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December 20, 2007

オペラ歌手出演料の高騰

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日本では、石油の高騰が原因で、ものの値段が上がっていますが、今日は、出演料のお話です(全然、石油高騰とは関係ありません)。

先日、ウィーンで、一緒にオペラを見た方と音楽談義をしていたとき、「ウィーン国立歌劇場は規定で出演料が、意外に低い」という話題が出たことがあります。今は、民営化されているとはいえ、総裁の人選に国が絡むほどの組織ですから、純民間企業のように勝手に出演料をつり上げるというようなことはできないのでしょう(実際、どれくらいもらえるんでしょうね。興味津々)。

今まで、オペラ歌手にとって「ウィーン国立歌劇場で歌う」ということは、大変なキャリアになりますので、今後のことを考えると、多少、出演料はお安くても「出ます」(というか、「出してください!!」「出たい!!」)という方が多かったのだと思います。

ところが、日本の新聞(ちょっと前ですが)で、気になる記事を見つけました。

記事の内容は、ザルツブルク音楽祭で、出演料の高騰が問題になっているというものです。

前年、人気が出た歌手にオファーをかけても、「その出演料では…」と承諾してくれないケースが増えているようです(確か、ネトレプコが例に挙がっていたような気がします)。逆に、大量の人数を動員できて、且つ放送権料も期待できる野外コンサートに出演すると、巨額の出演料が手に入るそうです。そうなると日程が重なった場合、伝統あるザルツブルク音楽祭よりも、どこかの野外コンサートを優先させてしまう人もいる…というような内容でした(この前、当ブログでも紹介した2008年6月のシェーンブルン宮殿コンサート、あの三人は沢山もらえるんでしょうねぇ)。

これは、頭の痛い問題ですね。

こんなことを考えている時、日本でウィーン国立歌劇場やフォルクスオパー、ミラノ・スカラ座などを招へいしている財団法人日本舞台芸術振興会のニュースに、気になる記事が出ていました。

執筆されているのは、同振興会の佐々木忠次氏です。記事の内容を要約すると、最近はマスコミを使って、三流のオペラハウスを、あたかも一流のように見せかける「偽装」が増えているという話から始まり、三流が一流に見せかける「偽装」の一つが、有名歌手をスポットで日本に連れてくることだそうです。

しかし、普通に頼んだのでは、有名な歌手は、二流や三流のオペラハウスの来日公演には同行しません。そこで、一流のオペラハウスと同行したときの数倍の出演料を出すようになっているらしいのです。

この結果、日本公演に参加することになっている歌手たちと、いざ契約する段階になると「日本へはそんな出演料では、行かない」とごねる歌手が多くなったと、オペラハウスの総裁(誰だか知りませんが)が嘆いているようです。

実際、佐々木氏のところにも、招へい予定のオペラハウスの総裁から、「日本では、そんなに巨額な出演料を本当に出しているのか」という問い合わせもあるとか…

もし、有名歌手の出演料が高騰すると、ウィーン国立歌劇場をはじめとする一流オペラハウスの来日公演入場料が、さらに高くなることが懸念されるそうです。今でも、来日公演の場合、最高のカテゴリーは5万円以上しますから、これ以上、上がったら、本当に手が出なくなってしまいます。

その悪循環は、いずれご本家(現地)にも跳ね返ってくるでしょうから、ファンとしては頭が痛いところです。

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Comments

はじめて訪問させていただきました。

約20年前に新婚旅行でウィーンを訪れ、フォルクスオパー(こうもり)とシュタッツオパー(ドン・ジョバンニ)に行きました。デビュー直後のコワルスキーを発見(?)したのが今も家内の自慢です(笑)

地方都市に住んでいるとオペラ公演自体が滅多にありませんし、東京まで出て行くのも大変です。二流でも三流でも良いから来て頂戴と言いたいところですが、たまに当地まで来ると席はガラガラです (^_^;

ウィーンとオペラの話を楽しく読ませていただきました。今は亡きパヴァロッティの出演料がワンステージ1億円にもなってお金持ちのメト以外は呼べなくなった、という記事を読んだのは何年前のことでしたか。

Posted by: ys | December 21, 2007 17:53

ysさま、コメントありがとうございます。

実際、来日オペラの地方公演は、大変だと聞いたことがあります。また、地方公演をするためには、舞台装置の移動も発生するので、費用がかかるとか…
さらに、舞台の大きさに制約があるため、あらかじめ専用の舞台装置が必要になるという話も聞きました。

ところで、来年のフォルクスオーパー日本公演ですが、残念ながら東京だけの開催になってしまったのも、上記のような事情があるのかもしれません。

その昔、フォルクスオーパーが初めて日本公演を行ったのが名古屋だった時代が懐かしいものです。

これからも、お気軽にお立ち寄りください。

Posted by: オペレッタにはまってい男 | December 21, 2007 18:03

こんにちは。レスありがとうございました。

>来年のフォルクスオーパー日本公演

実はこのチケットを取りました (^^)/

東京へオペラを見に行くのは、Bunkamuraに来たベルリンの「こうもり」をコワルスキー目当ての家内に引っ張られてお供して以来ですから10年ぶりくらいではないでしょうか。

子供が大きくなり少し遠出が出来るようになりました。来年5月は連休にラ・フォル・ジュルネ、月末に「こうもり」で2回東京へ行きます。でもウィーンまで行けるのはまだ当分先のようですので、ここを読んで我慢します。今後もウィーンとオペラの楽しい情報をお知らせください。

Posted by: ys | December 23, 2007 18:52

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