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September 24, 2004

ダンプフ・ブンメル・ツーク

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日本でも、ここ数年、各地で蒸気機関車が復活し、時折、臨時列車として運転され、人気を集めています。しかし、この分野では歴史と伝統のあるヨーロッパが「大先生」です。日本では、鉄道会社が事実上の「費用持ち出し」(要するに赤字で)で機関車を修復し、機関士を養成して、運行しています。しかし、ヨーロッパの場合、民間のボランティア団体が中心となり、彼らが自らの技術と労働力を提供し、長い時間をかけて修復し、運行まで手がけるというケースが大多数です(この話は、いずれ詳しくご紹介しましょう)。もちろん、オーストリアでも例外ではありません。
ただし、大型の機関車(国鉄線上を走るようなもの)は、費用の問題などもあり、シュマール・シュプール・バーン(日本語では狭軌鉄道と訳しますが、日本の鉄道ファンには英語の「ナローゲージ」と言った方がわかりやすいですね)が中心です。これは、線路の幅が760mm程度と、国鉄の線路幅(1435mm)よりも狭い鉄道で、主に地方や山間部で使われています。しかし、オーストリアは道路が完備しているため、多くのシュマール・シュプール・バーンが1970年代に廃止されて、残っている方が少なくなっています。現在残っている鉄道も、貨物輸送が中心で、旅客輸送は「おまけ」といった感じのところが多いのが特徴です。

日本でも有名なインスブルック近郊のツィラタールバーンなどは、有名ですね。
蒸気機関車で運転する特別列車のことを、オーストリアでは「ダンプフ・ブンメル・ツーク」(Danpf Bummel Zug)と言うことがあります。「ダンプフ=蒸気、ブンメル・ツーク=鈍行列車」です。

しかし、「ブンメル」が「くせ者」であり、オーストリアらしいところなのです。「Bummel」には俗語で、「飲み歩く」という意味もあるようです。まさにピッタリ。というのは、ほぼすべての、この手の列車に必須のアイテムがあります。それは、バーやビュフェと名付けられた簡易食堂車です。当然、バーですから、ビアをはじめとする各種アルコール飲料が販売されています。中にはアコーディオンの演奏をしている列車もあります。日本だと、子どもにつきあうお父さんは、缶ビールを持ち込んで、チビチビやる…という光景を目にしますが、ここオーストリアでは、大人が堂々とバー・ヴァーゲンやビュフェット・ヴァーゲンで、昼間から宴会をやっております(ただし、オーストリアでもウィーンの方が多いようですが、ドイツ人やイタリア人も多数乗っています)。
だから、列車の席はどこから埋まるか。そう、バー・ヴァーゲンやビュフェット・ヴァーゲンから満席になります。

今から10年以上前になりますが、友人と二人でシュタイヤマルク州の「この手の列車」に乗ったことがあります。運悪く(というか本音は運良く)、相席になった方と盛り上がってしまい、飲み過ぎて、終点の駅で、しばらく休まざるを得なかったという経験があります。

日本では蒸気機関車が走ると、カメラを持った鉄道ファンがたくさん沿線に集まります。時には場所取りで、トラブルも起こると聞いています。もちろん、オーストリアでも珍しい機関車が走る場合は、ヨーロッパ各国からカメラやビデオを持った鉄道ファンが集まります。しかし、こちらでは、ダンプフ・ブンメル・ツークは、「大人も、子どもも、乗って楽しむもの」という考え方が定着しているようです。だから、「ブンメル」なのです。

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