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March 2006

March 27, 2006

「出待ち」あれこれ

SABBATINI

オーストリアでは、夏時間になりましたね。 さて、今日は、オペラファンのお話です。 劇場の楽屋口で、ごひいきの歌手や役者が、公演を終えて出てくるのを待つことを「出待ち」と言います。また、逆に、公出演するため、劇場に入るのを待つことを「入待ち」と言うそうです。日本の劇場や音楽ホールでも、熱心なファンは、昔から「出待ち」、「入待ち」をして、ごひいきの歌手や役者にプレゼントを渡したり、サインをもらったりしているようです。いわば、ファンとの数少ない「交流の場」というこになるでしょうか。

実は、ごく最近まで、私は、このような言葉すら知りませんでした。また、無縁の存在でした。それが、今では、ウィーンに行くたびに、国立歌劇場の楽屋口で、待つようになるとは… 人生はわからないものです(大げさですが)。

一般的には、「入待ち」は、公演を前にして、出演者は神経質になっていることが多いので、待っているファンも気を遣うようです。それに対して、「出待ち」の方は、良い公演ができた場合は、出演者も上機嫌で、ファンの要望に応えてくれるケースが多いものです。ただし、公演で特定の歌手にブーイングが出たような場合は、ファンと顔を合わせず、裏口から、さっさと帰ってしまう場合もあるようです(これは、来日公演でも、時々あります)。

この「出待ち」ですが、歌手の人柄をかいまることができ、おもしろいものです。このほか、「出待ち」をするファンの人数で、歌手の人気をうかがい知ることもできます。来日公演の場合、楽屋で関係者との挨拶などがあるため、実際に楽屋口から歌手が出てくるまでに、1時間以上かかるのが一般的です。しかし、ウィーンの場合、特別な公演(プルミエなど)を除き、カーテンコール終了後、20分ほどで出てきます。

「出待ち」ファンの多くは、ごひいきの歌手からサインをもらうこと、写真を撮ること、お話をすることなどを目的にしています。まず、サインですが、サイン帳(日本人のファンは色紙を用意している方もいらっしゃいます)にもらうのが一般的なようです。そのほか、サイン用に、当日の公演ポスター、プログラム、持参の写真などを持ってくるファンもいます。特に熱心なァンは、ごひいきの歌手と一緒に撮影した写真を持参し、その写真にサインをもらっています。また、歌手によっては「自分のポートレート」を準備しており、そこにサインを書いて、渡してくれる場合もあります(写真のサバッティーニさんから、いただいたポートレート)。日本でも「出待ち」はありますが、来日公演の場合、招聘元の社員が、かなり制限を加えているため、残念ながらウィーンのような「ファンとの交流」には至りません。

とくに「出待ち」で興味深いのは、「素顔の歌手」を間近で見ることができることでしょう。実際、舞台では存在感のある歌手が、間近で見ると、意外と小柄だった…ということもあります。このほか、おもしろいのはファッション(私服)です。必ずしも豪華なファッションに身を包んでいる訳ではなく、ダウンジャケットを羽織って、歩いて帰っていくという歌手もたくさん見かけます。

私がごひいきのグルヴェローバさんは、ファンを大切にする方なので、特別なケースを除いて「出待ち」のファンの要望に応えてくれます。「出待ち」ファンの数が多い場合、サインも立って行うのではなく、守衛所の窓口に座って対応しています(楽屋口のテーブルを使う場合もあります)。本来、公演直後で疲れていると思うのですが、大変丁寧に一人ひとりのファンに対応している姿を見ると、ますますファンになってしまう…という感じです。

ウィーンの場合、集まっているファンも、国際的です。しかし、皆、一様にうれしそうな表情をしているのが、印象的です。日本では、一列に並んで、順番にサインをもらうのですが、ウィーンでは、「並ぶ」という習慣ないのか、楽屋口はごった返しています。それでも、ぎすぎすした雰囲気になりにくいのは、すばらしい公演に満足し、心にゆとりがあるからなのかもしれません。

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March 25, 2006

かき入れ時?

