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September 28, 2007

グルヴェローバさんの「清教徒」

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今日は、オペラの話題です。
国立歌劇場2007/2008シーズンのスタートで注目される演目は、グルヴェローバさんがエルビィーラを演じる“清教徒”でしょう。懲りもせず、グルヴェローバさん観たさに、やってきました。

前回、グルヴェローバさんが「清教徒」に出演したのは、2006年3月でした。が、あのときは、前半の2公演、グルヴェローバさんがキャンセルとなり、気をもみましたが、今回は、無事、四公演に出演されました。

さて、国立歌劇場の「清教徒」ですが、私は、正直、舞台装置が好きになれません。最近流行の抽象的なスタイルで、唯一の救いは、衣装の時代考証が、まともな点でしょうか(でも、騎士が持っていた剣が、日本刀みたいな鞘に入っていましたが…よく見たら、明らかに日本刀風でした(^^;) )。

主な出演者ですが、アルトゥーロ役はJosé Bros、ジョルジョ役はVitalij Kowajiow、ヴァルトン卿役のIn-Sung Sim、リッカルド役のGabriele Vivianiでした。このうち、ジョルジョ役はVitalij Kowajiowとリッカルド役のGabriele Vivianiは、国立歌劇場初登場です。

また、指揮者は当初、グルヴェローバさんの旦那さんであるハイダー氏が予定されていましたが、病気のため、急遽、Micael Halászが登板しました。老練な感じのする指揮者で、通常はバレエなどを振っているようです。
「清教徒」は、演出により、主役であるエルビィーラの出てくるタイミングが異なるのですが、ウィーンの演出では、幕が上がった直後にエルビィーラが登場します。

第一幕は第一場は、エルビィーラの見せ場が少ないのですが、それでもグルヴェローバさんならではの音域の広さ、オーケストラと一線を画した音質により、際だった存在でした。第一幕最大の見せ場は、第三場の「狂乱の場面」でしょう。アルトゥーロに裏切られたと思い込んだエルビィーラが正気を失う場面は、まさにグルヴェローバさんならではの「迫真の演技」です。今回、アルトゥーロ役はJosé Bros(この人は、バルセロナの「清教徒」でグルヴェローバさんと共演している、気の知れた仲間。バルセロナのDVDが出ていますね)、ジョルジョ役はVitalij Kowajiow、リッカルド役のGabriele Vivianiも、歌唱力があり、舞台全体を盛り上げていた感じがします。


この場面では、拍手のフライングはゼロ。オーケストラの伴奏が終わった瞬間から、ブラヴァの嵐となりました。3回目の公演であるにもかかわらず、すさまじい拍手で、指揮者もしばらく次のパートへ進むことができませんでした。「清教徒」の場合、実質的には女性の出演者はエルビィーラだけなので、注目度が高まります。

第一幕第三場が終わったところで、休憩となるだけに、このシーンは強く印象に残ります。

第二幕では、アルトゥーロの死刑宣告を聴き、エルビィーラが錯乱状態を示す場面があります。第一幕第三場に続いて、グルヴェローバさんの歌唱力と演技力を見せつける場面でした。当然、ここでもブラヴァの嵐で、しばらく中断し、結局、再度登場するまで、拍手が鳴りやみませんでした。グルヴェローバさんも全盛期を知る人から見れば、歌唱力が落ちているのでしょうが、失礼ながらお歳を考えると、想像を絶する歌唱力と言えるでしょう。個人的には、舞台装置が、もう少し立派ならば、もっと魅力あふれる舞台になると思うのですが…しかし、照明の使い方が極めて印象的で、強く印象に残る舞台ではあります。とくに第二幕では、エルビィーラが歩くところだけが、赤くライトアップされており、印象的ですたね。

