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March 11, 2007

観光競争力 第2位の実力は…

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各国の政財界人が集うことで最近有名になった「ダボス会議」を主催する世界経済フォーラム(本部・ジュネーブ)が、このほど、世界124か国・地域を対象に、観光地・旅行先としての実力を指数化した「観光競争力」ランキングを発表しました。

こ日本は、25位になったのですが、観光を専門に研究する学者の皆様などからは、「日本の評価が高すぎる」「なぜ、ヨーロッパ色が上位なのか」といった声も上がっています。

さて、オーストリアは、スイスに続いて第2位に入りました。そこで、どのような指標で競争力を評価しているのかが気になり、世界経済フォーラムのWebサイトをチェックしてみました。

何と、報告書全文がPDFファイルでアップされており、細かく分析をすると非常におもしろそうです。
まず、評価項目は第Ⅰ群から第Ⅲ群まで(合計13項目)あり、各項目とも7点満点となっています。

以下が、各評価項目におけるオーストリアの得点です。

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<Ⅰ群>「観光・旅行上の規則体系」5.8(3位)<スイス 5.8 2位>
1. Policy rules and regulations(政策上の諸規則):5.3(22位)<スイス:5.3 21位>
2. Environmental regulation(環境上の規則):6.1(2位)<スイス:6.0 4位>
3. Safety and security(安全性と治安):6.2(4位)<スイス:6.1 5位>
4. Health and hygiene(健康と衛生):6.2(22位)<スイス:6.3 8位>
5. Prioritization of travel and tourism(観光・旅行の優先性):5.2(14位)<スイス 5.38位>

<Ⅱ群>「観光・旅行上の環境とインフラ」:5.0(12位)<スイス:5.2 2位>
6. Air transport infrastructure(航空輸送インフラ):4.1(22位)<スイス:5.0 9位>
7. Ground transport infrastructure(陸上交通インフラ):5.5(17位)<スイス 6.4 5位>
8. Tourism infrastructure(観光インフラ):6.9(1位)<スイス:6.4 4位>
9. Information and communication technology (ICT) infrastructure(情報・通信技術上のインフラ):4.8(22位)<スイス:5.5 9位>
10. Price competitiveness(価格競争力):3.6(113位)<スイス:3.5 115位>

<Ⅲ群>「観光・旅行上の人的・文化的・自然的資源」:5.9(1位)<スイス:5.8 2位>
11. Human resources(人的資源):5.5(22位)<スイス:6.3 1位>
12. National tourism perception(国民による観光上の意識):5.5(33位)<スイス 4.9 62位>
13. Natural and cultural resources(自然・文化資源):6.5(2位)<スイス 6.3 6位>

これを見ると、スイスは第Ⅰ群から第Ⅲ群まで、各群は第1位で、平均的なポイントが高いことをわかります(もっとも、スイスの皆さんにしては、観光資源保全のため、様々な規制があるくらいですから、もっと高いのでは…と思うかもしれません)。

第Ⅰ群の中で、オーストリアとして注目されるのは、2番目の Environmental regulation(環境上の規則、6.1ポイント、2位)と、3番目の Safety and security(安全性と治安、6.2ポイント、4位)でしょうか。でも、実感として、環境を維持するための規制が、さほど強いようには感じませんがねぇ?
治安は、確かに良い方だとは思います(でも、警察は結構いい加減な気がしますが…おっと、失礼)。

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「良い意味」で、いい加減な国オーストリアは、第Ⅲ群(観光・旅行上の人的・文化的・自然的資源)が、第1位となっています。この中で注目されるのは、13番のNatural and cultural resources(自然・文化資源)が6.5ポイントということです(全体では2位)。どうやら、自然と文化資産のバランスがとれていると評価されたようです。

また、オーストリアは、第Ⅱ群(観光・旅行上の環境とインフラ)全体では5.0ポイント、12位と振るわないのですが、観光インフラだけは、満点に近い6.9ポイント(当然、1位)です。確かに、ウィーンなどを中心に、歴史的観光施設は充実していますから、何となく頷けます。

ちなみに同報告書のコメントでは、以下のように紹介されています。

*********************************
第2位と第3位にランクされるオーストリアとドイツは、評価項目について、いくつかの特徴を共有しています。
たとえば、両国は「環境規制の品質」では、デンマークと共に、トップ3カ国の内の、一つです。そして、非常に低い犯罪と、信頼できる警察力により、安全性と保安に関してトップ4の一つです。
両国は、自然と文化的な資源に恵まれています。保護されている国立公園や、世界遺産に指定された地区を保有していることが、大きなポイントになっています。
しかし、両国には、ニュアンスの違いがあります。
たとえば、ドイツは、輸送インフラ(特に地上輸送インフラ)の品質が、高く評価されています(第1位)。
それに対して、オーストリアは、観光旅行インフラは、世界で最高と評価されます。そして、オーストリアは、観光旅行先の優先順位で、ドイツを上回っています。
*********************************

この結果を見ると、スイスのように、緻密にやっている国が第1位というのは、よくわかります(確かに風景も「造ったように」感じることがあります)。

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オーストリアの場合、意図的に観光立国を目指している姿勢が評価されていると言うよりは、「たまたま恵まれた歴史的遺産と自然が融合して、高い評価を得ることができた」とも見ることができます。

ご興味のある方は、Webサイトから報告書をダウンロードして、色々と分析してみると、おもしろいと思います。

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