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3月上旬にウィーンを訪れた際、リングに面したあるビルの入り口で、写真のようなポスターを見かけました。

これは、この季節恒例の煙突掃除屋さんからのお知らせです。ウィーンに住んでいる人にとっては、「季節の恒例行事」なのでしょうが、旅行者の私ははじめて見ました。

そういえば、私がウィーンで定宿にしているホテルの近くにも、「煙突掃除屋さん」のイラストをかたどった看板を掲げた事務所があります。きっと、「煙突掃除屋さん」の事務所なのでしょう。

この話題は、山城 薫さんの名エッセイ集「風の街のシンフォニー ウィーン便り」にも紹介されています。これによると、ウィーンでは、ガス、灯油、石炭、薪といった燃料を問わず、市の条例で、個別暖房の住宅の煙突はすべて、年一回の掃除点検が義務づけられているとのことです。また、区によって実施する時期が異なっているようです。

この「煙突掃除屋さん」、写真では見たことがあるのですが、実物は、まだ見たことがありません。砲丸投げのような鉄玉のついた鎖と、厚底の作業靴をはいているというマイスターの仕事ぶりを、見てみたいものです。
ところで、「ブタ君」、「四つ葉のクローバー」とともに、この「煙突掃除屋さん」は縁起物として扱われています。私の自宅にも、ごていねいに、この三つをあしらった飾りがあります。飾りでは「煙突掃除屋さん」は自転車に乗っているものが、多いようですね。

なぜ、「煙突掃除屋さん」が、縁起物なのでしょうか? ちょっと日本では思い浮かびません。
山城 薫さんのエッセイを読んだところ、「市民の安全を守る人だから」というところから、来ているようです(このほかにも、「繁栄」を意味するシンボルという解釈もあるそうです)。
きっと、これから4月上旬まで、ウィーンの「煙突掃除屋さん」は、大忙しなのでしょうね。

それにしても、この案内に描かれている「煙突掃除屋さんのイラスト」、なかなか味があるとは思いませんか?
組合で作っている統一仕様なのでしょうかね。

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March 23, 2006

今日は“ハルシュタット”の○○○で自動改札機を通過

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今日は、オーストリア関連の「日本の話題」です。

先日、ある私鉄の駅で、プリペイドカード(パスネットカードという名称ですが)を買おうと、自動券売機に向かいました。最近では、この手のカードを集めている人がいるため、購入できるカードの見本が掲出されているケースが増えています。

さて、どのカードを買おうかと、見本を見ていると、なにやら、見慣れた光景が…何と、ハルシュタットの風景が印刷されているカードが発売されているではありませんか。気づいたら、すでに購入ボタンを押していました。

ハルシュタットは、夏に何度か訪問したこともありますが、最近は日本人観光客も増えているようです(ツアーのコースにも入っていますね)。それにしても、ハルシュタットにお住まいのオーストリア人が、このカードを見たら、何とおっしゃるでしょうか…ちょっと興味があるところです。

それにしても、ハルシュタットが自分の財布の中に入っている…ちょっと不思議な気分です。さぁ、今日も元気にお仕事へ!

ところで、京成電鉄さん、ウォルフガングゼーや、モーツァルト・ブームのザルツブルクも出しませんか?

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March 20, 2006

ウィーンにあった登山鉄道“Zahnradbahn-Wien”

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明日、日本は「春分の日」で休日となります。昨日は、日曜日ですから、オーストリア流に言えば、今日は「窓の日」となります。そういえば、さっき、ニュースを見たら小泉首相が、今日、首相官邸に出勤しなかったとか。「窓の日」だったのでしょうかね。いゃー、さすがにオペレッタに造詣の深い総理大臣らしいですね。
さて、今日は、「窓の日」とは、全く関係のない、ちょっと本格的な「鉄道の話題」です。
以前、家族と一緒にヌスドルフからベートーベンガングに向かう途中、写真のような、おもしろい看板を見つけました。歯車式の鉄道を描いたもので、その名もずばり「歯車式鉄道・ウィーン」です。その時は、家族と一緒だったため、色々と調べることはできなかったのですが、今回ウィーンを訪問した際、時間がとれたので、一人で再訪しました。

この歯車式鉄道ですが、ヌスドルフとカーレンベルクを結んでいたもので、1874年から1922年まで運転されていたようです。従って、80年以上も前に廃止されていることになり、知っている人もごくわずかだと思われます(実物の記憶がある人は、当然、90歳以上でしょう)。

