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February 08, 2005

シュターツオパーの「ノルマ」初演

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2005年2月5日、待ちに待ったエディタ・グルヴェローヴァ主演のオペラ「ノルマ」がウィーンシュターツオパーでプルミエを迎えました。幸運にもチケットを手に入れることができ、鑑賞することができました。

まず、興味深かったのは、「常設の歌劇場でどのようにコンツェルタント(コンサート形式)で行うか?」という点です。実は、2004年5月にドイツのバーデン祝祭劇場で、エディタ・グルヴェローヴァ主演のオペラ「ノルマ」を鑑賞しました(「オペレッタにはまっている男」ですが、美味しいオペラは欠かせません。また、エディタ・グルヴェローヴァ世界初演と銘打った「日本公演」にもしっかり行っちゃいました)。こちらもコンツェルタントでしたが、同劇場は、いわゆる多目的音楽ホールなので、予想通り、舞台上に後ろから合唱団、オーケストラが並び、最前列に指揮者(このときはグルヴェローヴァさんの旦那さんであるフリードリッヒ・ハイダーさんが指揮を勤めました)。とソリストが位置するというパターンでした(ちなみに日本公演も同じスタイルでした)。

さて、当日、シュターツオパーに入って舞台を見ると…結局、バーデン祝祭劇場と同じパターンでした。ただし、オーケストラピットが舞台と同じレベルまで、ジャッキアップされていました。そして、ソリストとオーケストラは、せり上がったピットを使っていました。合唱団は舞台の最前列を使用していました。なお、ご存じの方も多いと思いますが、コンサート形式の場合、出入りを少なくするため、合唱団とソリストには椅子が用意されます。
また、今回、オーケストラには女性団員が3名(バイオリン、チェロ、ファゴット)参加されていましたが、これも珍しいと思います。

さて、肝心のプルミエですが、バーデン祝祭劇場で鑑賞したときは、まるで別の演目のように感じました。失礼ですが「劇場の格」とオーケストラの違いもあったと思います。感激・感動の3時間でした。また、いらっしゃっている方も詳しい方が多いようで、「拍手のフライング」は皆無でした。これでなくっちゃ!

その後、ウィーン在住の親しい方から、現地の新聞評を教えて頂きました。
“マリア・カラスと比較することはできない、それぞれが自分の世界を歌っているから…”(これは納得)
“指揮者は80点、合唱団の指揮に少々難あり。アダルジーザのNadia Krastevaは健闘するも、ノルマのライバルとしてはおとなしすぎた。しかし、グルヴェローヴァ相手ではしかたなし。ポリオーネのSalvatore Licitraはワグナー向き。いま不調なのか、高音をいくつかサボった。Dan Paul Dumitrescuはエレガントな声で拍手も多かった」
といったところのようです。

ウィーンの皆さんは、グルヴェローヴァさんは大好きなようです。というのは、西側デビューを果たしたのが、シュターツオパー(「魔笛」の夜の女王でした)であったこと、これがきっかけになり「世界のディーヴァ」に羽ばたいていったことから、「ウィーンの観衆が育てた」という自負があるのかもしれません。
それと同時にグルヴェローヴァさんの人間性にも惹かれるものがあります。現地では、どんなに疲れていても、観客のサインに応じてくれます。2月5日は、プルミエのパーティーがシュターツオパー内であったため、劇場を後にしたのが12時を回っていました。
しかし、数名の熱心なファンが楽屋口で待っており、それを見つけると、“遅くまでありがとう”という雰囲気で、サインに気軽に応じてくれました。

ところで、なぜ、この時期に「ノルマ」がコンツェルタントで行われたでしょうか?
シュターツオパーの実力を持ってすれば、十分、本来のオペラが可能なはずです。
新聞評にはコンツェルタントにしたホーレンダ氏(総裁)は正しかった。舞台演出でブーングーが出ないから…」というものもあったようですが、私はホーレンダ氏の「したたかさ」を感じました(個人的な感想です)。
というのは、前々日(2月3日)は、あの有名な「シュターツオパー・バル」(歌劇場舞踏会)です。テレビ報道でご覧になった方も多いと思いますが、実は平土間の上をホールにしてしまう以外に、舞台側にもロージェ(個室)を仮設しています。そのため、設営には2日以上かかります。しかし、スケジュールを見ると、現状復帰の日程があまりにも少ないのです。翌日は休演ですが、午後から子供用のフェスティバルを実施しています。普通に考えると現状復帰にも1日以上かかるはずです(日本なら徹夜で現状復帰してしまうでしょうが、オーストリアでは考えられません)。しかも、この時期にわざわざ「ノルマ」のプルミエを行う理由も見当たりません。
そこで、ホーレンダ氏が考えたのが、今回の「秘策」ではないでしょうか。

1.コンツェルタントなら舞台側は閉めたままでOK(舞台側のロージェを完全撤収しなくても上演できる)

2.しかし、普通のコンツェルタントでは、お客様も集めにくいし、そもそも値段を下げなければ厳しい(こんかいはカテゴリーA、普通のオペラと同じお値段でした)

3.グルヴェローヴァさんを呼び、プルミエを行えば、コンツェルタントでも間違いなくお客様呼べる(これは事実)

上記のような視点から、あえてこの時に、「ノルマ」のプルミエをぶつけたのでは…
ちょっと考えすぎでしょうかね?
世界のディーヴァ、エディタ・グルヴェローヴァさんの「ノルマ」プルミエを鑑賞できて、幸せな一時を過ごすことができました(陰の声:ホーレンダ氏の術中にはまったよ)。

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