« オーストリア&オーストリー狂想曲 | Main | 郷土料理シリーズ「チローラー・グレステル」 »

December 04, 2006

冬のシュヴェヒャート空港では“象さん”が大活躍

3474782_img
12月に入って、ウィーンもそろそろ本格的な冬でしょうか。

さて、比較的、降雪量の少ないウィーンですが、それでもどきどき大雪に見舞われます。市内の交通も困りますが、シュヴェヒャート空港も大変です。

オーストリアに限ったことではありませんが、降雪時の空港は大変です。まず、滑走路の除雪が必要になります。当然、雪が積もっていると着陸する航空機がオーバーランする可能性があるためです。また、滑走路と駐機場を結ぶ誘導路にも雪が積もっていると、地上走行中に誘導路を逸脱するという事故も予想されます。従って、まずは除雪車が大活躍することになります。

実際、私も冬にウィーンを訪れた際、“滑走路の除雪作業中のため、出発が30分遅れます”といった自体に遭遇したこともあります。

さて、もう一つの問題は、飛行機自体への影響です。飛行機に雪が積もっても、高速で走行すれば飛んでしまいそうですが、問題になるのは「雪の凍結」です。とくに翼の上や離陸時に揚力を上げるために必要なフラップなどに雪が積もり、これが凍結してしまうと、離陸できなくなってしまいます。事実、雪が凍結したために離陸できず、事故になってしまったという例もあります。
そのため、降雪時には、地上の除雪と同時に、出発する航空機に対する除雪作業が必須となります。除雪と言っても、人が翼の上に乗ってほうきではたく訳ではありません。特殊な車両で飛行機の翼面に凍結防止剤を散布するのです。

ただ、この凍結防止剤ですが、有効時間があるため、あまり早く散布してしまうと、肝心の離陸までに効果がなくなってしまいます。そこで、本来は離陸直前に散布するのが、最も良いようです。ちなみに、日本の空港では、ゲートに付いている段階で、凍結防止剤を散布しています(日本では、凍結防止剤を散布する作業用車両も航空会社持ちです)。シュヴェヒャート空港の場合、凍結防止剤を散布する作業用車両効率的に運用するためか、ターミナルビルと滑走路の間にあるオープンスポットの一部を、凍結防止剤散布専用スポットにして、ここで集中的に作業を行っています。

3474781_img

ちなみにシュヴェヒャート空港の場合、作業用車両は空港会社の所有です。そのため、ターミナルを出発した航空機は、この専用スポットでいったん停止し、エンジンをアイドリング状態にした後、凍結防止剤を散布し、その後、離陸という手順になります。私が体験したときには、二機同時に作業ができるだけのスペースが確保されていました。

しかし、それでもラッシュ時には、航空機が渋滞する自体も発生します。ただ、凍結防止剤撒布後、比較的早く離陸できるので、「凍結防止剤の有効期限が切れてしまって、やり直し」という事態にはならないようです。
ちなみに“象さん”とは、この凍結防止剤散布用作業車の愛称です(ただし、日本での愛称です)。ブームが長いため、象に見立てたようです。確かに、動きを見ていると「象の鼻」のようです。

|

« オーストリア&オーストリー狂想曲 | Main | 郷土料理シリーズ「チローラー・グレステル」 »

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 冬のシュヴェヒャート空港では“象さん”が大活躍:

« オーストリア&オーストリー狂想曲 | Main | 郷土料理シリーズ「チローラー・グレステル」 »