さて、市電D系統の終点は、表示では「ヌスドルフ」となっています。しかし、実際にはヌスドフルの次にある「ベートーベンガング」(Beeethobengang)が終点です。この停留所前に、看板があります。
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そして、停留所の向かいには、写真のような建物(現在はレストラン)がありますが、これ当時の駅舎だったもようです(このレストランのWebサイトでも、歯車式鉄道のことが紹介されています。このレストランを訪ねれば、もっと色々な情報が手に入ったと思うのですが、朝だったので、今回は断念しました)。

ベートーベンガングの停留所から、カーレンベルク方面を改めてみると、何と、ベートーベンガングと平行に、一直線に山へ向かう道があるのです。かつて、日本で鉄道関係の某出版社に勤務していた経験から、“これは線路跡に違いない”と、ピンと来ました。
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ベートーベンガングから、この道を見ると、「単なる道」ではなく、石積みの土台がはっきりと見えました。と言うことは、人工的な構造物ということになります。今度は、この道に向かうと、案の定、「ZahnradbahnStrasse」(歯車式鉄道通り)という名称がついているではありませんか。廃止から、80年以上たっているにもかかわらず、通りの名前に鉄道の名称が残っているところが、歴史を感じさせます。
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途中までは、ベートーベンガングと、ほぼ並行に「ZahnradbahnStrasse」が続いています。当然、歯車式鉄道の「線路跡」なので、かなりの急勾配です。せっかくなので、この通り沿いに進むことにしました。
すると、出てきたのが「鉄橋の跡」です。下の道路は、グリッツィングへ向かう道です。当たり前ですが、鉄橋そのものは、すでに撤去されています(当時は下を走る車両も小さかったでしょうから、この高さでも問題はなかったと思います。しかし、今は背の高い車も走りますから、正直、鉄橋はじゃまです)。しかし、鉄橋を支えた煉瓦造りの橋脚は、見事に、その姿をとどめています。手前は住民用の公園になっていました。
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このあたりから、「線路跡」は森の中に消えていき、歩くことはできませんでした。ここまでは、ベートーベンガングの停留所から、一直線に登っていたことが、よくわかりました。正確な地図を手に入れていないため、推測の域を出ないのですが、「線路跡」と思われる道路が、いくつか残っています。
私は、「ZahnradbahnStrasse」を登っていくことはできなかったので、カーレンベルクへの登山道を、のんびりと登っていきました。最初は、途中で引き返そうと思っていたのですが、お天気も回復してきて、ブドウ畑を吹き抜ける風が心地よかったので、ハイキングとしゃれ込みました。
時々、線路があったであろう方向を見て、“昔は、このあたりからカーレンベルクへ登る汽車が見えたのだろうなぁ”と思うと、感慨深いものがあります。土曜日だったこともあり、途中、ハイキングをしている人にも、ずいぶん出会いました。
1時間ほどで、カーレンベルクの丘に着きました。歩いた後は、ビアが一番。山頂のレストランに入って、一服です。イァー、歩いた後のビアは格別ですね。
昼食は、グリッツィングでとることにし、帰りは38Aのバスに乗ることにしました。レストランを出て、ふと、入り口の上を見ると、何と「汽車の看板」が掲げてあるでは、ありませんか。今まで、何回か行ったのですが、気づきませんでした。ふと、“「Zahnradbahn」に関する絵はがきを売店で売っているのではないか”というヒラメキがおこり、レストランに併設された売店に入ってみました。観光客受けしそうな、お土産が並ぶ中、ありました当時の鉄道ポスターの「絵はがき」。即、購入を決めて、売店のお兄さんに、その旨を伝えると、残念なことに“今は、売り切れだよ。他の絵はがきなら、表にあるよ”とのこと。このポスター絵はがき、実は時刻表などが入っており、非常に欲しかったのですが、これは次回のお楽しみです。
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ベートーベンガングで見つけた看板と、このレストランの看板、汽車のイラストは、ほぼ同じ形です。一般的に、この手のイラストは、デフォルメされており、資料性に乏しいのですが、共通するところを見ると、ほぼ当時に車両を再現していると思われます。
となると、現在、ウィーン近郊のシェーネベルクバーンや、ザルツカンマーグートのシャーフベルクバーンとは異なり、インスブルックに近いアッヘンゼンバーンの機関車に似ているようです。ただし、写真ではないので、断定はできませんが…

