もいらっしゃいました。花束を置いていったお客様は、この個室にいないので、どこか別の席を確保しているのでしょう。
実は、この光景を見るまで、花束は別の場所に保管しておいて、カーテンコールのタイミングで運び込むものだと思っていました。

さて、公演が終わったとたん、「花束の持ち主」が、自分の席から、駆けつけてきました。
そして、カーテンコールでひいきの歌手が登場すると、私の席の隣に入り、舞台に向けて投げていました。このときは、女性でした。

どうも、この花束は、投げこみ用に作られているようなので、花屋さんで特別注文するのでしょうか。興味はつきません。
さて、今晩もウィーンの劇場では、花束が宙を舞っているのでしょうか。

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September 27, 2004

消防署祭り

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日本ではお正月の「出初め式」というイベントが、一般の人に消防署員の活躍を披露する数少ない場になっていますが、オーストリアでは、「消防署祭り」(Feuewehrfest)とも言えるイベントが夏を中心に開催されます。地方の町では8月が多いのですが、ウィーン中央消防署(アム・ホーフ広場に面しています)では、9月の第2週に開催されているようです(今年は9月10日~12日に開催されました)。

私も、夏に地方を回っていて、何度か、「消防署祭り」に出会いました。また、一昨年は、ウィーン中央消防署の消防署祭りを見学する機会もありました。
さすがにウィーンのイベントは大規模で、はしご車や人命救助、消火活動のデモンストレーションや、消防車への試乗会(これは子どもたちに大人気)、消防関係車両や機材の展示などが行われます。ところが、地方の消防署祭りは、ちょっと趣が異なります。何が異なるか? 実は、まじめな消防活動へのPRというよりは、いつもは消防車が泊まっている車庫や前庭を開放して、ビアホールにしているというケースが圧倒的に多いのです。当然、ビアには音楽がつきものですから、バンド(多くの場合、VOLKMUSIKを演奏する小編成のバンド)による生演奏が行われます。この間、消防車は、消防署の外に出ています。昼間から盛大にやっているところもあれば、夕方から始まるところもあります。

いつもはホースやはしごを担いで消火活動に当たっている消防士が、バーテンに早変わり。ビアを注ぐ手つきも見事で、ホースさばき並みです。ブラートブルストなども消防士が焼いている光景をよく見かけます(日本に「肉を焼いても家焼くな」という焼き肉のタレのコマーシャルがありますが、「ブルスト焼いても家焼くな!」です。もちろん、そんなキャッチコピーはありません…あしからず)。

オープニングは、消防署長の挨拶から始まり、その後は、「飲めや歌えの大宴会」となるケースが多いようです。ときには生バンドの演奏に合わせて、踊ったり、隣の人と方を組んで歌ったりと、何の趣旨のイベントなのか、わからないような盛り上がりを見せます。
ちなみにウィーン中央消防署の場合、アム・ホーフ広場に巨大なテントが立ち、その中がビアホールになります。そして、昼間は子どもの社会科見学、夜は「大人のビアタイム」となります。
写真は「宴会」が始まる前のイベント準備の様子です。

何度か、この手の「祭り」を体験するうちに、ホイテ(本日)とフェスト(お祭り)に弱い私は、ドライブをしていても、この二文字を見ると、つい方向指示器と、ブレーキに足がいってしまうようになりました。

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September 25, 2004

交通局の案内所は模型屋さん?

ステファンプラッツやカールスプラッツなど、代表的な地下鉄乗換駅には交通局の総合案内所があります。“観光施設にはどのように行ったらよいのか”といった観光客の問い合わせに丁寧に対応してくれます。実は、この案内所は直営売店を兼ねていて、鉄道ファンには魅力的な「一品」を販売しています。ご存じでしたか? 代表的なものは地下鉄の駅に張ってある全路線図や、路面電車・地下鉄関係の書籍やVTR、CD-ROM(これには時刻表が入っています)。

そして、1/87スケールの鉄道模型(路面電車と地下鉄の車両)を販売しています。交通局の案内所で販売している模型ですから、普通、おもちゃと考えがちです。事実、その仕上がりは、専門店で売っている最近の鉄道模型に比べると、“まぁ、値段相応かな”という感じなのですが、雰囲気は良くつかんでいます。どちらかというと、「記念の置物」といった感じです。

ところが、本格的な鉄道模型に変身させるための「動力ユニット」(電気で動くモーターを台車にセットした装置)を、同じ案内所で販売しているのです。しかも、本体が、単車、連接車、超低床式車という三つのバージョンがあります。“いったい誰が、買うのかな”と思うことがあります。先日、路面電車が大好きな日本の友人から頼まれて、最新型の超低床式車用の動力ユニットをカールスプラッツの案内所で買いました。製品を指定すると奥からストックを出してきて、何と、試し運転をしてくれました。その上で、販売です。

鉄道模型専門店では、モーターの付いた車両を買う際は、必ずお客様の前で試し運転を行い、確認した上で、販売することになっています。このとき、交通局の職員が、慣れた手つきで試し運転をしている光景を目の当たりにして、何か模型屋さんにいるような錯覚に陥ったことを覚えています(それにしても、お金を払おうと思った時、カウンターの下からレールと電源装置が出てきた時には、びっくりしましたが)。
なお、ここの案内所でも主要クレジットカードの使用が可能です。

