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January 03, 2008

今年のオペレッタ始め…「こうもり」

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さて、新年最初のオペレッタものです。

国立歌劇場で数少ないオペレッタ公演が、年末年始に上演される「こうもり」です(少し前は、「メリーウィドウ」をやっていたこともありますが)。

当然、本番はお値段も高い31日なのですが、買えないお客様向けに年始にも上演されています。今年は、1日と2日の連続公演でした。普通は、歌手をそろえるのが大変なので、2日ではなく、4日当たりに行うのですが、今年は異例です。

懲りもせず、Feriは2日の公演を観てきましたので、簡単にその模様をお伝えしましょう(同じ演目を何回も観て飽きないね…という声がありますが、逆に何回も観ることで、どんどん深みにはまっていくのです)。

まず、年末年始をウィーンで過ごされた日本人観光客の皆様が多いのには、驚きました。出演者ですが、アイゼンシュタイン役はBo Skovhus、ロザリンデ役はSilvana Dussmann、フランク役はAlfredŚramek(昨年も出演)、オルロフスキー役がElisabethKulman(こちらも昨年出演)、アデーレ役がIleana Tonca、ファルケ役がMorten Frank Larsen、アルフレード役がHerwig Pecoraro、そして三幕の主役フロッシュはCornelius Obonya(去年はRobertMeyerでした)。また、指揮者は昨年と同じくBertrand de Billyでした。

演出は安心して観ることのできるOtto Schenk版です(129回目の公演でした)。演出が古い分、舞台装置や衣装も豪華絢爛で、お正月公演にぴったりです。オペレッタは豪華絢爛な舞台で、ばかばかしいお話を展開するところに、良さがあるんですね。国立歌劇場の場合、「こうもり」は年末年始の特別プログラムなので、よほどのことがない限り、このまま続けるのではないかと思います。演出を変えるのは、舞台装置に寿命がきた時かもしれません。
今回は、31日の「サプライズ」が何だったかわからないのが、残念です。いずれにしても年明けの公演は、通常版のはずです。

アイゼンシュタイン役のBo Skovhus は、歌が良かったのですが、女性に目がない男のイメージが弱い感じがしました。ロザリンデ役のSilvana Dussmann は、マダムの貫禄が十分あり、役にぴったりの感じがしました。聴かせどころである二幕の「チャールダーシュ」もなかなか良い出来でした。

アデーレ役のIleana Tonca は、アデーレの雰囲気とはちょっと違う感じがした。歌の方も、可もなく不可もなくといった感じです。

オルロフスキー役の ElisabethKulman は、昨年も登場しましたが、地声が男性に近い低さのようで、「男装の麗人役」にはぴったりです。昨年同様、切れ味も見事でした。長い髪を後ろひとつに束ねている姿も、板に付いてきた感じがします(最近、ElisabethKulman のオルロフスキーは気に入っています)。

フランクのAlfredŚramekは、歌だけではなく、演技も見事です(当たり前といえば、当たり前ですが)。特に三幕の演技は抜群でした。ただし、昨年はフロッシュがRobertMeyeだったので、掛け合いは昨年の方が良かったような気がします(もちろんCornelius Obonyaも、演技はなかなか見事でした)。また、一幕と三幕に登場するアルフレード役のHerwig Pecoraroが、例年よりもたくさん歌っていたような気がします。

サプライズとしては、指揮者のBertrand de Billyがフランス人なので、二幕で、フランス人に化けたアイゼンシュタインとオルロフスキーが、フランス語で会話(といっても、皆さんご存じのように地名などの単語を並べるだけ)をするシーンがありますが、その際、会話を指揮者にふっていたところでしょう。

国立歌劇場では、オペレッタの上演がほとんどないため、いわゆる「歌役者」が少ないようです。そのため、歌唱力を中心にキャスティングをしているように感じました。全体として、歌は見事だが、オペレッタらしい退廃的な雰囲気が不足しているような感じがしました(洗練されすぎている感じがします)。それでも、昨年よりは三幕でロザリンデとアイゼンシュタインがやりあう場面など、演技にも力を入れており、楽しめる舞台でした。

最近、改訂されたフォルクスオーパー版の方が、一幕でフランクがアイゼンシュタインを逮捕する場面での、人物評定など、細かいお芝居が充実しており、オペレッタとしての完成度は高まっているようです。

この点、国立歌劇場版は、「シーズン商品」という性格もあるのか、細かいところは省略し、山場を作って全体を盛り上げるという演出手法を使っているように感じました。まぁ、「恒例の」という枕詞が付く、公演ですから、これで良いのかもしれません。

というわけで、Feriの「オペレッタ始め」レポートでした。もしかしたら、大勢、日本のお客さまがいらっしゃったので、「あの親父か」と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。

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