ところで、オーストリアには、「早すぎた廃止」を迎えた鉄道が結構あります。例えば、今、「Zahnradbahn-Wien」が走っていたら、どうでしょうか。確かに、道路網が発達しているので、日常的な交通機関としては、利用価値はないかもしれません。しかし、「観光の目玉」になった可能性はあるでしょう。

まだ、まだ謎の多い「Zahnradbahn-Wien」ですが、これからも機会があったら、調べてみたいと思っています。さぁ、また、ウィーンを訪れる楽しみが増えました(^_^)

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March 17, 2006

MAZDAのタクシー

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オーストリア里帰り中は、毎日更新を心がけていますが、「出稼ぎ中」は、お仕事優先で、更新を週1回にペースダウンしています(ネタ切れではありませんよ)。

しかし、はっぱさんから、リクエストを頂いたので、臨時更新をしましょう。

さて、先日、ウィーン市内でタクシーに乗ったら、偶然、日本のMAZDA車でした。オーストリアを訪問した方は、ご存じだと思いますが、現在は、オーストリアに量産自動車メーカーはありません。

そのため、自家用車を始め、タクシーなどの商業車はもちろん、パトロールカー等の公用車も含めて、すべて「外車」ということになります。日本国内では、最近は勢力が衰えてしまったMAZDAですが、実はヨーロッパでは、意外と普及しています。今では、TOYOTAやHONDAも増えていますが、MAZDAは一定の勢力を保っています。
タクシーはベンツが中心なのですが、日本車では、圧倒的にMAZDA車です(今回、TOYOTAのタクシーもウィーンで発見しました)。

タクシーに乗りながら、思い出したのが、その昔、インスブルックの駅から、空港まで有人と乗ったタクシーでの出来事です。
その時、実は、おもしろ半分でインスブルック空港からウィーン・シュヴェヒャート空港まで、チロリアン航空のDHC-8に搭乗することにしました(名前が何となく楽しそうだったので。実は、以前ご紹介したように、楽しいエアラインでした)。
しかし、駅から空港までのアクセスがよくわからず、タクシーを利用しました。その時、偶然にも初めて日本車、そうMAZDAのタクシーに乗ったのです。確か、日本名“カペラ”だったと思います(当時は写真を撮っていませんでした)。ただ、MAZDAは、BMWのようにシリーズを、愛称ではなく、ナンバーで表示する方式だったうようです。

乗ってしばらくすると、運転手のオッチャンが、「あんたたち、日本人か」というので、「そうだよ」と答えると、愛車の自慢話が始まりました。「これは日本のMAZDAの車だ。知っているか」(日本人なら、ロゴですぐわかるんですが)、「この車は、故障が少なく、性能もいいぞ。それから~」等々、空港に着くまで、延々と聴かされました。きっと、本当に「満足」していたのでしょう。私と友人はMAZDAの関係者ではありませんが、日本人として、ちょっと嬉しくなりました。

それから、四半世紀。ウィーンでまた、自慢話を聴かされるかなぁと、ちょっと不安な気持ちがあったのですが、結局、今回は、「自慢話」はなく、目的地のホテルまで届けてくれました。

ところで、今回、初めてオーストリアで、タクシー以外で「日本車」に乗りました。さすがにレンタカーではありません。現地にお住まいの方の愛車です。乗った感じは、やはり「日本車」でした(これは、色々な意味で)。ただ、持ち主の方に伺ったお話では、修理費用が意外と高いそうです。というのは、部品代が高いとか。そうか、確かに部品に寄っては、日本から輸入する訳ですからねぇ。

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March 14, 2006

色々あった“清教徒”

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国立歌劇場の2005/2006シーズン公演では、久しぶりにエディタ・グルヴェローバさんがエルビィーラ(Elvira)を演じるオペラ“清教徒”が、この3月に上演されます。
本公演を目当てに、ウィーンにいらっしゃったファン(日本人も含めて)が大勢いらっしゃるようです。ところが、3月8日がスタートだったのですが、直前になって「グルヴェローバさん、休演」というショッキングなニュースが飛び込んできました。