日本でも最近は、「ご当地もの」が流行っています。某おもちゃメーカーの「チョロQ」という、デザインをデフォルメしたおもちゃ(自動車、バス、鉄道車両など色々なバージョンがありますが)が各地で発売され、人気を集めています。しかし、ここまで本格的なものは、あまり見たことがありません。
鉄道模型が「市民権」を得ているヨーロッパならではの光景でしょう。

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September 24, 2004

ダンプフ・ブンメル・ツーク

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日本でも、ここ数年、各地で蒸気機関車が復活し、時折、臨時列車として運転され、人気を集めています。しかし、この分野では歴史と伝統のあるヨーロッパが「大先生」です。日本では、鉄道会社が事実上の「費用持ち出し」(要するに赤字で)で機関車を修復し、機関士を養成して、運行しています。しかし、ヨーロッパの場合、民間のボランティア団体が中心となり、彼らが自らの技術と労働力を提供し、長い時間をかけて修復し、運行まで手がけるというケースが大多数です(この話は、いずれ詳しくご紹介しましょう)。もちろん、オーストリアでも例外ではありません。
ただし、大型の機関車(国鉄線上を走るようなもの)は、費用の問題などもあり、シュマール・シュプール・バーン(日本語では狭軌鉄道と訳しますが、日本の鉄道ファンには英語の「ナローゲージ」と言った方がわかりやすいですね)が中心です。これは、線路の幅が760mm程度と、国鉄の線路幅(1435mm)よりも狭い鉄道で、主に地方や山間部で使われています。しかし、オーストリアは道路が完備しているため、多くのシュマール・シュプール・バーンが1970年代に廃止されて、残っている方が少なくなっています。現在残っている鉄道も、貨物輸送が中心で、旅客輸送は「おまけ」といった感じのところが多いのが特徴です。

日本でも有名なインスブルック近郊のツィラタールバーンなどは、有名ですね。
蒸気機関車で運転する特別列車のことを、オーストリアでは「ダンプフ・ブンメル・ツーク」(Danpf Bummel Zug)と言うことがあります。「ダンプフ=蒸気、ブンメル・ツーク=鈍行列車」です。

しかし、「ブンメル」が「くせ者」であり、オーストリアらしいところなのです。「Bummel」には俗語で、「飲み歩く」という意味もあるようです。まさにピッタリ。というのは、ほぼすべての、この手の列車に必須のアイテムがあります。それは、バーやビュフェと名付けられた簡易食堂車です。当然、バーですから、ビアをはじめとする各種アルコール飲料が販売されています。中にはアコーディオンの演奏をしている列車もあります。日本だと、子どもにつきあうお父さんは、缶ビールを持ち込んで、チビチビやる…という光景を目にしますが、ここオーストリアでは、大人が堂々とバー・ヴァーゲンやビュフェット・ヴァーゲンで、昼間から宴会をやっております(ただし、オーストリアでもウィーンの方が多いようですが、ドイツ人やイタリア人も多数乗っています)。
だから、列車の席はどこから埋まるか。そう、バー・ヴァーゲンやビュフェット・ヴァーゲンから満席になります。

今から10年以上前になりますが、友人と二人でシュタイヤマルク州の「この手の列車」に乗ったことがあります。運悪く(というか本音は運良く)、相席になった方と盛り上がってしまい、飲み過ぎて、終点の駅で、しばらく休まざるを得なかったという経験があります。

日本では蒸気機関車が走ると、カメラを持った鉄道ファンがたくさん沿線に集まります。時には場所取りで、トラブルも起こると聞いています。もちろん、オーストリアでも珍しい機関車が走る場合は、ヨーロッパ各国からカメラやビデオを持った鉄道ファンが集まります。しかし、こちらでは、ダンプフ・ブンメル・ツークは、「大人も、子どもも、乗って楽しむもの」という考え方が定着しているようです。だから、「ブンメル」なのです。

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September 22, 2004

ツィンマー・フライ(Zimmer Frei)

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オーストリアの田舎を回っていると、必ず見かけるものに「ツィンマー・フライ」の旗があります。直訳すると「部屋、空いています」となりますね。リゾート系のホテルやペンションで、部屋が空いているときに出すお客様向けの案内です。地方によって、この旗にも色々なバリエーションがあるようです。また、場所によっては、旗ではなく、看板の場合もあります。看板方式では、ベッドが二つ並んでいる絵と一つの絵があり、その下にフライまたはベゼットと表示できるようになっているものもあります。こちらの方が実用的ですが、やはり「旗」の方が雰囲気があって良いですね。
車で田舎を回るようなってから、町や集落を通るたびに、この旗にお目にかかるようになりました。オーストリアの田舎では、農家が夏の間、副業としてツィンマーをやっているケースもあり、道路脇に突然、「ツィンマー・フライ」の旗が出ていることもあります。
ドライブを始めた頃は、「この旗を見つけること」=「今夜の宿候補発見」だったので、友人と旗を見つけるたびに、盛り上がっていたことを覚えています。

この旗、地域でデザインがだいたい統一されているところを見ると、○○地区民宿協会みたいな組織が斡旋しているのかもしれません。この旗が無性にほしくなったことがありましたが、残念ながら市販はしていないようです(当たり前ですが)。

また、「ツィンマー・フライ」の旗を見つけて、「おっ、なかなかしゃれたツィンマー(ペンション)だね。泊まろうか」と思って、訪問しても、断られることがあります。なぜか? 実は、ツィンマーの中で、限りなく民宿に近いところは、宿泊の単位が一週間というところが、多いのです。そのため、空いていても、「1日じゃ、ちょっとねぇ」となります。ガストホフやホテルに近いところでは、1日でもOKですが、基本的にシングルが少ないので、一人の一見さんはあまり歓迎されません。タイミングもあるようです。

