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May 21, 2006

フォルクスオパーのミュージカル

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ご多分に漏れず、最近ではフォルクスオパーもミュージカル上演が増えてきました。オペレッタファンとしては、複雑な気持ちですが、フォルクスオパーのミュージカルにはヒットしている出し物もあります。
その一つが、現地でも評判になっているJERRY HERMAN作の“ラ・カージュ・オ・フォール(LA CAGE AUX FOLLES)”です。先日、この公演を見る機会がありました。

舞台は、地中海に面した南フランスの港町サントロペにあるゲイキャバレー「ラ・カージュ・オ・フォール」です。お話の中心は、ゲイの問題なのですが、コミカルで、しかもテンポが良く、おしゃれに仕上がっています。

とくに男性ダンサーが、女性に扮して踊るカンカンをはじめとするダンスが見事で、これだけでも一見の価値あります。また、私は十分理解できませんでしたが、下ネタや世相を反映したアドリブのギャグが続出しているようで、観客席が大いに沸いていました(最近では、珍しく皆さん良く笑っていました)。

さて、主役のAlbin(「ラ・カージュ・オ・フォール」のトップスターで、かつ経営者ジョルジュの妻)は、ウィーンっ子に大人気のヨーゼフシュ タット劇場の俳優ハックル(ガンで、一時、危なかったのを見事に克服しての舞台とのことです)さんでした。さすがに役者だけあって、コミカルな演技は、お客様から高い評価を受けていました(熱心なファンが多いようです)。ただし、歌手ではないので、歌に関しては、今ひとつなのですが感じですが、それを補って余りある演技です。

一方、「ラ・カージュ・オ・フォール」の経営者ジョルジュ(Georges)は、シュライプマイヤーでした。ご存じの方も多いと思いますが、シュライプマイヤーは、フォルクスオパーで“メリーウィドウ”のダニロなど、オペレッタにも多数出演している歌手で、非常に良い演技でした(今までとは違う味を出していた感じがしました)。このほかにもオペレッタで活躍している歌手の皆さんも登場していましたね。

さて、ストーリーですが、フランスのゲイキャバレーでの話です。前半は、キャバレーでのショーの場面が中心となっているため、とにかくきらびやか。最近、フォルクスオパーがよく使う回り舞台を上手に活用した演出ですが、ミュージカルにはぴったりだと感じました。

後半は、ジョルジュの息子ジャン・ミッシェルの結婚話に関するエピソードです。花嫁アンヌの父親ダンドンは、ゲイキャバレーを根こそぎつぶすということを公約にしている地元議員という設定です。つまり、花嫁の父親にミッシェルの両親がゲイだとわかるのと、結婚できないので、何とかして欲しいと、ジョルジュに頼み、主人公ザザを中心に一騒動(叔父さんに化けて登場する企てや、実の母親に化けてダンドンと会うことになるなど)があるというお話です。

結局、途中で、ザザとジョルジュがゲイであることが、花嫁の父親ダンドンにばれてしまい、逆鱗に触れるのですが、最後は、ウィーンの恋物語らしく、ハッピーエンドとなるという、楽しいストーリーです。
ゲイという、ともするとメッセージ性の強いテーマですが、ウィーン風に料理しているため、楽しい、コミカルなミュージカルに仕上がっていました。やはり、アドリブを含めた役者の演技力が舞台を支えているようです。また、耳に残るテンポの良いメロディーが続くため、終わってもリズムが心に残ります(これは、はまるパターンです)。

しかし、フォルクスオパーのオーケストラは器用で、オペラ、オペレッタ、ミュージカルを、それぞれの雰囲気に合わせて演奏しています。もちろん、パートによっては、「臨時」に招集されるメンバーもいるようですが、バイオリンなど、中心となるメンバーは、いつもの「おなじみさん」です。

私は、ミュージカルには詳しくありませんが、フォルスクオパーが取り上げるものは、どちらかというとヨーロッパテイストのミュージカルが多いようです。そのため、オペレッタとミュージカルの中間のような雰囲気に仕上がっているように感じます。今回の“ラ・カージュ・オ・フォール”も、フランスが舞台ですし、キャバレーの踊りなどは、まさにヨーロピアンテイストです。改めてフォルスクオパーの実力を再発見したミュージカルでした。
ある意味、演目の選び方が上手なのかもしれません(フォルクスオパーで“ライオンキング”は、さすがにないでしょう。そもそも、ライセンスが下りないかな?)。

ところで、ミュージカルの場合、最初から思い切った演出ができるのがメリットかもしれません。反面、定番オペレッタの場合、今まで、完成度の高い演出をしていると、それを変えれば、必ずブーイングの嵐…難しいものです。では、ミュージカルで、演出を変えるとどうなるのでしょうか? これもまた、興味があります。

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