私もグルヴェローバさんの“清教徒”鑑賞をひとつの目的に、ウィーンに戻ってきました。すでに現地に到着してから、このニュースを聞いたので、さすがにショックでした。というのは、以前、このブログにも紹介しましたが、2004年2月、同じ、国立歌劇場で上演された“清教徒”(ベリーニ)で、やはり休演騒ぎがあったからです。

このときは、、1月のバイエルンシュターツオパー出演で体調を崩し、結局、体調が回復せず、全公演代役となりました。女性の歳をご紹介するのは失礼ですが、還暦を迎えても、現役のオペラ歌手としてご活躍のグルヴェローバさんは、人一倍極めて体調管理にはシビアな方です。それだけに、病気による休演は、正直、ショックでした(実は、このときも私はウィーンに来ていました)。

ふと、そのときに記憶がよみがえり、「グルヴェローバさん出演の“清教徒”は、ウィーンではご縁がないのかな」と考えたものです。2回目の公演は、3月12日。4日間にオペラを歌えるまでに回復するかが、気になるところですが、自分ではどうしようもありません。ひたすらネットで情報を確認する日々が続きました(大げさですね)。
前日の3月11日の段階で、グルヴェローバさんが予定通り出演することが、ほぼ確定しました(「ほぼ」というのは、相手は人間ですから、当日まで何があるかわかりません)。ところがネットを見たところ、今度はテノール(エルビィーラの相手役であるアルトゥーロ)のJoseph Callejaに代役が立つことがわかりました。新しくアルトゥーロ役を演じるのは、国立歌劇場初登場のShalvaMukeriaです。グルヴェローバさんのお相手だけに、ShalvaMukeriaも大変です。

アルトゥーロ役のShalvaMukeriaは、なかなかの熱演で、観客から盛んに拍手を受けていました。さて、お目当てのグルヴェローバさんですが、第一幕第三場が、“清教徒”最大の見せ場となる「狂乱の場面」では、「迫真の演技」でした。この場面では、拍手のフライングはゼロ。オーケストラの伴奏が終わった瞬間から、ブラヴァの嵐です。当然、「床を踏みならす」恒例の行事も行われました。
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お開きになってからの、カーテンコールも久々に盛り上がりました。最初にグルヴェローバさんが登場した時は、最近では珍しく花束が多数投げ込まれました。これは、8日のキャンセルで、心配したファンの心理かもしれません。
その後も、「怒濤の拍手」で、都合5回はカーテンコールが行われ、最後は、恒例の手拍子で、引っ張り出した感じになりました。

楽屋口の方も、多くのファンが集まり、夜遅くまでにぎわっていました。グルヴェローバさんは、疲れているにもかかわらず、嫌な顔をせず、守衛口でひとり一人のファンにサインをしていました。ファンを大切にする姿勢に頭が下がります。

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March 12, 2006

オペレッタにはまっている男、Brotwayに立つ

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以前ご紹介したBrotwayに行ってきました。ブロードウェイではありません、ブロート・ウェイです。ブログの記事に、はっぱさんからコメントをいただき、BrotwayがDerMannの工場見学施設であることがわかりました(名前の付け方にセンスを感じますね)。

さて、BrotwayのあるDerMannの工場はウィーンの郊外にあります。最寄り駅は地下鉄U6のPERFEKTASTRASSEです(終点のSIEBENHIRTENのひとつ手前)。ここから、U6の進行方向に向かって右側に工場があります。駅周辺は、工業団地といった趣で、商店はまったくありません。案内では64Aのバスで2停留所なのですが、日本の産業道路のような広い道路を歩いても、10分ほどで到着します。

工場の正面玄関にはカフェ(いわゆるイートイン)とショップが併設されており、出来たてのブロートを販売しています。目指すBrotwayにはショップを通って入るようになっています。Brotwayの入り口には自動改札機があるので、ショップのフロイラインに話をすると、カード上の入場券をくれました。

