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March 20, 2006

ウィーンにあった登山鉄道“Zahnradbahn-Wien”

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明日、日本は「春分の日」で休日となります。昨日は、日曜日ですから、オーストリア流に言えば、今日は「窓の日」となります。そういえば、さっき、ニュースを見たら小泉首相が、今日、首相官邸に出勤しなかったとか。「窓の日」だったのでしょうかね。いゃー、さすがにオペレッタに造詣の深い総理大臣らしいですね。
さて、今日は、「窓の日」とは、全く関係のない、ちょっと本格的な「鉄道の話題」です。
以前、家族と一緒にヌスドルフからベートーベンガングに向かう途中、写真のような、おもしろい看板を見つけました。歯車式の鉄道を描いたもので、その名もずばり「歯車式鉄道・ウィーン」です。その時は、家族と一緒だったため、色々と調べることはできなかったのですが、今回ウィーンを訪問した際、時間がとれたので、一人で再訪しました。

この歯車式鉄道ですが、ヌスドルフとカーレンベルクを結んでいたもので、1874年から1922年まで運転されていたようです。従って、80年以上も前に廃止されていることになり、知っている人もごくわずかだと思われます(実物の記憶がある人は、当然、90歳以上でしょう)。

さて、市電D系統の終点は、表示では「ヌスドルフ」となっています。しかし、実際にはヌスドフルの次にある「ベートーベンガング」(Beeethobengang)が終点です。この停留所前に、看板があります。
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そして、停留所の向かいには、写真のような建物(現在はレストラン)がありますが、これ当時の駅舎だったもようです(このレストランのWebサイトでも、歯車式鉄道のことが紹介されています。このレストランを訪ねれば、もっと色々な情報が手に入ったと思うのですが、朝だったので、今回は断念しました)。

ベートーベンガングの停留所から、カーレンベルク方面を改めてみると、何と、ベートーベンガングと平行に、一直線に山へ向かう道があるのです。かつて、日本で鉄道関係の某出版社に勤務していた経験から、“これは線路跡に違いない”と、ピンと来ました。
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ベートーベンガングから、この道を見ると、「単なる道」ではなく、石積みの土台がはっきりと見えました。と言うことは、人工的な構造物ということになります。今度は、この道に向かうと、案の定、「ZahnradbahnStrasse」(歯車式鉄道通り)という名称がついているではありませんか。廃止から、80年以上たっているにもかかわらず、通りの名前に鉄道の名称が残っているところが、歴史を感じさせます。
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途中までは、ベートーベンガングと、ほぼ並行に「ZahnradbahnStrasse」が続いています。当然、歯車式鉄道の「線路跡」なので、かなりの急勾配です。せっかくなので、この通り沿いに進むことにしました。
すると、出てきたのが「鉄橋の跡」です。下の道路は、グリッツィングへ向かう道です。当たり前ですが、鉄橋そのものは、すでに撤去されています(当時は下を走る車両も小さかったでしょうから、この高さでも問題はなかったと思います。しかし、今は背の高い車も走りますから、正直、鉄橋はじゃまです)。しかし、鉄橋を支えた煉瓦造りの橋脚は、見事に、その姿をとどめています。手前は住民用の公園になっていました。
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このあたりから、「線路跡」は森の中に消えていき、歩くことはできませんでした。ここまでは、ベートーベンガングの停留所から、一直線に登っていたことが、よくわかりました。正確な地図を手に入れていないため、推測の域を出ないのですが、「線路跡」と思われる道路が、いくつか残っています。
私は、「ZahnradbahnStrasse」を登っていくことはできなかったので、カーレンベルクへの登山道を、のんびりと登っていきました。最初は、途中で引き返そうと思っていたのですが、お天気も回復してきて、ブドウ畑を吹き抜ける風が心地よかったので、ハイキングとしゃれ込みました。
時々、線路があったであろう方向を見て、“昔は、このあたりからカーレンベルクへ登る汽車が見えたのだろうなぁ”と思うと、感慨深いものがあります。土曜日だったこともあり、途中、ハイキングをしている人にも、ずいぶん出会いました。
1時間ほどで、カーレンベルクの丘に着きました。歩いた後は、ビアが一番。山頂のレストランに入って、一服です。イァー、歩いた後のビアは格別ですね。
昼食は、グリッツィングでとることにし、帰りは38Aのバスに乗ることにしました。レストランを出て、ふと、入り口の上を見ると、何と「汽車の看板」が掲げてあるでは、ありませんか。今まで、何回か行ったのですが、気づきませんでした。ふと、“「Zahnradbahn」に関する絵はがきを売店で売っているのではないか”というヒラメキがおこり、レストランに併設された売店に入ってみました。観光客受けしそうな、お土産が並ぶ中、ありました当時の鉄道ポスターの「絵はがき」。即、購入を決めて、売店のお兄さんに、その旨を伝えると、残念なことに“今は、売り切れだよ。他の絵はがきなら、表にあるよ”とのこと。このポスター絵はがき、実は時刻表などが入っており、非常に欲しかったのですが、これは次回のお楽しみです。
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ベートーベンガングで見つけた看板と、このレストランの看板、汽車のイラストは、ほぼ同じ形です。一般的に、この手のイラストは、デフォルメされており、資料性に乏しいのですが、共通するところを見ると、ほぼ当時に車両を再現していると思われます。
となると、現在、ウィーン近郊のシェーネベルクバーンや、ザルツカンマーグートのシャーフベルクバーンとは異なり、インスブルックに近いアッヘンゼンバーンの機関車に似ているようです。ただし、写真ではないので、断定はできませんが…

ところで、オーストリアには、「早すぎた廃止」を迎えた鉄道が結構あります。例えば、今、「Zahnradbahn-Wien」が走っていたら、どうでしょうか。確かに、道路網が発達しているので、日常的な交通機関としては、利用価値はないかもしれません。しかし、「観光の目玉」になった可能性はあるでしょう。

まだ、まだ謎の多い「Zahnradbahn-Wien」ですが、これからも機会があったら、調べてみたいと思っています。さぁ、また、ウィーンを訪れる楽しみが増えました(^_^)

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