早めに宿を確保して、街に繰り出し、ビアを飲みながら木陰で夕涼み。いぁー、最高ですね。そして、宿に戻ってくると、例の「ツィンマー・フライ」の旗が丸めてあることがあります。「丸めてある」=「今日は、おかげさまで、満室です」というサインになります。
翌朝、出発するときに、表を見ると、再び旗が下がっている…そんな光景を目にします。
ところで、ある時、クーフシュタインの金物屋にブラリと入ったときのことです。目に飛び込んできたのは…何と「ツィンマー・フライ」の旗ならぬ、金属製のプレートでした。即買ったのは言うまでもありません。自宅にある私の部屋の入口には、このツィンマー・フライのプレートが誇らしげにかかっています。

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September 21, 2004

ウィーンのカーナビ

日本のカーナビゲーション・システムは、その高度な機能性で、おそらく世界一だと思います(ただし、データーを提供しているGPSシステムが、実は米軍の軍事システムであることを知っている人は少ないようですが…)。
とくにアニメーション画像技術と音声合成技術は、ハイテク日本の面目躍如でしょう。

私がオーストリアで借りるレンタカーは、最も小さい(つまりレンタル料金も安い)クラスですから、カーナビはもちろん付いていません(付いている車種もあるらしいのですが)。

先日、夜遅くウィーン・シュヴェヒャート空港に到着したので、タクシーで市内の定宿へ向かいました。ウィーンのタクシードライバーは優秀ですから、ホテル名を言えばたいていは、指定のホテルまで行ってくれます。ところが、このときは、ホテル名を言ったとたん、ドライバーが「住所はどこ?」としつこく聞いてきます。どうも、ホテルの場所を知らないようです。今までホテルの住所を聞かれたことがなかったため、運悪く予約確認書はトランクに入れた荷物の中に…。必死に思い出そうとしましたが、「時差ボケ」で頭が回らず、住所が出てこない…。仕方ないので、付近の有名広場を指定し、「その近くだ」と言い、車はその広場を目指して進むことになりました。

ふと、後部座席から運転席を見ていると、ドライバーがなにやら入力しています(最初は携帯電話かと思いました)。その後、時々ドイツ語の音声が流れるようになりました。「さて、いつものラジオか、無線かな」と思っていると、どうも進路を指示する音声ガイダンスのようです。言葉はドイツ語ですが、指示の仕方は日本のカーナビと一緒で、「次の交差点を左、直進」といったガイダンスが流れています。日本のカーナビのような大型画面は見あたりませんでしたが、運転席の計器板に、何やら方向指示表示のようなものが見えました。

結局、ホテルに近い広場からは、私が道を誘導して、無事ホテルにつきました。ドライバー曰く、「ここは○○ガッセだよ」。今までウィーンで何度かタクシーに乗っていますが、カーナビが付いたタクシーに乗ったのはこれが初めてです。

ところで、以前、日本の某地方都市でタクシーに乗った時、立派なカーナビが付いているので、ドライバーに「これを使って目的地まで行くんですか」と聞いたところ、「いやー、下手に使うと土地のお客様から叱られてしまうので、お客様に道は聞くことにしていますよ」との答えでした。

さて、ウィーンのタクシーは、これからどうなるのでしょうか。

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September 20, 2004

歌劇場のビュフェ

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私の場合、オペレッタ、オペラ鑑賞にお酒は欠かせません(お酒をお飲みにならない方は、どうでも良い話かもしれませんが)。
劇場の雰囲気を味わいながら、開演前に一杯いただきながら、徐々に気持ちを高めていきます。そしてパウゼ(幕間の休憩)で一杯、この瞬間こそ、本場のオペレッタ、オペラ鑑賞の楽しみの一つです。
私みたいな方が多いようで、ウィーンを代表する歌劇場、シュタットオパーとフォルクスオパーには、それぞれビュフェがあります。

フォルクスオパーは劇場が小さいこともあり、日本式の2階に一箇所だけあります。ちょうど、エントランスの真上で、バルコニーのある場所です。2003/2004シーズンまでは、ここが唯一の喫煙所だったため、休憩時間中は紫煙がひどく、たばこが弱い人は、長居できませんでした(2004/2005シーズンからは、禁煙になりました)。
また、パウゼの時は、当日券売り場の前にワゴンを出して、特定の飲み物だけ販売しています(主に瓶で販売できるもの)。販売している場所が少ないこともあり、パウゼでは大混雑になることが多々あります。失礼ですが、日本のように順番に並んで…という習慣がないようで、スタッフと目があった瞬間に、素早くオーダーを出さないと、次のお客様に行ってしまいます。
ただ、この喧噪が「庶民の劇場」である「フォルクオパーらしいな」と思うようになってきました。

一方、シュタットオパーですが、こちらは正確にビュフェの数を数えたことがないので、わかりませんが、色々な場所にあります。メインは、エントランスの上にある「シュヴィンド・ロビー」(有名なロッジァに隣接しています)と、オペラ座通りに面した「大理石の間」でしょう。「大理石の間」には休憩用の座席とテーブルがセットされていますので、ここで寛ぐことができます。意外な穴場は、1階のパレッテから、一つ降りた所にあるビュフェです。ちょっと目立たないため、空いていることがあります。このほか、上層階にもビュフェがあります。

