« フランツヨーゼフ駅 | Main | えっ、これが国際線の機内食? »

November 08, 2004

“閉まる扉にご注意ください”

312-1204_img.jpg


日本と異なり、ウィーンでは「注意の案内放送」はほとんどありません。それでも、最近のウィーンは「うるさくなった」との認識が一般的ですが…

日本の都会では、乗客が異常に多いこともあり、鉄道の駅や車内は「騒音の嵐」です。“閉まる扉にご注意ください”“駆け込み乗車は危険ですから、おやめください”“黄色い線の後ろに下がってください”“不審なものを車内で発見したら、さわらずに係員にお知らせください”“忘れ物が大変多くなっています。ご注意ください”などなど…。まぁ、賑やかなこと。それに加えて携帯電話の着メロや、大きな話し声(最近の若い方の話し方を見ていると、怒鳴っている感じがします)。ただし、これを「うるさい」と思わなくなってしまった私たちの方が実は、怖いのですが(音に対する感受性が、鈍くなっている訳ですから)。

今日の話題は、「うるさい車内の元凶」とも言える「車内放送」ではありません。実は、ウィーン地下鉄の「ドア」のお話です。

ウィーンの地下鉄は、ごく最近まで路線は違っていても、単一車種で運行されていました。2両1ユニットで、これを何ユニットかつないで、一つに列車になっています。また、合理的なワンマン運転が採用されているのも特徴です。寒冷地のウィーンらしく、乗降用の扉は、プラグドアと呼ばれる形式です。これは、外側に開いてスライドするもので、閉めた時は車体と一体になります。最近、日本でも観光バスなどに採用されているので、ご存じの方も多いでしょう。気密性が高いことと、「戸袋」と呼ばれるドア専用スペースを必要としないことから、ヨーロッパでは、中・長距離列車用の車両にも広く使われています。

ウィーン地下鉄の場合、最新型は別として、ドアを開ける際は、駅に到着後、「ドアについた大きな引き手」を横にスライドさせます。そうすると、動力でドアが開く仕組みになっています(初めての方は、ドアの引き手が大きいため、完全に手動で開けるのかと思うかもしれません。しかし、しっかり動力のアシストがついています)。閉まる時は、運転室からの操作で、一斉に閉じられます。このような方式を「半自動方式」といい、日本でも寒冷地の車両では、室内の保温効果を高めるため、かなり採用されています。

オーストリアでは、路面電車から、長距離列車用車両まで、ほぼ全ての車両が「半自動方式」を採用しています(最近は、開ける時はボタン式になっていますが)。

ところで、ウィーン地下鉄では、ドアが閉まる時の「閉まり方」が半端ではありません。というのは、最初はゆっくりスライドしてくるのですが、その後、一気に加速してバタンとなります。両開きドアですから、ドアの間にはゴムもついていますが、これが、また固い。日本では、乗客がドアに挟まれることを前提に、閉まる瞬間は力が弱まる設計になっている上に、万が一挟まれた場合、すぐに引っ張って抜けるように、ドアのゴムも柔らかいものが使われています。事実、東京都内では、挟まれている人を多数見かけますが、外側に大きくはみ出してしまった場合以外、引っ張れば簡単にドアから逃れられます。

しかし、ウィーン地下鉄では、仮に挟まれたら、再度ドアが開かない限り、絶対に抜けそうもありません。それどころが、ものすごい勢いで閉まるドアに挟まれたら、怪我をする可能性が高いのではないでしょうか。あの扉に挟まれることを覚悟で、駆け込み乗車をする勇気は、ありませんね。まさか、そのような効果をねらって、勢いをつけてドアが閉まる訳ではないと思います。それにしても、発想の違いを感じさせる電車のドアでした。
(写真は、最新型地下鉄なので、ドアはボタンで開けるようになっています)

|

« フランツヨーゼフ駅 | Main | えっ、これが国際線の機内食? »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference “閉まる扉にご注意ください”:

« フランツヨーゼフ駅 | Main | えっ、これが国際線の機内食? »