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January 04, 2008

あっと驚くプログラム

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フォルクスオーパーで上演しているオペラの一つに「ヘンゼルとグレーテル」があります。日本でも有名なグリム童話を題材としたオペラです。題材が題材なので、子供さんでも楽しめるオペラということになるでしょうか。この作品は、ドイツの作曲家フンパーディンクの作曲によるものです(初演は1893年なので、モダンオペラではありませんね)。

今回、たまたま観る機会があったのですが、まず、驚いたのがプログラムです。というのは、通常の冊子型ではなく、袋に入っているのです((冒頭の写真が、その袋)。袋の中を見ると、通常の出演者リストに加えて、一幕から三幕までの舞台を画いたポップアップ式のカードが入っています。

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お話のあらすじは、誰でも知っているものなので、おまけ程度にカードに書かれていました(しかも筆記体で読みにくいので、あくまでも雰囲気を出すための材料といった感じでしょうか)。今までフォルクスオーパーで色々な公演を見ましたが、ポップアップ式のカードを使ったプログラムは初めてです。

子供さんが喜びそうな、楽しいプログラムに脱帽です。しかもお値段は通常のプログラムよりも安い2.8ユーロでした(通常は3.4ユーロ)。クリスマスカードなどでも、ポップアップ式の場合、型抜き等で手間がかかるので、値段が高くなりがちです。あえて値段を下げている配慮は見事と言えるでしょう。

さて、肝心の公演の方ですが、出演者は、指揮がLeopold Hager、ヘンゼルとグレーテルの父ペーター役がSebastian Holecek、ヘンゼルとグレーテルの母ゲルトルート役がUlrike Steinsky、ヘンゼル役がAnnely Peebo、グレーテル役がBirgid Steinbeger、魔女役(男性でした)がAdolf Dallapozzaでした。

オペラなので、オペレッタやミュージカルのようにお芝居だけの場面はありません。全編に渡って音楽が流れているというスタイルです。そういう意味では、内容は童話ですが、正当なオペラ形式です。三幕構成ですが、一幕の「ヘンゼルとグレーテルの家」から、二幕の「森の中」へは、間奏を入れながら舞台転換が行われました。

有名な「お菓子の家」が出てくる三幕は、休憩の後に行われました。最近のフォルクスオーパーは舞台装置が全体的にチープですが、「ヘンゼルとグレーテル」に関しては、二人の住まいやお菓子の家など、かなり大きなセットを使っており、手が込んだ舞台装置でした。観客に子供が多いとはいえ、演奏も舞台装置も本格的なのに驚きました(Feriとしては、オペレッタの舞台装置も、このレベルにして欲しいところです)。ファンタジックな雰囲気を出すため、スモークを効果的に使っていました。

ヘンゼル役のAnnely Peeboとグレーテル役のBirgid Steinbegerは、オペラの歌手としてみると歌唱力は今ひとつでしたが、役の雰囲気にはぴったりでした(おじさんのFeriは、二人がかわいいので、歌唱力は不足、OK)。逆に、今回の出演者でダントツに歌がうまかったのは、ペーター役がSebastian Holecekです。

魔女役のAdolf Dallapozzaは、歌と言うよりは演技で人気を集めていました。しかし、悪役なので、良い演技をしていても、カーテンコールでブーが出てしまうのは、気の毒です。それにしても、いくら悪役とは言え、魔女をヘンゼルとグレーテルが、かまどに押し込み、焼いてしまうのだから、すごい話です(最後に焼き上がった魔女パンをみんなで分けるというのもすごい…)。また、三幕で魔女が空を飛ぶシーンは、子供さんに大受けでした(もちろん、ダミーが飛んでいるんですけれども…)。

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上演時間は休憩を挟んで2時間なので、子供にも十分楽しめるオペラに仕上がっていました。変に子供向けにアレンジする訳ではなく、オリジナルを尊重し、本格的に上演している姿勢に共感を覚えました。こちらの子供達は、お話の内容はよく知っているので、飽きることはないのでしょう。私の並びの子供さんも食い入るように舞台を見ていたのが印象的でした。ちょっと毛色の変わったオペラですが、ミュージカルもできるフォルクスオーパーらしさが出ている楽しい公演でした。

ところで、この公演で「オペラ・デビュー」をした観客のお子さんも多いことでしょうね。もちろん、大人も気軽に楽しめるオペラなので、機会があったら、是非一度どうぞ。観て損はありません。

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