路面電車のヒミツ

ウィーンの市内交通で、観光客の皆様もお世話になることが多い乗り物が、路面電車(シュトラッセンバーン)ではないでしょうか。
まず、地上を走っているので、ウィーン市内の景色を楽しむことができる上に、線路があるので、何故かバスよりも安心です(以前、友人が、“バスだと、どこへ連れて行かれるかわからないという不安感ある”と言っていました)。
私もウィーン滞在中は、回数券などを買ってもっぱら路面電車で、市内を移動しています。もっとも、シェーンブルン宮殿など、ちょっと遠いところへ急ぐ場合は、地下鉄にしますが…
さて、以前、路面電車に搭載されている「砂箱」の話をご紹介しましたが、今日は、「路面電車のヒミツ」第二弾です。
皆さんは、路面電車は、どのように進路を変えているか、ご存じでしょうか。例えば、観光客におなじみのリンクを走る1系統と2系統には、郊外からJ系統やD系統が乗り入れてきます。このように、一部の線路が重複使用しているケースが、ウィーンでは結構あります。国会議事堂と市庁舎の間で、1系統・2系統に乗り入れてくるのがJ系統なので、国会議事堂当たりで、ご覧になった方も多いでしょう。
ポイントのそばには、係員がいる詰め所が見あたらないので、中央制御室のようなところがあって、そこから遠隔操作で、ポイントを切り替えているように思っている方も多いかもしれません。また、無線等で運転手がポイント切り替えの指示を出しているのではないか…という答えもあるかもしれませんね。意外なところで、ハイテクが活躍している国、オーストリアですし…
実は、停車位置によってポイントが切り替わるようになっているます。頭上に架線にセンサーがあって、これでポイントを切り替える仕組みになっているのです。
路線が分かれる箇所の付近で、架線を見ると、きっとセンサーが付いているのがわかると思います。
しかし、実際には全ての分岐点にセンサーが付いている訳ではありません。というのは、臨時に使う分岐点などでは、保守が大変ですし、逆に誤動作の危険もあるので、この方式は採用していません。また、路面電車の場合、通常の鉄道と違い、一緒に走る自動車などを避けるため、やむを得ず、本来の停止位置よりも先に行ってしまうことがあります。
さぁ、こういうときは、どうするのでしょうか。実は、冒頭の写真のように、運転手さんが電車に搭載してあるバール状の器具を、線路の間にあるポイント可動部に差し込んで、手動で転換させるのです。これならば、間違いありません。写真の運転手さんは女性ですが、さほど力を入れずに転換できるようでした。
このような「裏技」があるので、イベントがあった場合など、特別ルートでの運転が可能なのでしょう。


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