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November 27, 2004

西洋なし

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西洋なし
今日は、果物のお話です。
私が子供の頃、洋なし(現在は、西洋なし)と言っていた果物があります。最近では、“ラ・フランセ”という名前が一般的ですし、品種改良で、オリジナルの名前がついたものも沢山あります(先日の頂き物では、ルレクチエというのがありました)。ドイツ語では“birne”と言うようです。

日本では、好みの分かれる果物の代表でしょう。ちなみに、「洋なし」が「西洋なし」に改名された理由ですが、「洋なし」=「用無し」だとか…ちなみに、こういった「ごろ合わせ」はオーストリアにはあるのでしょうかね?
西洋なしは、16世紀頃からドイツやイギリスで栽培されはじめ、18世紀のイギリスで代表的な品種のバートレットが発見されたようです。これが明治の初めに、日本に入ってきました。山形県では、古くからのなし産地である高畠町で、明治8年から植え付けがはじまったと言われています。

当時は、実ったはずの果実を食べようとしても、石のように固くてまずいのです。「こんなもの食べられないと捨てておいた。それが、時間がたつと黄ばんで香りがしてきたので、拾って食べたところおいしかった。収穫の後に熟させてから食べることに初めて気づいた」という笑えない記録があるそうです。今でも、日本の都市部では、熟す前の「西洋なし」が入荷しますから、自宅で、「熟してから」食べるのが「おきて」です。しかし、このタイミングが難しい。
一方、現在では「西洋なし」の代名詞となった「ラ・フランス」は1864年、フランスのクロード・ブランシュ氏が発見したようです。そのおいしさに「わが国を代表するにふさわしい果物である!」と賛美したことから「ラ・フランス」と名前がついたと言われています(もっともらしい話ですが)。

「ラ・フランス」は、別名「バター・ペア」と言うようです。特有の芳香と、果汁がしたたるち密な肉質は、まさに西洋なしの最高峰です。初めは、一部の人向けの「高価な果物」としてわずかに出回っていたようですが、グルメブームの到来で、広く一般的に入手できるようになりました。
専門家のお話ですと、「ラ・フランス」は西洋なしの中で一番開花が早いため、実がなるまで期間を要します。生育期間が長ければその分手間がかかる上に、病害虫や台風の影響も受けやすいとのことです。そのため、故郷のフランスでは、作られなくなったようです。

「幻」の西洋なしと言われる品種に「ルレクチエ」 があります。こちらは、明治36年に、新潟県の生産農家により、故郷フランスから1本の苗木として導入されたとのことです。数ある西洋なしの中でもその栽培方法は難しく、また果実が落下しやすく、安定した収穫もできないため、なかなか栽培面積は増えなかったようです。その後、農家の皆様の研究開発で、今では高級フルーツとしての地位を確保しています。

ところで、現在、日本では多種多様な「西洋なし」が発売されています。名前も、「ラ・フランス」、「バートレット」、「ブリックリンク」、「デボー」、「ブーレボスク」、「シルバーベル」、「ゼネラル・レクラーク」などなど、もう覚えられないような状態です。

さて、オーストリアで発売されている品種は、残念ながらよく知りません。しかし、5月から9月くらいまでは、マルクトに並んでいます。また、ホテルの朝食で提供されることもあります。以前、8月に宿泊したホテルの朝食で、「西洋なし」があったので、試しに食べてみましたが、堅くて、日本の「西洋なし」とは全く食感がことなりました。どちらかというと、リンゴに近い食感でした。その後、別のホテルでは、日本の食感に近い「西洋なし」に出会いました。きっと、品種が違うのだと思います。
よく、マルクトで「2キロ○○ユーロ」という看板を見かけます。ウィーンに「住んでいる」のであれば、飛びつくのですが、滞在期間が短いため、いつも見るだけです。
ウィーンに長期間滞在して、思う存分、西洋なしを食べ尽くしたい…という欲望に駆られることがあります。
これだけでも、変人ですな。

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Comments

初めまして、いやぁなかなか詳しくていらっしゃいますね。
恥ずかしながら私の近くでルレクチエを生産してるもので、コメントとトラバを付けさせていただきました。

Posted by: もうぞう | December 02, 2004 20:00

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