ところで、シュタットオパーのシンボルでもあるロッジァは、冬季はガラスで覆われますが、秋と春はガラスもなく、非常に気持ちが良い場所です。とくに日の長い時期、夕暮れのオパーリンクを眺めながら、ゼクトを一杯。「また、ウィーンに戻ってきたな。今日はどんな演出かな…」と思いを巡らす瞬間が、大好きです。ある方が、「劇場は非日常的な空間である」とおっしゃっています。日本公演では、開演前や幕間の休憩に、ロビーのソファでお弁当…私個人としては、どんなにすばらしい公演でも雰囲気が崩れるので、好きになれません(日本で働くものですから、事情はよくわかりますが…)。

さて、このシュタットオパーでビュフェを受託している会社は、ケルントナーシュトラーセにも店を出しているGERSTNERというカフェです。毎回、シュタットオパーのビュフェを利用して思うことが二つあります。

一つは、「販売員の優雅さ」です(ただし、例外もあります)。フォルクオパーではパウゼのビュフェが「市場」のような雰囲気なのに対し、こちらはどんなに忙しい時でも、スタッフ応対がゆったりしています。この品を感じさせる「ゆったりした応対」が、場の雰囲気を作っていると言っても過言ではないと思います。とくに中年の女性スタッフの応対には、光るものがあります(まるで別の時間が流れているように感じることがあります)。

もう一つは「カナッペがおいしい」ということです。ここのカナッペは何種類かあり、オープンサンド形式のものと、小型のゼンメルを使ったサンドイッチがあります。どちらも、本当に小型なのですが、繊細な味で、結構いけます。以前、80歳近い私の母を連れて行ったことがありますが、「このカナッペはおいしい」と気に入ったようです(ちなみに、他のお料理も口に合わない訳ではないようですが、プラスの反応がはっきり出たのは、このカナッペだけでした)。

本格的な夕食は、舞台がはねてから…という方も多いようなので、本当に軽くおなかに入れておく…といったものですが、こんなところにもウィーンの文化を感じています。
このほか、開演前に予約シートに記入してスタッフに渡しておくと、パウゼに準備をしておいてくれるというサービスもあります(グループのお客様が利用しているようです)。

ところで、GERSTNERのケルントナーシュトラーセのお店にも入ったことがありますが、店の雰囲気はごく普通のカフェでしたが、「例のカナッペ」はしっかりショーケースに並んでいました。

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September 18, 2004

クーフシュタイン音頭

チロル州にクーフシュタインという小さな街があります。スキーファンならば、「クナイスルチロル社(Kneissl Tirol GmbH)の本社工場がある場所」といった方が、わかりやすいかもしれません。

実は、この街の名前がついた歌があります。日本では、「カッコウワルツ」という名称で演奏されることがありますが、オリジナルは「KUFSTEINLIED」(KariGanzer作曲、私は「クーフシュタイン音頭」と勝手に名前を付けています)という名称です。
かつてドイツ国鉄に「ガラス電車」と呼ばれる団体専用観光電車がありました(その後、事故で大破し、修理されることなく廃車になってしまいました)。ミュンヘンに基地があり、ここから主に車窓からの眺めの良い、アルプス方面に運行されていました。ただし、団体専用なので、あらかじめツアーに申し込まないと乗ることはできませんでした。

一度、この電車にコネで乗ったことがあります(コネと言っても料金は払いましたが)。当たり前ですが、お客様は全員ドイツ人で、ガイドが沿線の案内をしながら、電車は進みます。ミュンヘンからインスブルックまでの日帰り旅行だったのですが、その帰り道、ドイツとの国境の町、クーフシュタインを通過しました。そのとき、突然、ガイドが、“それでは皆さん、ご存じの「クーフシュタインリート」を歌いましょう”と音頭をとって、老若男女、全員で大合唱が始まりました。うぅーん、うらやましい。歌えない自分が寂しい…

それ以来、こんな「名曲」があるクーフシュタインとはどんな街なのか、無性に知りたくなりました(ちなみに、この歌、ウィーンのホイリゲでも、よく演奏されます)。
さて、街の中心は、国鉄のクーフシュタイン駅からイン川を渡ったところにあります。街を見下ろす城塞には巨大な屋外パイプオルガンがあり、毎日、演奏されることでも知られています(周囲6キロまで届くとか)。演奏する鍵盤は、麓の小屋の中にあり、ここから城塞の中にあるパイプにつながっています。ちなみに、「第一次世界大戦で戦死したドイツ・オーストリア兵士追悼のため1931年に制作されたものである」という悲しい歴史を知ったのは、かなり後になってのことでした。

ここ、クーフシュタインには、もう一つ観光ガイドにも出ている、有名なワイン酒場が並んだレーマホフガッセ(Römerhofgasse)という路地(本当に油断していると入るところを見逃してしまいます)があります。この路地、たいした距離がないのですが、左右の家を2階で結ぶ渡り廊下が二箇所あります。有名なのは、樽の上に酔っぱらいが座っている看板のあるお店。夜になると連日、多くの観光客が訪れます。当然、夏のシーズン中は民族音楽(VOLKMUSIK)を演奏するバンド(チロル風の民族衣装をまとっています)が入り、夜遅くまで盛り上がります。

