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September 16, 2006

“RobertoDevereux”のグルベローヴァさん

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エディタ・グルベローヴァさんが、エリザベッタに扮する“ロベルト・デビュリー”が9月16日から、国立歌劇場で上演されています。実は、私が、ウィーン国立歌劇場で、グルベローヴァさんの公演を見たのは、“ロベルト・デビュリー”が最初だったので、個人的に思い出のある公演です。

グルベローヴァさんが出演する同公演は、2001/2002シーズン以来なので、5年ぶりの復活公演ということになります。そのため、地元の評論家など、音楽関係者の姿も多数見られました。
指揮は、ご主人のハイダーさんの指揮です(指揮ぶりには、色々なご意見があるようです)。演出は5年前と同じようです。抽象的な舞台装置を使う、最近流行の演出なので、好みが分かれる処でしょう。

また、5年ぶりなので競演者も、変わっています。ノッティンガム侯はRobertoFrontali、サラはSoniaGanassi、ロベルトはJosephCallejaでしたが、いずれも国立歌劇場初登場の歌手でした。しかし、さすがにグルベローヴァさんと共演するだけあって、見事な歌いっぷりです。この演目は、エリザベッタとサラ、ロベルトが掛け合いで歌う場面が多いだけに、共演者も大変です。

さて、第1幕、エリザベッタのアリアで、さっそくブラヴァの嵐となりました。本当に60歳を過ぎた今日でも、声量、声の質、音域、いずれも、若手男性歌手と対等、いや以上に渡り合っています。本当に見事の一言に尽きます。ただ、これだけの歌声を維持するために、常人では考えられないくらい摂生をしているというのは、有名な話です(実際、出待ちで、ファンと話をする時も、本当に小さな声です)。
また、グルベローヴァさんは、歌だけではなく、細かい演技にも光るものがあります。お歳を増して、良い意味で貫禄が付いた今こそ、エリザベッタという役が、まさに「はまり役」と言えるでしょう。本当に女王の風格を漂わせていました(舞台上では、近寄りがたい女王の雰囲気を見事に創っていました)。

第2幕、エリザベッタが、誤解からロベルトの処刑命令書にサインするところで、休憩となります。幕間のカーテンコールでも、すさまじい拍手が印象的でした。ところで、“ロベルト・デビュリー”は、上演される機会の少ない演目であることに加えて、拍手をしたくなるアリアの後に、すぐ次が始まるという構成になっている箇所があります。そのため、「拍手のフライング」が起きやすいのですが、今日は、「拍手のフライング」はほとんどありませんでした。
なお、今日は、会場に入ることができないファンのために、カラヤン広場で生中継が計画されていたようです。
第3幕、エンディングで、ロベルトの亡霊の前(これが巨大。実際に見たいと以外、ピンと来ないのですが)で、エリザベッタが自分の気持ちを歌う場面は、見事な感情移入でした。久しぶりの「ロベルト・デビュリー」なので、花束も数多く投げ込まれていました。

その後、楽屋出口へと向かいましたが、今回、グルヴェローバさんは、後の予定があるようで、守衛所で座ってのサイン会にはなりませんでした。移動しながらのサイン会でしたが、ひとり一人の要望に丁寧に応じています。舞台上の近寄りがたい雰囲気から、一変して優しい表情が印象的です。舞台では大きく見えるグルヴェローバさんですが、近くで見ると意外と背が低いので、びっくりしてしまいます。逆に言うと、それだけ舞台上の役作りが見事なのでしょう。サインの後、ファンの拍手に応えながら、関係者を引き連れて近くのホテルへ入っていきました。

普通、歌劇場ではシーズン最初の9月には、有名歌手を登用しないのが一般的です。しかし、この時期にグルヴェローバさんを引っ張って来て、初っぱなに注目の公演を打ちシーズンの話題作りをするあたり、ホーレンダー氏の商売上手がよくわかります。今シーズン、9月2日には、無料で歌劇場内部を一般公開する催しが行われました。地元の方お話によると、2000名以上の市民が集まり、大盛況だったそうです。こういった企画を考えるホーレンダー氏は、やはりただ者ではありません。

その後、現地の新聞に当日の評が出ていたようですが、お褒めの言葉は少なかったとか…
ただ、これは歌手ご本人というよりは、演目に関するご意見も含まれているようです。

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