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October 13, 2004

番外編:ウィーン国立歌劇場日本公演で思ったこと

2004年10月3日から始まったウィーン国立歌劇場日本公演ですが、「ドン・ジョヴァンニ」4公演(会場:東京文化会館)、「フィガロの結婚」3公演(会場:NHKホール)ですが、15日の「ドン・ジョヴァンニ」をもってお開きとなります。私は予算とチケット入手の関係もあり、「ドン・ジョヴァンニ」を10月6日に鑑賞しました。

2000年の来日公演の際は、あまり気にならなかったのですが、今回は「オーケストラの響き」が何か物足りないと感じました。これはオーケストラの仕上がり云々ではなく、明らかにホールの違いによるものだと思います。たしかに、東京文化会館はオペラを上演できる数少ないホールで、改修により音響効果も良くなっているのも事実だと思います。しかし、地元ウィーンの劇場で聴いた音とは明らかに違う…と感じました。本来は、比べてしまうこと自体が問題なのかもしれません…

ところで、個人的に残念なのは、我が国で唯一の本格的歌劇場である「新国立劇場」が、この手の引っ越し公演で全く使用されないことです。同劇場では、小ホールは各種団体に貸し出しているようですが、大ホールを海外の歌劇場に貸したという例は耳にしたことがありません。色々と理由はあると思うのですが、残念でなりません。おそらく、来日した歌手やオーケストラ・メンバーも、もし新国立劇場で上演する機会があれば、日本の劇場に対する評価もずいぶん変わると思います。

さて、10月6日ですが、終了後のカーテンコールの際、海外の有名劇場の引っ越し公演ではめずらしく、「ブラヴァだけ」ではなく、「ブーイング」がありました。指揮者の小澤征爾氏をはじめ、歌手が一人ずつ出てくる際に、ブーイングがあったので、具体的に「誰がブーイングの対象となったのか」はわかりました。ただし、理由が今ひとつはっきりしないこともあり、この場での公開は差し控えたいと思います。

2000年のウィーン国立歌劇場来日公演の際、私は2公演鑑賞しましたが、その時は、ブーイングの記憶がない(あったのかもしれませんが、気づかなかった)だけに、意外な感じがしました。
しかし、地元ウィーンでは、ブーイングは良く起こります。とくに演出を新しくした場合、「演奏や歌手はブラヴァ、演出はブーイング」といったシーンを見ることがあります。ウィーンの人は保守的な人が多いようで、現代的な新演出が最初から受け入れられるケースは希なようです。当然、演出家や指揮者も、その点は十分承知した上で、新しい演出にチャレンジする訳ですから、さして驚かないのかもしれません。

スポーツでもそうですが、良いプレーには声援、悪いプレーにはブーイングをすることが、結果として選手のレベルを上げると言われています。
これは、オペレやオペレッタの世界にも言えることでしょう。厳しい観客の声に真摯に耳を傾けながら、自分たちのポリシーをわかってもらう…口で言うのは簡単ですが、現実には、かなりのプレッシャーがかかると思います。
それにしても、来日公演でブーイングが出るようになったということは、日本の観客の水準も上がってきた…ということでしょうか。色々と思いを巡らした来日公演でした。

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