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November 08, 2006

ウィーンがモスクワに変身?

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今日は、臨時の更新です。
クリント・イーストウッドが出演したアクション映画に「ファイアーフォックス」(1982年、制作・監督もクリント・イーストウッド)という作品があります。先日、NHK BS2「衛星映画劇場」で放送されたので、久しぶりに見ましたが、笑える場面が沢山ありました。コメディーやパロディ映画ではないのですが、その理由は、荒唐無稽な内容もさることながら、ロケ地にあります。

まず、お話ですが、ソビエト空軍が極秘に開発したステルス戦闘機Mig31(コードネームがファイアーフォックス。しかも、パイロットが頭脳で考えただけで武器の操作ができるという新システムが装備されているという想定です)を、ソビエトの反体制主義者と協力して、アメリカ政府が盗み出そうというものです。

そのファイアーフォックス強奪に抜擢されたのが、クリント・イーストウッド扮する敏腕戦闘機パイロットのガントというわけです。ガントは、ベトナム戦争中、搭乗していた戦闘機が撃墜され、捕虜になった後遺症(PTSDという今風の字幕がついていました)で、軍を退役していたものを、今回の秘密任務のため、再招集したという想定です。
物語の前半はガントが、ファイアーフォックスを盗むという密命をおびて、モスクワへ入り、手引きをする反体制派の市民と合流します。

この映画のモスクワ市内、どこかで見た景色が続きます。何と、ウィーンで「モスクワロケ」を行っていたのです。

もちろん、モスクワの雰囲気を出すために、旧ソ連の旗やロシア語の表示、レーニンのイラストなどが、「共産主義化のソ連」らしいアイテムがふんだんに飾られています。

映画では、シュヴェヒャート空港が、モスクワ・シェレメチボ空港になっていました(実際にシュヴェヒャート空港のターミナルが出てきますが、モスクワの看板が掛かっています)。その後、市内でソ連の反体制主義者と会う場面は、ウィーン旧市街です。実際、市内に移動中、ロシア正教会の建物(ウィーン市内にある本物)がちらっと写ります。また、旧市内の建物(夜であることと、うまく偽装しているので、特定は難しいのですが、自然史博物館あたりの建物が使われているようです)。

さらに、移動に地下鉄を使うのですが、ウィーン地下鉄が、そのまま登場します(駅や車内のロケもしっかり行われています)。しかし、芸が細かく、よく見ると、本の一瞬ですが、車体外部のウィーン市交通局の紋章が、しっかりモスクワっぽくなっているのがわかります。

また、ロケは地下鉄U4系統が見えるドナウ運河沿いの遊歩道で、夜行われたようです。さらに、シュタットパークの駅も、モスクワの某地下鉄駅に変身して登場します。そして、ガント一行がKGBや警察に追われて、地下鉄の駅構内に閉じこめられるのですが、この駅はカールスプラッツのようでした。地下鉄の駅に張ってある路線図は、ウィーンのものではなく、モスクワ風のものに取り替えられています(モスクワに行ったことがないので、本物かどうかは不明)。

その後、ガント一行は、ファイアーフォックスがテスト飛行をしている郊外の秘密空軍基地へ向け移動するのですが、その際、OBBの近郊型電車がちょっと映ります。ここは昼間のシーンなのですが、雰囲気からブレンゲンラントあたりでしょう。ちょっと湖が映るシーンもあるので、ノイジードラーゼーあたりかもしれません。

今でしたら、本物のモスクワでロケを行うことも、不可能ではありませんが、当時は、冷戦の最中なので、モスクワやソ連でのロケなどできるわけがありません(内容が、内容ですからね)。

そんな中で、街の雰囲気が東欧風のウィーンがロケ地に選ばれたのでしょう(ずいぶん強引な感じはしましたが)。結構、検問のシーンなどでは、兵士や市民のエキストラもたくさん登場していましたから、ウィーン市がロケに全面協力していたのだと思います。

昔も、この映画を見た記憶があるのですが、当時は、今のようにウィーンに詳しくなかったので、「ウィーンの地下鉄が出ているなぁ」といった程度でしたが、今見ると、ロケ現場の予想がつくようになり、違った意味での面白さがありました。

さて、余談ですが、この映画、クリント・イーストウッドが、1976年9月にソビエト空軍のベレンコ中尉がMig25に搭乗し、日本の函館空港に強行着陸した「ベレンコ中尉亡命事件」にヒントを得て、映画化を考えたという話もあります。

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