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December 21, 2007

番外編 オペラは「我らが誇り」

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今日は、番外編です。オーストリアも音楽が盛んですが、お隣の国、イタリアほどオペラに関して「こだわり」を持っている国はないかもしれません。

ヴェルディを筆頭に、ドニゼッティ、プッチーニなど、まぁ、オペラの作曲家を大量に輩出している訳ですから、国民がイタリア・オペラに特別の「こだわり」を持つのもわかるような気がします。
今日は、それに関連したエピソードをご紹介しましょう。

まず、オペラや音楽とは全然関係ない話なのですが、ヨーロッパ各国の空軍は、昔からアクロバット・フライトが盛んだったこともあり、デモンストレーション・フライトを専門に行う部隊を保有している国が多数あります。

代表的なところでは、イギリス、フランス、イタリア(ここまでは、いわゆる御三家)、スイス、スペインなどでしょうか。それぞれ、専用の機体を使い、ダイナミックなデモンストレーションを披露しています。いわゆるエアショーには、複数の国からアクロバット・チームが参加することもあり、国の威信をかけて(大げさですが、パイロットは本気)、腕を競っています。

さて、その中でも、度肝を抜くフライトで人気があるのが、イタリア空軍のアクロバット・チーム「フレッチェ・トリコローリ」(三本の矢)です。10機のジェット練習機を使い、5機と4機の編隊が絡み合うアクロバットに加えて、ソロが独創的なフライトを見せる、魅力的なチームです。

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今年の7月、イギリスで国際的な軍用機の祭典「ロイヤル・インタナショナル・エア・タトゥー」(RIAT)が開催されました(これは空軍慈善基金が義援金を集める目的で行っている世界最大の軍用機を中心としたパブリック・エアショーです)。

このRIATに「フレッチェ・トリコローリ」が出場したのですが、デモンストレーション・フライト、最後の演技で使われたBGMが、何とオペラ「ツゥーランドット」の名曲、「誰も寝てはならぬ」だったのです。もちろん、空軍基地で行われるエアショーですからBGMはテープなのですが、しっかり歌の入っているバージョンでした。冒頭の写真が、最後の演技なのですが、この時に「誰も寝てはならぬ」が流れていた訳です。すごく印象的なシーンでした。

日本でも、トリノオリンピックのフィギュアスケートで使われたため、一躍有名になりましたが、普通、空軍アクロバット・チームでBGMを使う場合、乗りがよいポピュラーミュージック系を使うのが主流なので、ちょっと驚きました。会場には、各国の航空ファンがきていましたが、この組み合わせを見て、驚いた人はどのくらいいるかはわかりません(イタリア人は、盛り上がっていたとは思いますが)。ジェット機の爆音とオペラのアリア。意外な組み合わせですが、これが、なぜかイタリア人がやるとピッタリと合うんですねぇ。

イタリア人にとって「フレッチェ・トリコローリ」は「国の誇り」です。この「国が誇るチーム」のBGMに、「国の誇り」であるオペラの楽曲を使う。うぅーん。イタリアには、オペラが文化として定着していることを、強く感じさせるエピソードだと思います。

さて、このRIATの現場に、「オペレッタのはまった男」がいたのか、それとも、上記の内容は友人からの伝聞なのか…それは、ナイショということで。突っ込みはなし。

最後にオーストリアに関する話題を一つ。その昔、オーストリア空軍にも専門のアクロバット・チームがありました。「KARO As」(最初は「チーム シルバー・バーズ」という名前だったようです)というチームで、1984年頃まで活躍していたようです。オーストリアで開催されたF-1グランプリでの祝賀飛行は当然、遠くイギリスのRIATにも参加したことがあるようです。最後の使用機は、サーブ105Bという機材です。なお、下の写真はオーストリア空軍博物館にあった「KARO As」関連の展示ブースです。

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さて、何で、今はないのか。ご多分にもれず、予算削減の影響だそうです。その代わりといっては何ですが、オーストリアのドリンクメーカー・レッドブルが、民間のアクロバット大会を主催し、各国で大会を開いていますね。

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