これを使って入場する仕組みになっています(実は、入場時にはカードが必要なく、退場時にカードが必要になる仕組みでした)。
入り口から工場見学の通路までには、DerMannの歴史を示したパネルなどが掲げられています。Brotwayは工場二階の回廊で、ここからブロートを製造する工程をつぶさに見学することができるようになっています。材料の仕込みから、出荷までの工程を見ることができるように工夫されています。また、単に製造工程を見るだけではなく、途中にタッチパネルを備えたインフォメーション装置があり、工程や材料の説明などをヘッドホンで聴くことができるようになっています。

どうしても工場の二階から見るため、細かい工程はわかりにくいので、インフォメーション装置では、各工程のクローズアップ映像も表示されるようになっていました。このインフォメーション装置の付近にはソファが置いてあり、ゆっくりと説明を聴くことができます。

また、Brotwayには、かつてブロートの製造に使った器具なども展示されています。基本的にはブロートの製造工程を見学するようになっているのですが、隣接するベッカライや調理パンの製造工程も一部のぞけるようになっています。
私は11時前後に訪問したため、ブロートの生産ラインは止まっており、ラインが稼働している姿を見ることができませんでした。やはり稼働中の方が、面白そうです。

印象的だったのは、「見せる工場」というコンセプトで設計されているようで、工場内が非常にきれいであるだけでなく、照明にも工夫がこらされています(プロジェクタを使った表示もありました)。また、団体の場合、係員が引率して、説明をしてくれるようです。

入場時に手渡されたカードは出場時に自動改札機に入れると、回収される仕組みになっています。製造工場ということで、写真撮影は禁止されているようですが、見るだけでも十分楽しめる内容です。日常何気なく食べているブロートの製造工程を、のぞいてもるのも、ひと味違ったウィーン滞在の思い出になるでしょう。

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March 11, 2006

車内のお食事はご遠慮ください

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最近、日本でも電車やバスといった公共交通機関でのマナーが、問題になっていますが、ウィーンで乗ったバスで、写真のような表示を見かけました。

まぁ、禁煙はわかります。それと並んで、「アイスクリーム禁止」があります。これは、夏場、大人も子供もアイスクリームを食べながら、歩いている人が多いため、車内での事故防止のために禁止にしているのだと思います。日本のように包装されたアイスクリームではなく、イラストのように、コーンの上にアイスをいくつか乗せたスタイルなので、確かにリスクはあります。

そして、もう一つ、なにやらお皿にのったお料理にもバツマークが…さて、これはポンフリットでしょうか? アイスクリームのように特定の商品がダメなのではなく、「車内でのお食事もご遠慮ください」という意味でしょう。確かに、ウィーンでは路面電車の停留所近くにピザスタンドがあり、ピザを食べながら電車に乗っている人を時々見かけます。きっとバスの車内で何か問題があったのでしょう。

しかし、私も今まで色々な標識・表示を見ましたが、「お食事禁止」(日本流だと、「バス車内でのお食事はご遠慮ください」となりそうです)は、初めてです。さて、日本で導入したら、どうなるでしょうね。

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March 10, 2006

謎のポールCallingMozart

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2006年は「モーツァルト・イヤー2006」ということで、様々な行事が行われています(小澤征爾さんが、病気で“イドメネオ”の指揮ができなくなったのは残念ですが)。

当然、ウィーンの街でも、フィガロ・ハウス改めモーツァルト・ハウスのオープンなど、モーツァルト関連の施設も増えているようです。

さて、ウィーンの街を歩いていたら、写真のようなポールを街角で見かけました。「CallingMozart」と書かれており、大きく電話番号が記入されています。説明を見ると、どうもポールの立っている場所に関連したモーツァルト情報が、携帯電話と専用情報端末(オーディオガイド)で聴くことができるサービスを提供しているようです。電話番号の前半はすべて同一番号ですが、最後の二桁がポール番号となっており、これで場所を指定する仕組みになっています(市内に50箇所あるようです)。解説は3分程度のようで、このポールを順番に回るツァーという訳です。

携帯電話を「情報端末」に利用しようというアイデアには、頭が下がります。ただし、気になるのは通話料金です。例えば、日本でレンタルした携帯電話は、ほとんど外国籍(イギリスやシンガポールなど)で、これをローミングサービスで、滞在国内で使用できるようにしています。そのため、通話料金もいいお値段なので、もし、このポールの箇所、すべてで情報サービスを聴いたら、後でとんでもない請求が来ること、間違いありません。

