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December 31, 2004

フォルクスムジーク

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2004年、最後の「こぼれ話」です。
以前、私の「オーストリア音楽の原点」はである「プラッツ・コンツェルト」についてご紹介しましたが、もう一つの原点である「フォルクスムジーク」について、今日はお話しましょう。「フォルクスムジーク」は、直訳すれば「民族音楽」(民謡)となりますが、オーストリアの場合、その実態は、非常に幅広いものがあるようです。

一つは、純粋なフォルクスムジークです。こちらは、男性コーラスやヨーデルなどが、代表でしょうか。その対極をなすのが、クインテットやカルテット形式のフォルクスムジークです。彼らは基本的が歌う曲は、基本的にはオーストリアやドイツで歌い継がれているフォルクスムジーク(民謡、現地の方は誰でも知っているものが多い)ですが、複数の楽器を使い分けるのが特徴です。基本はアコーディオンとクラリネット、バイオリン、ベースなどですが、トランペットやトロンボーン、ハーモニカ、最近ではキーボード、ドラムなどが入るケースもあります。従って、一人で複数の楽器を演奏しながら、歌うという、マルチタレントです。全国区の楽団もあるようですが、基本的には地域密着で活動している方が多いようです。とくに各地のフェストには、このフォルクスムジークは欠かすことができません。

毎年8月15日にシュタイヤマルク州のムーラウで、サムソン・フェストというお祭りが開催されます(サムソンについては、いずれご紹介しましょう)。この会場で会ったのが芸達者な“RineggerQuintett ”というバンドです。
彼らは各種フェストの主催者やホテルなどから招聘されているようで、1時間ほど演奏をすると、その後、30分「お休み」となります。「お休み」の時は、客席(といっても酒場状態ですが)で、ひいき筋とビアを飲んでいることが多いようです(全てのバンドがそうだとは言いませんが…)。
また、演奏中は、随時、招聘元やお客さんから、ビアの差し入れが行われます。そのため、ステージはビアマグだらけになってしまうことも…
当然、差し入れが行われるたびに、彼らは「乾杯の歌」(私は、これを「販促の歌」と名付けました)を歌い、音頭をとって、「乾杯!」となります。真夏のフェストですと、この「乾杯!」で、ビアの消費量が、ぐんぐん上がるのは言うまでもありません。
また、自分たちが演奏した楽曲が入ったカセットテープやCDも販売しています。
サムソン・フェストの見物に訪れるたびに“RineggerQuintett ”と会うので、「日本から来ている変なおっさん」として、彼らにも知られるようになりました(一度、酔った勢いでステージに上げられてしまいました…)。

そんなこともあり、後日、会場で撮影した彼らの写真を送ってあげようと考えました。そこで、彼らの絵はがきに書いてある住所を見て、びっくりしました。ムーラウからさらに奥に入った小さな町を拠点にしているのです。
おそらく、オーストリアには「この手のバンド」が、星の数ほどあるのでしょう。正統派のクラシック音楽とは違いますが、私は、彼らから「音楽は楽しむもの」ということを、肌で教わりました。
ある意味、「オーストリア音楽の奥の深さ」を感じさせる楽しいフォルクスムジークです。

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