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January 02, 2007

新刊書のご紹介 「ウィーン わが夢の町」

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今日は、ウィーンにちなんだ書籍のご紹介Dす。

アンネット・カズエ・ストゥルナートさんが書かれた「ウィーン わが夢の町」という書籍が、昨年末に発行されました(新潮社刊)。

アンネット・カズエ・ストゥルナートは、NHKラジオの名物番組「ラジオ深夜便」に出演されたことがあるので、ご存じの方も多いと思います。

単身、日本からウィーンに渡り、1971年、日本人(というか東洋人)として初めてウィーン国立歌劇場団員歌手のオーディションに合格し、先駆者として活躍されている女性です(現在も国立歌劇場に所属しており、合唱団で活躍されています)。

その半生を綴った内容で、前半は少々時代の経験や、歌手を目指すきっかけになったエピソード、日本での音楽生活の模様(本格的に声楽の勉強をすることになった先生との劇的な出会いや合唱団での活動など)などが紹介されています。

そして、後半は、シベリア鉄道でウィーンに渡ってからの、現地での音楽レッスンやウィーン・アカデミー入学、国立歌劇場オーディション、オーディション合格後の団員としての生活などの模様が、生々しく語られています。

まるで、フィクションのような劇的な経験を積んでいる方ならではのエピソードの連続には、正直、驚かされます。まるで、テレビドラマのために創ったお話のようです。

今から30年以上前は、クラシック音楽の本場であるオーストリアでは、まだ日本人はもちろん、東洋人の音楽における実力が十分知られていなかった時代です。それだけに、大変なご苦労を重ねていたことがわかります。

30年前と言えば、まだ観光旅行でもウィーンを訪れる日本人は、少なかった時代です。ましてや、日本人が、クラシック音楽のプロとして活躍するなど想像もできなかった時代でしょう。ウィーンの音楽界は、色々な意味で伝統を重んじる世界なので、人種差別的な対応や、偏見もあったようです。同書で、著者自らが記述されていますが、「歌舞伎座にオーストリア人が出演する」といったイメージなので、ご苦労が忍ばれます。

後半のお話で興味深いのは、国立歌劇場での練習中、有名指揮者がどのような指導をするのかといった内容です。このほか、アメリカへの引越公演のエピソードも、興味深いものがあります。まだ、存命中の方が多いことを配慮しているためかもしれませんが、国立歌劇場の団員としてのエピソードが、若干少ないことが残念です。

ある意味、すさまじい人生を送っている方なのですが、私が2005年12月に国立歌劇場で見た「ローエングリン」のプルミエに合唱団として、出演していたというエピソードを読み、何か身近に感じてしまいました。

表題から考えるとウィーンでの話題が多いような気がしますが、半分以上はウィーンに至るまでのお話です。クラシック音楽に詳しくない方でも、興味深く読める内容なので、皆さんも一読されてはいかがでしょうか。

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