実は、アウトバーンは有料です
今日は、ドライブには欠かせないアウトバーンのお話です。オーストリアでは、アウトバーンの出入り口に、原則として料金所がないため、旅行者は、一部のトンネル以外、「無料」と思いがちですが、実は、「有料」です。
実は高速道路を走っている車を見ると、フロントグラスに、高速道路の絵と数字が印刷された、ステッカーが貼ってあります。
このステッカーが「高速道路通行証」なのです。正式には、ヴェニエット(Vignette)という名称で、1年有効のものが72.6ユーロ(1万円強)、2ヶ月有効が21.8ユーロ、10日有効が7.6ユーロとなっているそうです。この方式ですと、ステッカーさえ貼っておけば、料金所が不要ですから、日本のように料金所での渋滞はおこりません。それ以上に、運営コストを安く抑えることができるでしょう。また、たくさん高速道路を使う人は、「お得」ですね(日本だったら、○○円で乗り放題というキャッチフレーズがでそうです)。
実は、私が昨年の夏、ウィーン・シュヴェヒャート空港でレンタカーを借りた際、スタッフに、“ドイツ国籍の車で、ヴェニエットが付いていないから、自分で貼ってね”と言われて、ヴェニエットを、貸出書類とともに手渡されました。まさか、自分でやるとは思わなかったですね(サービス過剰な日本だったら、必ず、係員がやってくれます)。
写真の左側に見えるのが、ヴェニエットです。
このほか、最近では、大型トラックの通行料が増え、道路の傷みが激しくなったためか、大型トラックを対象とした「従量制の課金」が始まりました。こちらは、一律ではなく、日本と同じく、実際の走行距離等に応じて支払うものです。そのためのセンサーが、実は高速道路上に設置されています。
現在、ヨーロッパ、で高速道路が無料なのは、ドイツとアイルランドだけだそうです。多くの国はオーストリアと同じく、ヴィニィエット方式と、走行区間に応じて支払う方式の二つを導入しているようです。さて、ドイツですが2005年1月から、積載重量12トン以上の商用車を対象に、有料化が始まりました。なんでもGPSを活用した最新式のシステムらしいのですが、ドイツ人の悪い癖で、凝りすぎてしまい、うまく機能していないようです。
何事もほどほどがよろしいようで(ドイツのアウトバーン課金については、料金の徴収を行うToll-Collect社のWebサイトに紹介されています)。
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Comments
お久しぶりです。
Vignette ですが、導入はスムーズに行ったものの、数年前に突然、値段が倍になった時には、みんな、ブチブチ文句を言っていました。
さすがに、それから数年は変わっていません。
やれやれ。
ところで、12月か1月に年間の Vignette をタバコ屋さんで買うのですが、誰も、正しくフランス語(もともと Vignette はフランス語)でヴィネッテとは言いません。
通常、使われているのは Autobahn-Pickerl
「高速道路シール」(しかも、シールの部分の Pickerl は完全なるオーストリア訛り)
12月と1月(シールの切り替え時期)なら、「ピッケル」だけで通じます(笑)。
オーストリア道路公団 Asfinag がつけた、洒落た名前も、一般人にとっては意味ナシっていう事ですね。
Posted by: はっぱ | April 17, 2006 23:01
はっぱさん、ありがとうございます。
やっぱり、独自の「言葉」があるんですねぇ。
ピッケルですか…
まぁ、さすがに自分で買うことはないと思いますけれども…
ところで、先日、日本国内の地方で、40分ほど高速道路を利用したところ、二つの事業体にまたがっていたため、1600円という料金を徴収されました。
これを考えると、オーストリアのシステムは「お得」な気がしますね。
Posted by: オペレッタにはまっている男 | April 18, 2006 00:34
ところが、スロヴァキア・チェコに隣接するオーストリアとしては、近くのスロヴァキアとチェコの高速道路を走るのに、わざわざ2カ国の「ピッケル」を買わねばならないのです(涙)。
確か、本当はオーストリア国境からブラティスラヴァのほんの数キロも「高速道路」なんですよね~。(ほとんどのオーストリア人は買わずに通っていると思います。)
