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February 16, 2007

ルドルフ・ビーブル「こうもり」を振る

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国立歌劇場が舞踏会で盛り上がっている時、フォルクスオパーではウィンナ・オペレッタの定番「こうもり」が上演されました。

今回の「こうもり」ですが、フォルクスオパーでは久しぶりにルドルフ・ビーブル氏が指揮を行いました。ルドルフ・ビール氏は、最近ではメルビッシュでのオペレッタ指揮が有名で、フォルクスオパーへの登場は久しぶりだと思います。

出演者は、私が1月に観た時とは、がらりと変わりました。アイゼンシュタイン役がThomasSigwald、ロザリンデ役がEdithLienbacher、アデーレ役がBarbaraPayha、イーダ役がDanielSchmutzhard、オルロフスキー役がElisabethKulman(彼女だけが唯一、前回から継続出演でした)、アルフレード役がDanielBehle、フランク役がJosefLuftensteiner、フロッシュ役がGerhardErnst、ブリント役がChristianDerscherという陣容でした。
演出は、細かいアドリブを除けば、昨年12月に改訂されたものが踏襲されています。

さて、一番驚いたのはルドルフ・ビーブル氏の指揮ぶりです。というのは、指揮台に楽譜が全くないのです。つまり、暗譜で台詞の多い「こうもり」を振っているのです。いくら、内容を熟知しているとは言え、これには驚きました。お歳の関係もあり、レオポルド・ハーガーのように立ちっぱなしではなく、台詞の部分では座っていましたが、いざ、楽曲の指揮になると、身体全体を使った繊細な指揮ぶりでした(指揮棒は使わず、両手の手のひらを使うスタイルでした)。当然ですが、ウィンナ・オペレッタ独特の「こぶし」も見事に再現しています。

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さすがにウィンナ・オペレッタを熟知している指揮者らしく、自分の指揮に舞台を合わせるのではなく、舞台の進行を踏まえながら、演奏に入るタイミングを調整していました。もちろん、それでも冗長な感じは一切なく、一体感のある見事な舞台でした。

また、楽団のメンバーも、今まで私が観た同劇場のオペレッタの中で、最も楽しそうに演奏していました。多くのメンバーが笑顔で演奏していたのが印象的です(ルドルフ・ビーブル氏の指揮で演奏するのが楽しいという「気」が観客席まで伝わってきました)。これもルドルフ・ビーブル氏の人柄によるものなのでしょうか。

歌手の皆さんも、ノリノリで、それぞれ良い味を出していました。アイゼンシュタイン役のThomasSigwaldは、石頭なくせに女好きというキャラクターにぴったりでした。歌だけではなく、お芝居もなかなか魅せるものがありました。
ロザリンデ役のEdithLienbacherは細身の方で、第一印象はハンガリーの貴族に化けるのには、どうかなという感じ(妖艶さに欠ける気がしました)でしたが、演技力があり、二幕のチャールダーシュも無難にこなしていました。アデーレ役のBarbaraPayhaはお茶目で、勝ち気な女性を見事に演じていました(ちょっと顔が大きいのですが、逆の表情の変化がよくわかり、アデーレにはぴったりでした)。最近観た中では、役にはまっていた一人でしょう。

フランク役はフォルクスオパーでは出演する演目の多いJosefLuftensteinerでした。彼は、元々バリトン歌手なので、歌単独では他の歌手に比べるとハンデキャップがあります。しかし、演技力が高く、「こうもり」では三幕の一人芝居で、楽しい舞台を創っていました。フロッシュ役のGerhardErnstは大柄な人で、演技は魅せるものがありました。また、フランク役のJosefLuftensteinerとも体格が似ていることもあり、息もぴったり合っていました。

オペレッタ恒例のアドリブですが、時事の話題をさりげなく織り込んでいた他、国立歌劇場で舞踏会が開かれ、世間の注目がそちらに集まっていることへの対抗心からか、三幕でフロッシュが「国立歌劇場では舞踏会をやっているが、こっちじゃ、こんな楽しい舞台をやっているぞ。こっちへ来て良かっただろう」といったニュアンスの話をして、観客から大いに受けていました。

国立歌劇場舞踏会の日に、ウィンナ・オペレッタの定番「こうもり」をルドルフ・ビーブル氏の指揮でぶつけてくるところに、フォルクスオパーの心意気を感じた公演でした。

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Comments

私が勘違いしてたのかも分かりません・・・。
指揮者の「BIBL」は日本では「ビーブル」と書かれてきましたし、私もそう発音するものと思い込んでおりました。現地のかたの発音では「ビール」となるのでしょうか? 実は私もウイーンで例えばウエルテルがヴェーターとかキルヒシュラーガーがキアシラーガと聞こえて面食らったことがあります。似た話はたくさん有ります。 オペレッタにはまっている男さんが「ビール」を飲みながらこのブログを書かれたのではないかと始めは疑って読んでおりましたが、段々そうでは無さそうな気がしましたので敢えてお尋ねした次第です。

Posted by: Unicorn(ユニコーン) | February 17, 2007 00:44

ユニコーンさま、コメントありがとうございます。
外国人の日本語表記は、正直難しいですね。日本でのカタカナ表記が必ずしも、現地の発音と一致しないことも多いようです。

で、今回はユニコーンさまご指摘のように、「ビーブル」の方がよさそうです。今後ともコメントをよろしくお願いいたします。

ところで、16日は「マリッツア」を観てきました。今シーズンは3月公演でおしまいだそうですが、お客様が皆、喜んでいる姿が印象的でした(皆さん、楽しそうな表情で家路についていました)。

なお、主な出演者や演出は、以前ご紹介したとおりですが、ペニチェクにRudolfWasserlofが起用され、良い味を出していました。

Posted by: オペレッタにはまっている男 | February 17, 2007 17:40

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