この酒場でのひとときが楽しく、若い頃、親友S氏とオーストリア旅行をしていた時代は、毎年、ここで騒ぎまくるのが恒例行事になっておりました。日によって違うバンドが入っており、個性豊かな演奏を繰り広げています。観光客相手なので、とにかくお客様を乗せないと、ワインの消費量も増えないため、やたら「乗りの良い曲」を演奏します。当然、リクエストもOK。夜遅くまで、各国の観光客が入り乱れて大騒ぎになることも、多々ありました。

ある年、某ワイン酒場で盛り上がった翌日、クーフシュタインの街を歩いていたら、何と、昨晩演奏していたおじさんにばったり…。私たちが、「グリュス・ゴット!」と声を掛けたら、目を丸くして、びっくりしていました。その日以来、例のワイン酒場に行っても、このおじさんを見かけることはなくなりました。まさか、異様に盛り上がった日本人に恐れをなしたわけではないでしょうが…
実は、私のオーストリアと音楽の接点は、この手の「VOLKMUSIK」なのです。
なお、後に日本でスキー板を買う時、クーフシュタインに敬意を表して、クナイスルの板を選んだのは言うまでもありません。

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September 17, 2004

メルビッシュ余話

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「ウィーンなんでも情報」の投稿ページに、今年、メルビッシュで見た「伯爵令嬢マリッツア」の内容については詳しくレポートしましたので、ここでは、ちょっと違った角度からメルビッシュについてご紹介しましょう。

メルビッシュのオペレッタは、毎回、“派手な電飾がラスベガスのようだ”と厳しい批判が寄せられているようですが、湖上の屋外ステージという性格上、どうしてもやむを得ない面があると思います。
というのは、劇場では必須アイテムの緞帳とバックステージがないため、舞台装置を入れ替えると言うことが事実上難しいのです。3回の鑑賞である程度わかったことは、「舞台装置は左右にスライドさせることで、変化を付けている」ということです。また、舞台そのものも大きく、野球場のスタンドを相手にしているような感じなので、照明だけで変化を付けようと思っても、「退屈な舞台」になってしまう危険性があると思います。

ただし、電飾の色遣いは、確かにオーストリア的ではありませんが…
そして、エンディングの花火大会。花火大会は珍しくありませんが、オペレッタのメドレーが演奏される中での、花火大会は、ここメルビッシュだけでしょう。

ところで、先日、NHK教育テレビの「芸術劇場」で紹介されたので、ご覧になった方はおわかりかもしれませんが、会場は、ノイジードラーゼーにつき出した「島」にあります。この「島」、もちろん劇場がメインではありません。海水浴場(湖ですから、湖水浴場になりますが)やプールを中心とした一大湖畔リゾートです。街から車で、この島に入ろうとすると、しっかり駐車料金が必要です(定期バスもありますが、少ない)。
スタンド下から見ると、広い階段や回廊が目につき、劇場というよりは、競技場といった趣です。

さて、この会場ですが、ビュフェも非常に充実しています。そして皆が楽しみにしているお土産は、公演内容に合わせて作成されるワイングラスです。デザインは、プログラムの表紙をそのまま使っています。ワイングラスですから、荷物になるにもかかわらず、ついお持ち帰りしたくなる一品です。ちなみにデポジット制になっており、今年はワインが1/4リットルで3.5ユーロでしたが、グラスを返却すると1ユーロ戻ってきます。
また、「ワイングラスだけの販売」も行っており、6個セット(この場合、箱入り)で楽しそうにお持ち帰りになる女性も見かけました。私は、がんばっても2個が精一杯です。

また、ノイジードラーゼーというロケーションを活かして、会場まで各地から臨時の連絡船が運航されます。私はルストに宿泊することが多いのですが、このルストからも船が出ます。お客様が多い時は、二隻運行されます。今年、私が利用した時も二隻運行でした。世界遺産に登録されたノイジードラーゼーは、湖畔がアシに覆われた湿地帯なので、街の船着き場から、湖までは「運河」が設けられています。あまり広くないため、ゆっくりと進むこともあり、自動車で15分足らずの距離を、約1時間かけて進みます。この「運河」の両側には、ヨットを係留した別荘や、ヨットハーバーを見ることができます(ヨットの話はいずれ…)。

“何で、こんなのんびりしている連絡船に乗っているか”ですか? 実は、晴れているとノイジードラーゼーから見る夕日が、ものすごくきれいなのです(写真が、その夕日です)。というのは表向きで、船にはバーがついており、湖を渡る風を感じながら、ワインを飲める…これぞ、メルビッシュならでは! 一度体験したら、病みつきになります。オペレッタ好きの心理を見事に捉えた仕掛けは、憎らしいほどです。

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September 16, 2004

高速道路はいつも工事中?