これからチェコやスロヴァキアに遊びに行ける季節ですが、高速道路のシールは面倒です。ついでですが、シールはなかなか剥がれません!!!(笑)
Posted by: はっぱ | April 18, 2006 10:21
もし、ドイツで一般車まで通行料金が必要になったら、ザルツブルク-インスブルック間をドイツ経由でショートカットする人が減りそうですね。
そういえば、その昔、国境があった頃、OBBでサルツブルク-クーフシュタイン間で、ドイツ国鉄を経由するコリドールツークがありましたね。コリドールツークはドイツ領を通過するものの、無停車が条件で、国内線扱いでしたね。
Posted by: オペレッタにはまっている男 | April 20, 2006 15:54
はじめまして。
ここ数年ミュンヘン空港で車を借りてシュラドミングに行っていますが、ハーツレンタカーの場合「ピッケルは自分で買ってね」と、言われます。
まぁ、言ってくれるだけいい方でして2006年に同じ経路を使った時は誰も教えてくれませんでした。3日間オーストリアのアウトバーンを料金未払いで走っていたことになったわけで、今思えば冷や汗ものです。
そういえば国境あたりのSAにはやたらにピッケルの看板が出ていますよね・・・あれに気がつかない方が悪いと言われたらそれまでなんですけどね(笑)
Posted by: ねこ | May 07, 2010 09:45
ねこさま、コメント、ありがとうございます。
一応、ドイツから見ればオーストリアは海外になりますから、ピッケルは自分で買うしかないでしょうね。
余談ですが、その昔、Feriもミュンヘンで車を借りてオーストリアを走り回っていたことがありますが、その際は、ピッケルの件は何も言われませんでした。当時はどうだったのでしょうね?
しかし、仮に見つかった場合、どれくらいの反則金を請求されるのでしょうか。ちょっと興味があります。
Posted by: Feri | May 07, 2010 13:44
Feriさま
こんにちは、レスありがとうございます。
ハーツでもらったプリントにはピッケル無しには400ユーロの罰金となっておりました。また、安全ベスト(反射材が縫いつけてあるもの)の不所持は40ユーロの罰金だそうですが、これはドイツだけなのかオーストリアも適用されるのかはわかりませんです。そういえばイタリアのアウトストラーダを走るなら日中でもヘッドライトを点灯しておけとも言われましたが、これに罰金が課せられるのか、またそれがいくらなのかは忘れちゃいました。
ドイツで買った反射ベストはワタクシの自家用車のトランクに収まっております。
Posted by: ねこ | May 07, 2010 15:18
ねこさま、さっそく反則金のご案内、ありがとうございます。
400ユーロですか。結構高いですね。そういえば、安全ベストはオーストリア国内で車を借りた際には、トランクに入っていたような気がします。
それから、オーストリアでも、ごく最近までヘッドライトの常時点灯が義務づけられていました(この話題は、当ブログでもご紹介しましたが)。
。
そのため、規制後に発売された新車は、エンジンをかけるとヘッドライトが自動点灯する仕組みになっているものもありました。が、その後、政権が変わったりしたことにより、規制の見直しが行われ、現在では義務化はされていません
Posted by: Feri | May 08, 2010 03:25
Feri さま、ご無沙汰しています。
お客さまのお支払いでチェコの「ピッケル」を買って
走り回っていますが
明日、ウィーン空港に早く到着するために
今度はスロヴァキアの国境で
スロヴァキアの「ピッケル」も買わねばなりません。
以前、スロヴァキアのシールを買わずに
友人が走ったところ
警察の検問につかまり
罰金200ユーロ、と言われたところを
泣きついて、50ユーロまで値切った事があります(笑)
Posted by: はっぱ | May 08, 2010 22:40
はっぱさん、隣国への遠征、お疲れ様です。
>泣きついて、50ユーロまで値切った事があります(笑)
日本では、絶対にあり得ない話ですね(現場では)。
でもおじさんが、泣きついてもダメだろうなぁ。
Posted by: Feri | May 09, 2010 00:57