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November 18, 2004

プラッツ・コンツェルト

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私とオーストリア音楽の出会いは、実は「プラッツ・コンツェルト」と呼ばれる「無料の演奏会」でした。今から20年ほど前、初めてオーストリアを訪問した頃は、今のようにオペラやオペレッタはもちろん、クラシック音楽に深い関心がありませんでした(「オペレッタにはまっている男」を名乗るのが恥ずかしいのですが)。

しかし、子供の頃から、両親がクラシック音楽が好きで、自宅で流していた(別に私に聞かせるためにという訳ではなく)ので、潜在意識の中にはすり込まれていたようです。
そんな「音楽のDNA」がオーストリアで芽生えたのは、今日ご紹介する「プラッツ・コンツェルト」でした。

「プラッツ・コンツェルト」とは、簡単にご紹介すると、季候の良い時期、広場で開催される「無料の演奏会」のことです。楽団(コーラスの時もありますが)の多くは、民族衣装をまとったブラスバンドです。特に夏期、観光客が多く訪れる町では、週に一回程度、曜日を指定して開催されることが多いようです。会場は、広場とご紹介しましたが、市庁舎前(必ずしも市ではないところもあるのですが…)広場が多いようです。なお、一部は、野外音楽堂(別に東京の日比谷ではありませんが)で開催される場合もあります。

メンバーの多くは、アマチュアで、年齢層も幅広いところが多いようです。もちろん、オーストリアだけあって、アマチュア・バンドと言っても、水準の高い楽団も多数存在します。
一般的な展開は、次の通りです。開演時間は20時前後で、リーダーの先導で、演奏しながら会場に入場します(これが、またかっこいい!)。会場には、すでに譜面台等が準備されており、各自、自分のポジションに着席します。その後、バンド・リーダーとは別の指揮者が登場し、演奏を始めます。夏期は、多くの場合、近隣の飲食店から、ビアが大ジョッキで振る舞われ、演奏の合間にメンバーが「回し飲み」をします。

通常、連続で演奏することは少なく、一曲ごとに、メンバーが曲の解説をします。演奏される曲ですが、多くがオーストリアのマーチやポルカです(ブラスバンドなので、当たり前と言えば、当たり前ですが…)。曲目によっては、手拍子が入ったり、子供が踊ったりと、リラックスムードが漂う陽気なコンツェルトです。この間、バンドと同行している「ディアンドル姿のシュナップス売りのお姉さん」が会場を回り、シュナップスを販売します(シュナップス売りのお姉さんについては、改めてご紹介します。そもそも、何でこんな人が同行しているのか、不思議に思う人も多いでしょう)。

演奏は、おおむね1時間から1時間30分で、「とり」はラデツキーマーチで締めくくるのが一般的です(もちろん、地元に代々伝わるマーチを演奏する楽団もあります。あくまでも一般論)。また、最近では自分たちのバンドのCDを販売しているところもあります(私も何枚か持っていますが、大切な宝物です)。

演奏終了後は、再びバンド・リーダーが、先頭に立ち、行進しながら会場を後にする会場と、アンコールで何となく終わってしまう会場の二種類があります。有名なサンクト・ウォルフガングのプラッツ・コンツェルト(会場はホテル・ポスト前の広場)は、観光客の受けをねらっているのか、前者のパターンです。一方、モンドゼーは、後者のパターンです。

ご存じの方も多いと思いますが、オーストリアの夏は日が長いので、夕食も20時以降のとる方が多く、「テラス席で夕食を楽しみながら、生演奏のコンサート」という優雅なバカンスを送ることができます。

オーストリアを訪問し始めたころは、夏が中心だったこともあり、この「プラッツ・コンツェルト」が、「夜の最大のお楽しみ」でした。えっ、どうやって開催を知るのか…ですか。実は、広場や町の入口に「Heute Platz-Konzert」という看板や横断幕が出ているのです。その頃は、親友と二人で旅をしていたので、助手席のナビゲーター役は、道路の案内のみならず、「この看板」をいかに素早く発見するかが重要な役割でした。そして、この看板を見つけると、直ちにその町で、今晩の宿をとる相談をしたものです。

私のオーストリアでの音楽との出会い、それは「プラッツ・コンツェルト」と「フォルクス・ムジーク」(これは、改めてご紹介しましょう)です。
しかし、ここからオペレッタに至る道のりには、色々なことがありました。

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