« フォルクスオパー“ジプシー男爵”さて、あなたはお気に召しますか? | Main | 話題の二人 »

May 30, 2006

千秋楽を迎えたフォルクスオパーの“マルタ”

Img_2323
フォルクスオパーで上演されていたフロートのオペラ“マルタ”が5月29日に「千秋楽」を迎えました。2006/2007シーズンには、演目として入っておらず、しばらくはお休みのようです。

実は、前から一度観たいと思っていたのですが、スケジュールが合わず、最初に観るのが「千秋楽の公演」となってしまいました。
ご存じの方も多いと思いますが、“マルタ”は、同じくフォルクスオパーで上演されていたスメタナの“売られた花嫁”などと同じく、コミック・オペラと名付けられています。ただし、ドイツのコミック・オペラは、会話の部分がレチタティーヴォで歌い語りされる点が特徴です。この“マルタ”も、その様式です。
(続きは下をクリックしてください)

実は、フォルクスオパーのオペラは、最近、「外れ」が多く、正直、どんなものかという不安がありました。しかし、不安は杞憂に終わりました。というのは、時代設定も含めて、極めてオーソドックスな演出だったからです。
第1幕第.1場では、「アン女王の女官ハリエットの居間」が再現されていました。ハリエットを始め、出演者一同、1700年代風の衣装を身にまとっていました。また、トリスタン卿の衣装も当時の雰囲気をよく出していました。
第2場は、暗転で「リッチモンド、女中市の開かれる広場」に切り替わります。居室中央の窓を引き上げて、左右の壁をたたむと、広場になるという仕組みです。バックは美しい青空で、中央には木が植えられています。市場には田舎から職探しに来た娘達や、女中を捜している人たちでにぎわうのですが、合唱団総出で、迫力のある合唱を披露してくれました。服装も、農民風です。ここで、農民の服を着たハリエット(偽名がマルタ)とナンシー(ハリエットの侍女)が、農家の主人プランケットとライオネルに女中として、採用されてしまうというお話です。
Img_2311
第2幕は「プランケットの家」ですが、上下からユニットが下りてきて、農家の一部屋の雰囲気をよく出していました。なお、ここで、ハリエットが歌うアイルランド民謡「夏の名残りのバラ」は、日本では、「庭の千草」という別名で知られていますね。

第3幕は「森の中の居酒屋と狩り場」です。最初は居酒屋で、農民達がビアを飲んでいるところに、女王の狩りの一行がやってきます。狩りの一行は赤と白の狩猟服(全員女性)で、バックは秋の雰囲気です。狩猟犬も登場しますが、もちろん着ぐるみです。赤と白の狩猟服が華やかで、雰囲気を盛り上げていました。ここでも合唱団が大活躍です。

第4幕は、再び「プランケットの家」になりますが、ハリエットが、ライオネルの気持ちをつかむため、最後に女中市を再現し、農民の姿に戻ったハリエットが登場します。この場面は、実は、冬の夜(なぜか中央に満月が)という想定になっていました。しかし、再び農民や職探しの娘に扮した合唱団が登場し、華やかな幕切れとなります。

千秋楽の指揮者は、女性のElisabeth Attlでした(以前、オペレッタを振っていたこともあります)。オペレッタでは、妙な演出をすることが多いフォルクスオパーですが、なぜか“マルタ”は正攻法の演出で、期待以上の出来でした。なお、来年のフォルクスオパー日本公演では、この“マルタ”上演がリリースされています。

|

« フォルクスオパー“ジプシー男爵”さて、あなたはお気に召しますか? | Main | 話題の二人 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 千秋楽を迎えたフォルクスオパーの“マルタ”:

« フォルクスオパー“ジプシー男爵”さて、あなたはお気に召しますか? | Main | 話題の二人 »