詳しい案内は国立歌劇場前の「モーツァルト・イヤー・インフォメーションセンター」で行われています。

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March 09, 2006

その後の“メリーウィドウ”は…

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2005年6月のリニューアルで、大幅に改悪されてしまったフォルクスオパーの“メリーウィドウ”ですが、3月8日、久しぶりに鑑賞する機会を得ました。
当たり前ですが、基本的な演出(構成)は、プルミエ当時のままですが、出演者や演出に手を加えて、再起を図ろうという姿勢が伝わってきます。その内容をご紹介しましょう。なお、開演前に、舞台上からハンナ役のUrikeSteinskyの説明がありました。内容は、ステージオーケストラと、舞台装置の改良にシュターツオパー・メンバーの協力があることのようでした。

○出演者の変更
昨年のプルミエでは、歌手の入れ替えが行われましたが、さすがに問題が多かったのか、今回見た公演では、プルミエの時に比べると、ダニロ役のモーテン・フランク・ラールセン(Morten Frank Larsen)は、そのままでしたが、ゼータ男爵はヘラルド・セラフィン(Harald Serafin)、ハンナはUrike Steinsky、ベラシェンヌはRenate Pitscheiderといった歌手に交代していました。
昨年は、「歌はうまいが、お芝居は下手」と酷評されたモーテン・フランク・ラールセンですが、この1年間、精進したのか、だいぶお芝居も上達してきました。ただ、以前にもご紹介したように、ダニロに必要な「退廃的な雰囲気」を醸し出すには至っていません。ただ、これは演出で、全体の時間を縮めていることも関係しているのかもしれません(演技を凝るには時間的余裕が少ないように感じています)。

○演出の見直し第二幕の「ヴァリアの歌」が、プルミエ時は半透明のスクリーン越しに歌われましたが、今回は、スクリーンを完全に明けた状態で行われました。また、プルミエ時には空中ブランコに乗ったまま歌っていたのですが、今回は、最初はブランコに乗っていたものの(高さもプルミエの半分くらい)、その後は降りて、舞台上で歌うように改められていました。さらに、「ヴァリアの歌」のアンコールも、ちゃんと行われるように「改め」られました。ただし、基本構成は変えていないので、動物の「着ぐるみ」を着た人が出てくる点、「森の妖精」が歌の最中バレエを繰り広げる(男女のペア)といったところは、変わっていません。まぁ、以前、指摘したように観客が歌に集中できるように、動きはだいぶ少なくなっている点は評価できるでしょう。

さらに、「女、女、女のマーチ」についても、基本構成は一緒ながら、最初から女性が登場しなくなり、かなり以前の雰囲気に戻っていました。ここは、本来アンコールで盛り上がるシーンですが、リニューアル前と同じく、二回歌うようになりました。それでも、お芝居が中途半端なので、盛り上がりは今ひとつでしたが…

このほか、プルミエでは舞台を降りて歌う場面が二箇所ありましたが、これは廃止されています。

第三幕のカンカンについては、ベラシェンヌが歌う「グリゼッティンの歌」に合わせて、ダンサーによるカンカンが始まるという形態は変わりません。ただし、全体のつながりが良くなり、プルミエ時よりも多少は改善されました。
また、プルミエでは最後の聴かせどころ、「唇は語らずとも」の時に、観客や踊り子など、周囲にたくさんの人がいたのですが、ここは今までのように「二人の世界」を再現するようになりました(周りの人はいったん引き上げます)。

○という訳で…
とにかく大御所セラフィンさんを引っ張り出してくる位なので、よほど危機感を持っているのだと思います。ただ、プルミエ時と同じく、お芝居を簡単にしすぎているため、オペレッタらしい、駆け引きが感じられない点が惜しまれます。私見ですが、オペレッタは「歌」「お芝居」「ダンス(バレエ)」が三位一体となり、初めて楽しい舞台を創り上げることができると思っています。時代を反映して、公演時間を短縮するという考えもわかりますが、時間を短くすることのみに意識が集中してしまうと、「お芝居」の部分を省略することになります。オペレッタの「お芝居」は、微妙なやりとりや、心理的な駆け引きが随所に見られ、これが魅力のひとつになっています(時にはアドリブもあるようですが)。

