
今年は「メリーウィドウ100年」ということで、各地でオペレッタの傑作、メリーウィドウが上演されています。夏の風物詩、メルビッシュでも7月14日から8月28日までメリーウィドウが上演されています。8月10日、同公演を見る機会がありました。なお、当日はORFの録画チームが入っており、現地では20日にORF2で放送される予定です(日本では来年でしょう)。
フォルクスオパーでは新演出になり、さんざんでしたが、メルビッシュは如何に…
以下、簡単にご紹介しましょう。
今回、責任者であるセラフィンさんの口上が、今までになく気合いが入っていました。テレビ録画のためではないとは思いますが、セラフィンさんの本公演にかける意気込みが感じられます(セラフィンさんはゼータ男爵で登場していますが)。
第1幕 通常は「国王の誕生祝賀会」のシーンから始まりますが、メルビッシュらしく、導入が工夫されています。まず、場面はパリの大使館前。曲はメリーウィドウのメドレーで始まり、財政事情が悪化しているため、大使館の金品を売り払うという場面設定でした。その中でも「国王の肖像画」だけは、まずいと言うことで売却品から外されるような話になっていました。また、債権者が大使館に詰めかけ、警官に追い返されるという、物語の伏線になるような展開になっていました。このあたりは、なかなか気が利いています。
そして、暗転して大使館内の大広間となり、「国王の誕生祝賀会」のシーンです。これ以降は、基本的に旧フォルクスオパーの演出に近い展開でした。また、ダニロが酔っぱらってマキシムから帰ってくるシーンでは、ニグシュとの掛け合いも残っていました。
野外オペレッタなので、歌手の声量などはわかりませんが、演出としては安心して見ていられるものでした。なお、通常、第2幕で歌われる「間抜けな騎士」が、第1幕の途中、ハンナとダニロの掛け合い場面で歌われていました。
第2幕 フォルクスオパーの新演出では、全く魅力がなくなってしまった場面ですが、メルビッシュの面目躍如です。物量作戦で、バルカン風の踊りも、たっぷりと見せてくれます。また、お約束の「ヴァリアの歌」のアンコールもしっかりと行われた。元々舞台が広いため、四阿の設定もしっかりとしており、物語の展開もオリジナルに近いものでした。唯一、違っていたのは「女、女、女のマーチ」を男性陣に続いて、女性陣も歌うという演出でしょうか。そして、最後は男女混声で歌うという、なかなか楽しい演出でした。今回、メルビッシュとしては、電飾は控えめで、湖に上げる噴水を効果的に使っていました。
第3幕 マキシムがどうなっているか、注目される場面です。ここだけは電飾大会で、「グリゼッティンの歌」に乗せて、大量の踊り子が舞台に登場します。とにかく物量作戦にはかないません。ただし、カンカンの場面では、定番の「天国と地獄」は演奏されませんでした。ここはちょっと残念。しかし、それ以外は、カンカンのシーンは踊りも含めて長く、十分楽しめる内容でした。なお、カンカンのシーンでは「グリゼッティンの歌」と「女、女、女のマーチ」を中心に使っていました。舞台が広いため、客席からではカンカンの細かい演技まで確認するのは大変ですが、かなり楽しいカンカンになっていました。
ハッピーエンドのフィナーレに向かって、盛り上がっているメリーウィドウらしい上手な演出でした。
総じて、オーソドックスな演出で、安心して楽しめる内容でした。なお、2006年は「ルクセンブルク伯」が上演されることになっています。
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