オーストリアでは、普通、高速道路を通行する際、その都度、料金を払う必要はありません(タウエルントンネルなど一部区間を除く)。

そのため、一般道から、知らないうちに自動車専用道路や高速道路に入っている…ということがよくあります。高速道路は、片側2車線が一般的ですが、最初のうちは、“なぜ、路肩をこんなに広くとっているのだろう?”と疑問に思ったことがありました。
その疑問は、しばらく高速道路を走行していると氷解しました。というのは、保守工事をしている場所が多いということです(夏の長距離ドライブで、保守工事に引っかからないことは、まずありません)。保守工事をどのように行うかというと、文章では表現することが難しいのですが、いくつかのパターンがあります(名前は私が勝手に付けました)。

1.全面通行止め方式(この場合、迂回が指示されます)
2.車線減少方式(同一方向の一車線を閉鎖し、工事を行います)
3.対向車線活用方式(対向車線を仮設道路として活用し、本来の車線で工事を行います)

このうち、「対向車線活用方式」は、自動車運転を始めた頃、正直、驚きました。本線の途中で標識が出て、対向車線側に車線変更するように指示が出ています。しかし、対向車線も2車線しかないので、どうするのかと思っていると、ここで例の広い路肩が道路に変身するわけです。いくら何でも、通常の2車線を4ないし、3車線で使うため、車線の幅は狭くなります。ときには幅規制がかかるケースもあります(例:大型車は外側)。中央分離帯がないケースも多く、結構慎重な運転が求められます。

主要道路のA1あたりでも、この方式で工事をしていることが多いのですが、これによる渋滞はほとんど発生しません(今年の夏は、A1走行中に、リンツの手前で、全面通行止めになっており、パッサウ方面に迂回することになりました)。このあたり、車の絶対量が少ないことが要因になっているのかもしれません。
なお、インターチェンジ付近でも工事をやっていることも多く、この場合、アプローチの場所が変わったりすることもよくあります。料金所がないから、取り付け道路の変更が比較的たやすいことも、工事を容易にさせているのでしょう。

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September 15, 2004

フェストとビア

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夏が短いヨーロッパでは、夏の間、各地でお祭りが行われます。
オーストリアも例外ではなく、7月下旬から9月上旬(地方の町では8月が多いのですが)に各地で“フェスト”が催されます。
フェスト開催の趣旨ですが、宗教的な色彩の強いもの、古くから地元に伝わる言い伝えにまつわるもの、単に町の皆さんが集まって騒ぐ(ちょっと失礼な言い方ですが、夏に感謝といったところでしょう)といった趣向のものなど、多種多様です。

しかし、いずれも欠かせないアイテムが、音楽とビアでしょう。フェストの音楽については、いずれご紹介しますが、今日は、必須アイテムの「ビア」のご紹介です。
基本的にビア会社が地元の飲食店と共同で、会場となる広場(通常は市庁舎前広場が多いのですが)に臨時のスタンドを出します。ただし、スタンドが一ヵ所ということは少なく、往々にして広場全体が巨大なビアホールと化してしまいます。提供されるのは、当然、「生」で、ディスペンサーがついたカウンターや、折りたたみ式のいすやテーブルもビア会社が提供しているようです。中にはトレーラー式のバーを持っている会社もあります。電源を入れ、排水溝の手配さえできれば、あっという間に、本格的なバーのできあがりです。
そんな中で、生バンドの演奏があるわけですから、天気が良ければビアの消費は、鰻登り(日本的な表現ですが)。

このビアですが、屋外のフェストにもかかわらず、ガラス製のビアジョッキで提供されます。日本でも、この手のイベントでビアが提供されることがありますが、まず間違いなく紙コップか、プラスチック製のコップです(多くはビールメーカーの名前が入っていますね)。

当然、屋外なので、ビアの消費があがるほど、ジョッキの回転も速くなります。とてもストック品だけでは、供給が追いつかなくなります。そのため、わざわざ食洗機を屋外に設置して、洗っています。“わざわざ面倒なことをするなぁ”と思ったこともありますが、これがビアに対する「こだわり」なのかもしれません(もう一つは、分別収集が徹底しているオーストリアですから、ゴミ問題があるのかもしれません)。ガラス製ですから、フェストが盛り上がり、酔っぱらいが増えてくると、翌朝には広場に壊れたジョッキが散乱していることもあります。

この「こだわり」にはまっている私ですが、今年の夏、シュタイヤマルク州の「ある谷にある街」のフェストでのこと(このフェストには、数年間連続で行っています)。
何と、ビアジョッキが一斉に姿を消し、日本でもおなじみのプラスチック製のコップに変わっているのです。これも合理化の一環なのでしょうか。ちょっと寂しさを感じたフェストでした。
ところで、ウィーンの「夏の風物詩」、ラートハウスプラッツの「フィルムフェスティバル」ですが、ここでは、今年もビアグラスで、おいしいビアが提供されていました。
<写真はザルツブルク州の某町で開催されたフェストのオープニングを飾るビア樽開き。ご担当は市長さんです>

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September 14, 2004

チロリアン航空と客室乗務員のお話

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オーストリアにインスブルックを拠点にしているチロリアン航空という会社があります。
現在は、航空自由化と競争激化を受けて、オーストリア航空グループに入り、名称もオーストリアアローズに変更されています(ただし、会社は存続しているようで、時刻表には「運行はチロリアン航空」の文字が見られます)。

今から15年くらい前になりますが、友人と二人でオーストリア旅行をしているとき、ひょんなことから“インスブルックからウィーンまでチロリアン航空に乗ってみない?”という話になり、現地で航空券を購入して、搭乗したことがあります。当時使用していた機材は、カナダ製のDHC-7(ダッシュ7)というターボプロップ4発のものです(写真の飛行機です)。これはインスブルック空港が、山に挟まれている関係で、上昇性に優れた機体が必要だったことが要因のようです(当時は短距離離発着ができる中型機材は限られており、実質的にはDHC-7が唯一でした。現在は、より効率的な双発機DHC-8に変わってしまい、残念ながら今は見ることができません)。定員は60名強で、ちょうどYS-11とほぼ同じ大きさです。
当時は今のようにインターネットもありませんでしたので、事前の情報もなく乗ったのですが、びっくりしたことがあります。