実際、オペラでは、ワーグナーの演目は5時間以上あるにもかかわらず、これを3時間に縮めようという人はいません(歌ばかりだからできませんが)。
今回、約1年ぶりに“メリーウィドウ”を見ましたが、「あのプルミエ」のまま、突っ走っていなかったことが、唯一の救いです。
ルドルフ・ベルガーさんが、フォルクスオパーから手を引いてしまうようですが、次の方には、再度、「オペレッタの原点」に立ち返って、復興を果たしてもらいたいものです。

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March 08, 2006

シュタインホーフ教会、修復完了のハズが…

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オットー・ワーグナーが設計したすばらしい建築物のひとつであるシュタインホーフ教会は、2003年11月から修復工事を行っていました。以前、訪問した際、2005年12月のクリスマスに合わせて完成させるという表示があったので、2006年3月、天気も良かったので訪問してみました。

シュタインホーフ教会は、ウィーン郊外の「とある病院」の敷地内にあります。教会は小高い丘の上に立っているため、病院の正門から入り、坂道を登っていきます。
そうすると独特のデザインが特徴的な、教会のドームが見えてきます。さて、教会に近づくにつれて、様子が変なことに気づきました。教会の周りに柵があり、工事用とおぼしき車両がたくさん止まっているのです。

教会の前まで来て、びっくり仰天。実は、まだ工事が完了していなかったのです。ただ、外側に関しては入り口付近を除き、修復工事は終わっており、足場も撤去されています。創建当時の写真が看板になっているのですが、これを見ると、見事な修復状況であることがわかります。お天気が良かったため、黄金の像が太陽にきらめき、それは美しいこと…
柵に掲出されている看板を見ると、完成予定は2006年6月30日となっています。つまり、半年ほど、工期が遅れているようです。さすがオーストリア。日本でしたら、納期までには、何が何でも完成(ただし、後で手を入れるという、姑息な手段を使う場合がありますが)させるでしょうが、この感覚がオーストリアらしいところです。

おそらく、内部の修復に手間取っているようで、外から見ても内部には、まだ足場が組んでありました。きっと内部もすばらしい状態に修復されることでしょう。
さすがに、これ以上、工事が遅れることはないと思います。今秋、ウィーンを訪問した際には、今度は完成したシュタインホーフ教会を見学したいと思っています。

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March 06, 2006

道路標識だらけの某所 これでもか!

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今日は、道路標識のお話です。オーストリアの道路標識も、基本的には日本と同じデザインなので、ドライブなどをしていても、迷うことはありません。また、幹線道路などでは、設置場所も考慮されており、非常に見やすい印象を持っています(これは、方面を示す標識についても言えるでしょう)。

ところで、日本では、後先を考えずに、その時の状況で、道路標識を付けるため、結果として意味をなさなくなっているケースを時々見かけます(例:よく見えない、瞬間的に判別できない)。比較的秩序だったウィーンでは、道路標識も整理されて設置されているようです。

ところが、ウィーン旧市街の某所では、写真のように、道路標識(駐車禁止標識)のオンパレードです。まさに、「これでもか!!」という感じて標識が取り付けられています。しかも、よく見ると「ここから」と「ここまで」が続けて掲出されています。何か特別な事情があって、取り付けられたものだとは思うのですが、「その実態」は不明です。しかし、こんなにたくさん付けてしまうと、逆に効果がないように思うのですが…

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March 01, 2006

ウィーン国立歌劇場再建50周年記念ガラ・コンサート放送決定

先日、DVDをご紹介したウィーン国立歌劇場再建50周年記念ガラ・コンサートですが、2006年 3月18日(土23:25 ~ 翌 03:25)にNHKのBSハイビジョンで放送されることになりました。

しかし、この手の「オイシイ番組」は、なぜか、視聴のハードルが高い、BSハイビジョン。

確かに、ハイビジョンの普及を図りたいのはわかりますが、ハイビジョン対応テレビを買えない人のことも考えてもらいたいものです。

なお、詳細はNHKのサイトをご覧ください。

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