第三幕の目玉は、アルトゥーロとエルビィーラの二重唱です。ここのアルトゥーロ役José Brosは、単なる引き立て役になっていなかったところが、良かったですね。

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例によってカーテンコールのすさまじいこと。最初にグルヴェローバさんが登場した時は、花束が多数投げ込まれました。その後も、怒濤の拍手で、都合5回はカーテンコールが行われました。最後は、恒例の手拍子で、引っ張り出した感じです。前回の「ルチア」では、共演陣が急遽変更になったこともあり、ちょっとバランスの悪い公演になってしまいましたが、今回は、共演陣のレベルも高く、すばらしい公演でした。

注目の“ノルマ”なのですが、残念な点はコンサート形式になってしまったことでしょう(2005年は、スポット公演だったので、やむを得ませんが、今度こそ舞台装置付きだと思ったのに…)。しかし、何とElina Garancaが、Adalgisa役で出演するようです。二人の共演、これまた楽しみです。

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Comments

昨年ご覧になった「清教徒」にまた行かれたとは!本当にお好きですねえ。グルベローヴァがグルべ老婆にならない内にと言うことでしょうか。

昨年3月12日はヨゼフ・カレヤのキャンセルが残念でしたけれど女王グルベローヴァは相変わらずの熱演で劇場は興奮の渦!この場に居合わせて幸せなことでした。ウイーンでの彼女の人気は本当に凄いですね。残念ながらこの舞台の装置は確かに垢抜けませんでした。衣装はエルヴィーラとエンリケッタを除いて全員(確か男も女も)日本の鎧姿風、冑は被っておりませんでしたが腰には日本刀をサーベル風にぶら下げてたりして純粋日本人の私にはどうも気になることでした。

先般NHKで放映されたネトレプコの出演した「清教徒」は正攻法の演出で装置、衣装もMETらしく重厚で大満足でした。いま旬のネトレプコは本当に素晴らしい。ご覧になりましたか?

それからDVDでは2001年バルセロナ・リセウ劇場版。アルトゥーロ役が今回のウイーンと同じホセ・ブロス。これも楽しめますがアンドレ・セルバンの演出がチョッと・・?。このDVDお持ちでしょうか?

11~12月の「ノルマ」はご覧になるのですか?グルベローヴァとガランチャとクーラの三つ巴は凄いことになりそうです。コンサ-ト形式を残念がっておいでですが、一昨年の同形式の公演は素晴らしかったじゃないですか。なまじの装置や演出が無いだけ却って音楽に集中できるのがコンサート形式の良いところです。本来のオーケストラピット最前列に歌手が立ち、音響全体もオペラの舞台より迫力があって、緊張感に溢れたものでした。私が行ったときの席は幸運にもパルケット左7列目、グルベローヴァの真正面でした。忘れられないコンサートとなりました。

さて「ウエルテル」はご覧にならなかったご様子ですが一昨年2月プレミエ直後の公演のDVDが市販されてるのを(失礼ながら)ご存知でしょうか?私は実物を観ているのでDVDで良い復習ができました。セルバンの演出が不評ですが、ガランチャの人気が決定的となった一作ですので、もし未だでしたら是非このDVDをお求めになるようお勧めします。

Posted by: Unicorn(ユニコーン) | September 29, 2007 21:53

ユニコーンさん、コメント、ありがとうございます。

バルセロナのDVDは、今回、入手しました。また、メットの「清教徒」もNHKさんの放送で観ました。メットの場合、諸般の事情から、演出はオーソドックスですよね(逆に新演出にしたら、誰も来ないとか)。

もう読まれていますが、「ノルマ」は、絶対、絶対、観たいと思っています。

また、この時期、フォルクスオパーでも、魅力的な公演がありますので…

前回のオペラ座舞踏会翌日の「ノルマ」も良かったですが、今回の方が共演者が良いですね。

なお、ネトレプコですが、どうも今のように酷使してしまうと、意外と長続きしないような気がします。
ところで、グルヴェローバさんは、歌手仲間では、評判がよろしくないようです。というのは、「芸をきわめている」ので、付いていけない…という話です(実際、ものすごい摂生をしているからこそ、あの歳で、あの歌唱力なんですがね)。

でも、ファンを大切にするグルヴェローバさんが、ますます好きになっております。

Posted by: オペレッタにはまっている男 | September 29, 2007 23:44

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