それは、客室乗務員が、皆ディアンドル姿だということです。つまり、チロリアン航空では制服がディアンドルだったのです。客室乗務員は保安要員としての性格が強いため、活動的な服装が多いのですが、これには驚きました。まさに、「空飛ぶホイリゲ」です。
さらにびっくりしたのは、各座席に用意されている機内誌に、運行乗務員を含む全乗員が写真入りで紹介されていることでした(全員というのがすごい)。今だったら、ストーカー行為に走る人が出てきそうで、とても考えられませんが。
ですから、搭乗して、機内誌を見ると、“あっ、今日はマリアさんが乗っている”と、すぐわかる訳です。今ではEU内の近距離国内線では、エコノミークラスの場合、食事のサービスはなくなりましたが、当時は、国内線にもかかわらず、立派な機内食(コールドディッシュですが)が提供されたことを覚えています。当時、定期便に使っていたDHC-7は、わずか2機。大変小さな会社で、いかにも「オーストリア的な航空会社」という印象を持ち、一度でファンになってしまいました。その後も、日本からオーストリアへ行くとき、ザルツブルクやインスブルックに行く際、チロリアン航空のお世話になっています(余談ですが、昔は日本の航空会社でTyroleanAirwaysを読めない係員がいました。いちど私が読み方を教えてあげたことがあります)。

その後、急速に路線を拡張し、機材もターボプロップ機に加えて、ジェット機のフォッカー70やカナディアCRJ(これは、今は日本でもJ-AIRやフェアリンクで運行されています)などが加わり、ヨーロッパ内国際線の運行も始まりました。これにともなって、「古き良き手作り航空会社」の雰囲気はなくなってきましたが、ディアンドル姿の客室乗務員は健在です。
なお、もう一つ、新興航空会社に、F1レーサーだったニキ・ラウダ氏が創設したラウダ・エアがありますが、これについては、また、改めてご紹介しましょう。

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September 13, 2004

「ヴェネチアの一夜」はオペレッタの未来形か?

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2003/2004シーズンから始まった新演出の「ヴェネチアの一夜」ですが、いわゆる
「普通の演出」でご覧になった方は、“えっ、これが「ヴェネチアの一夜」?”と思
うかもしれません。
もちろん、ヨハンシュトラウス二世の地元だけに、ウィンナワルツは気合いが入った
演奏ですし、メロディーラインは、流石にウィンナワルツの地元、フォルクスオパー
です。
ただ、舞台を見るとオペレッタと言うよりは、「新作ミュージカル」の趣が…。

この手の新演出には、賛否両論があるようです。

実際、私が前シーズンに見たときには、途中の休憩時間にいなくなってしまったお客
様(地元のご年配の方)もいらっしゃいました(ご夫妻のうち、奥様は喜んでいましたが
ご主人が第一幕からむっとしていたように思います)。

ところで、私はアンニーナがAkiko.NakazimaとR.Pitscheideの両方を見ていますが、好
みが分かれるところかもしれません。
ただし、個人的な見解ですが、中嶋さんが出演されたバージョンも見事でした。
中嶋さんについては、色々な見解をお持ちに方がいらっしゃるようですが、私の実感で
は、「存在感」が出てきて、違和感なくフォルクスオパーに舞台にとけ込んでいると思い
ます。私も日本人なので、応援したい一人です。

中には、「こんなに演出をいじるのなら、新しいオペレッタを作った方がいい」という
ご意見の方もいらっしゃるようで、なかなか難しいですね。

ぜひ、オペレッタがお好きな皆様のご意見をうかがいたいところです。

仮に日本公演で、この新演出で上演したら、どのような批評がでるのか、楽しみで
す(ちょっと、ひねくれていますが…)。

ところで、2004/2005シーズンでは、同劇場で、レハールの名作「メリーウィドウ」の
リニューアルされます。さて、どんな演出になるのか、興味は尽きません。
<写真はフォルクスオパーの年間プログラムです>

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September 12, 2004

侮れない代役さん

オペレッタやオペラでは、主演級の歌手に万が一のことがあった場合に備えて、劇場側が「代役」を準備しています。
とくに国際的に有名な歌手の場合、「代役」とは言え、チケットの払い戻しはないわけですから、中途半端な歌手を持ってくるわけにはいきせん。

それこそ、劇場の信用問題になりますから。

今は大スターとなった歌手の方々も、デビューのきっかけは「代役」だったという話は多いようです。

さて、今年、2月、ウィーンシュターツオパー(国立歌劇場)でベルカントもののオペラ「清教徒」(ベリーニ)が、エディタ・グルヴェローバさんの主演で、上演されるはずでした。

「はず」というには、1月のバイエルンシュターツオパー公演で体調を崩し、結局、体調が回復せず、全公演代役とあいなりました(極めて体調管理にはシビアなグルヴェローヴァさんとしては、珍しいのですが)。

この代役が、これまたすごい。何と、日本でも大人気のステファニア・ボンフェデッリさんなのです。
日本だったら、最初からステファニア・ボンフェデッリさん主演で、公演がはれますからね。

キャリアもご年齢も違いますから、比べてしまうのは失礼千万ですが、ボンフェデッリさんの個性が光る「エリヴィーラ」でした。

ところが、2004/2005シーズン、ウィーンシュターツオパーでは「リゴレット」がステファニア・ボンフェデッリさんの出演で企画されました。

“これは見逃せない”と思った私は、発売開始と同時にチケットを買って、準備万端整えていたのですが…
こんどはボンフェデッリさんが病気で、2公演(6日と11日)、キャンセルになってしまいました。
ここで「代役」として登場したのが、アンドレア・ロシュトさんです。

