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February 19, 2007

番外編 バイエルン国立歌劇場「ロベルト・デヴェリュー」

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いつもはウィーンをホームグランドとしている私ですが、今回は「浮気」をして、ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場を訪ねることにしました。
というのは、エディタ・グルベローヴァさんが、エリザベッタに扮する“ロベルト・デヴェリュー”が上演されているからです。“ロベルト・デヴェリュー”はウィーン国立歌劇場で、数回見ていますので、劇場の雰囲気、演出の違い、観客の反応など、見所は「満載」です。
ご存じの方も多いと思いますが、バイエルン国立歌劇場は、日本でも人気の歌劇場で、日本舞台芸術協会の招へいで、たびたび来日しています。

バイエルン国立歌劇場ですが、建物の外観が古いにもかかわらず、中は近代的で、ウィーン国立歌劇場のような立派なホワイエや階段はなく、ちょっと拍子抜けしてしまいます。また、ビュフェやバー、が意外と狭い印象を受けました。なお、同劇場は「立ち見」設定がないようで、そういう意味で、チケットが確保できないと、どうしても見たい場合、打つ手がありません。

劇場内には、CDショップや劇場グッズショップがあり、当日の演目に関連した写真やCDなどを販売しています。
ところで、プログラムは、サイズがウィーン国立歌劇場の倍です。出演者リストを別途挟む形は同様ですが、出演者リストには、ご丁寧に主要歌手の略歴が掲載されています(何となく、日本式)。なお、プログラムには日本語の「あらすじ」は掲載されていませんでした。バイエルン国立歌劇場では、日本でのプロモーションを強化しているようですが、まずは、このあたりから変える必要があるでしょう。また、休憩は一回で、2幕終了後に、30分設定されている旨がプログラムに掲載されていました(プログラムには、ご丁寧に2幕終了予定時刻も記載されていた。いかにも几帳面なドイツ的)。終演は20時45分です。

さて、今回、公演終了後、グルベローヴァさんのサイン会が、館内のCDショップ付近で行う旨の案内が、館内に掲示されていました(という訳で、出待ちはなし)。

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指揮は、ご主人のハイダーさんの指揮です。ドイツオペラなので、抽象的な舞台装置を使う、最近流行の演出なので、好みが分かれるところでしょう。
ところで、劇場の構造ですが、ヨーロッパの歌劇場スタイルですが、いわゆる「平戸間」は、中央に通路がなく、両側からしか入ることができません(そのため、中央の席になると出入りが大変です)。その関係からか、出入り口が多く設定されています。また、二階以上の客席は個室形式ではなく、日本でおなじみの一般座席方式となっています(ただし、舞台に近いオーケストラピットの上だけは、個室になっています)。面白いのは、座席番号で、通し番号方式が採用されています。もちろん、場所と列の指定はありますが、座席番号が通しになっているため、間違えることが少ないようです(これもドイツ式でしょうかね)。

さてい、出演者ですが、ノッティンガム侯役はPaoloGavanelli、サラ役はJeannePiland、ロベルト役はZoranTodorovichでした。

18時にハイダーさんの指揮で、「ロベルト・デヴェリュー」が始まります。幕が上がると、一見すると「ホテルのロビー風」の舞台が現れました(写真を見て覚悟していましたが、これでがっかり)。第一幕の冒頭は、合唱団も多数出演しますが、男女ともスーツ姿で、何となくしっくりきません。何しろ、合唱団の持っている新聞がイギリスの大衆紙「サン」ですからねぇ。ウィーン国立歌劇場のように蝋人形風の人がバックに並ぶのもどうかと思いますが、こちらも、こちらで、今ひとつピンときませんでした。

しかし、歌手の皆さんは、グルベローヴァさんと共演するだけあって、皆、見事な歌いっぷりでした。レベルの高さを感じさせます。とくにノッティンガム侯役のPaoloGavanelliは、貫禄もあり、良かったですね。

第一幕、エリザベッタのアリアで、さっそくブラヴァの嵐となりました。60歳を過ぎた今日でも、声量、声の質、音域、いずれも若手歌手を上回る歌唱力です。また、明らかに声の質が違うため、合唱や他の歌手と一緒に歌う場面でも、際だっているところが、グルベローヴァさんらしいところです。見事の一言につきます。
ただし、エリザベッタの服装がスーツ姿なので、何となく外見から見る威厳が感じられない点が惜しまれました(表情はしっかり作っていましたが、服装から受ける印象が強いことを再認識しました)。

続いて行われる第二幕も基本的な舞台装置は一緒ですが、半透明の仕切を使って、舞台を前後に分割する手法が取り入れられていました。さらに天井を若干下げるという演出もありました(これで、場面の違いを表現していたようです)。エリザベッタの誤解からロベルトの処刑命令書にサインするところで、休憩となります。休憩時のカーテンコールでも、すさまじい拍手です(定番、床鳴らしも出ました)。

第三幕は、中盤、ロベルトが、周りの者からリンチを受けながら歌うシーンが印象的です。そして、エンディングですが、ロベルトが処刑された後、亡霊は登場せず、合唱団が取り巻くなかで、エリザベッタが自分の気持ちを歌う演出でした(ここではドレスでした)。また、髪をかきむしるシーンは入っており、見事な感情移入でしたが、合唱団との共演になっていたので、ちょっと残念な印象でした。

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当然、ブラヴァの嵐で、カーテンコールも、ウィーン公演と同じくらい多く行われました。ウィーン国立歌劇場の演出も、舞台装置など、あまり感心しないのですが、比べてみると、まだましな感じがしました。こちらは完全が現代劇にアレンジしているため、何となく物語の時代性が感じられません。これが「ドイツのオペラか」という感じがしましたね。なお、バイエルン国立歌劇場は来日公演で見ているが、やはりホームグラウンドだと、演奏の響きが全く違うようです。

怒濤のカーテンコールの後、20分ほどしてから、劇場内でのサイン会が始まりました。ドイツの劇場らしく、皆、ちゃんと行列しています(もちろん並んでいるのは、ドイツ人ばかりではありませんが)。そのため、人数が多い割には、混乱なくスムースに進みました。ひとり一人に丁寧な対応をしているところは、さすがグルベローヴァさんです。
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さて、グルベローヴァさんですが、4月に来日公演が予定されていますが、その後、ウィーンでは5月に「ランメルモールのルチア」への出演が予定されています。

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