ロシュトさんは、小柄な女性で、「リゴレット」のリゴレットの娘であるジルダ役には、雰囲気がピッタリでした。
もちろん、ボンフェデッリさんのジルダも聴きたかったですが(10月に日本公演がありますね)。

うーん、さすがウィーンシュターツオパー、代役の手配もあなどれません。
ところで、アンドレア・ロシュトさんは10月のハンガリー国立歌劇場日本公演で、「リゴレット」のジルダ役を担当します(日本でももう一度、聴いてみたいという気持ちになってきました)。

それにしても、手配の見事さと良い、それに応える「代役」(失礼な言い方ですが)と良い、歴史(この場合、キャリアかもしれませんが)の違いを感じさせます。

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September 11, 2004

自動販売機の不思議

日本は自動販売機の高機能化と普及率では、おそらく世界一ではないでしょうか。

お酒の販売時間規制導入に伴って、年齢確認ができるシステムを取り入れたビールの自販機を見たことがあります。

さて、オーストリアでは、正直、自動販売機はあまり見かけません。
一番多いのは、「特産品」のたばこ用でしょうか。もちろん、これはコインで買う仕組みです。
飲料の自動販売機も、大きな駅などで見かける程度で、日本ほどは普及していないようです。

このように自動販売機が普及していないオーストリアで、びっくりした経験があります。
それは、「クレジットカードが使える自動販売機がある」ということです。

昨年、ザルツカンマーグートのサンクト・ウォルフガングに行った時、駐車場から車を出す際、小銭がないことに気づきました。
精算機を見ると、「各種クレジットカード使用可」となっているではありませんか。
“まぁ、ダメだったら時間もあるし、どこかでくずせばいいか”と思い、手持ちのVISAカードを入れると、あれよあれよと承認が進み、精算済みの駐車券が出てきました。これにはびっくり。

次は、ウィーンの地下鉄(Uバーン)です。ウィーンのUバーンは、合理化が進んでおり、人が常駐する駅の窓口は原則としてありません(駅の様子をモニターで監視している人はいますが)。
従って、切符は自動販売機で買うことになります(大きな駅には例外的に有人の切符売り場があります)。

日本では1万円札が使える自動券売機は、「当たり前」ですが、ウィーンのUバーンでは、高額紙幣は偽装の問題があるためか、使用できないケースが圧倒的に多くなっています(50ユーロ化の表示があっても、紙幣を入れると、見事に戻ってきます)。
ここでも、「各種クレジットカード化」の表示が…

一度、到着翌日の朝で、小額紙幣やコインがなかった時、クレジットカードで72時間チケット(もちろん1.5ユーロの1ゾーン券も買えるはずです。試したことはありませんが)を購入しました。
カードの承認が必要なため、現金よりは若干、切符が出てくるまでに時間がかかりますが、まぁ、日本のJRにある指定席券販売機と発券までの時間はほぼ同じでしょう(あくまでも、ほぼ)。

おそらく、考え方の違いだと思うのですが、身近なハイテク技術に驚くことがあるオーストリアの街角です。

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September 10, 2004

フォルクスオパー・ガラ

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ウィーン・フォルクスオパーの2004/2005シーズンは、9月4日から始まりましたが、今年はフォルクスオパー100周年記念の「ガラコンサート」でスタートしました。
“フォルクスオパーだから、お気軽コンサート”ではありません。100年の歴史を物語る曲目が並んでいました。
いつもは軽装で演奏する楽団員の皆さんも、さすがに正装です(ちなみにミュージカルの時は、ネクタイをしないでいいように、ポロシャツ姿です)。
指揮者は、シュターツオパーにも登場するAlfred Eshwéでした。この方、ヨハンシュトラウス二世を思わせる風貌で、今回のガラコンサートにはピッタリでしたね。

第1部は、ウェーバーの「魔弾の射手」序曲で始まり、プッチーニの「トスカ」フィナーレまで、7曲が奏でられました。
最近ではあまり聴くことのない曲も入っており、結構、通好みの選曲だったようです。

第2部は、モーツァルトの「フィガロの結婚」序曲で始まりました。オペレッタの名曲、レハールの「メリーウィドウ」からは「ハンナ登場の歌」が選ばれましたが、中嶋彰子さんがハンナ役を演じました。
中嶋さんは、私の知る限りではハンナ役をフォルクスオパーではやっていないので、大変興味深い舞台でした。
翌日の地元新聞でも、中嶋さんの歌いぶりは好評だったようです(伝聞ですが…)。
そして、フォルクスオパーには、なくてはならないUrike SteinskyとSándor Némethは、「伯爵令嬢マリッツア」を担当。曲目は、乗りの良い(私の好きな)、「ヴェラシュディンへ行こう」でした。いぁー、このペアで本編を鑑賞したいものです。

なお、詳細なプログラムは「ウィーンなんでも情報」に載せて頂きましたので、そちらをご覧ください。

ところで、当日は「フォルクスオパー100周年記念特製チョコレート」が当たる大抽選会がありました。
くじ運の悪い私は、見事外れてしまいましたが、中身はともかく、外箱は魅力的でした。

なお、ガラコンサートは9月10日、18日にも行われます。

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