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February 26, 2008

MADAMA BUTTERFLY

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日本人がよく知っているオペラの一つがプッチーニ作曲の「マダム・バタフライ」でしょう。何しろ、日本が舞台ですから。

しかし、「微笑みの国」ではありませんが、当事者である日本人から観ると、首をかしげたくなるような設定(舞台装置や歌手の衣装など)があるのも事実です。また、海外のオペラ劇場では、本来、日本人の役もすべて外国人(ヨーロッパ人)が担当するため、日本人からすると違和感があるようです。実際、「このオペラのせいで、日本は誤解されている」という見方をしている人もいるようです。

まぁ、「ヨーロッパの人が見た(イメージした)昔の日本」というとらえ方をすれば、芸術ですからよろしい訳ですが…
今回、ウィーン国立歌劇場で、「マダム・バタフライ」を観る機会がありましたので、ちょっとだけ紹介しましょう。

配役は、蝶々役がRoxana Briban、スズキ役がAura Twarowska、ピンカートン役がWaltraud Winsauer、シャープレス役はGeorg Tichy、ゴロー役がHerwig Pecoraro、ヤマドリ役がHans Peter Kammerer、指揮はYves Abelが務めました。

「マダム・バタフライ」をご覧になった方は、ご存じのように、このオペラ、蝶々役は、終始出ずっぱりである上に、歌のパートも多い(しかも長い)ため、非常に負担のかかる演目です(「ソプラノ殺し」という異名もあるとか)。逆に、ソプラノ歌手の評価を上げるきっかけになる作品とも言えるでしょう。それ故に、東洋人歌手がタイトルロールを務めるのは、体力的にも難しいのでしょう

一幕は、ピンカートンが蝶々さんと住む家を探しに来る場面です。湾が見える丘の上の家(障子のある日本家屋)と庭が再現されています。まぁ、上演回数300回を越える古典オペラですから、舞台装置や衣装もゴージャスです

蝶々さん役のRoxana Bribanは、声の質に特徴があり、低音から高音まで、結構出ていました。特に三幕の最後まで、声量が落ちなかったのは見事でしょう。また、演技力もあり、もしかしたら今後の有望株かもしれません(私が知らないだけという説もあり)。ただ、15歳の少女に見えるか…このあたりはコメントしない方がよさそうですね

逆にピンカートン役のWaltraud Winsauerは、体格はよいものの、歌の方は今ひとつでした(声の質で損をしているのかもしれません)。意外と良かったのは、シャープレス役のGeorg Tichyでした。

さて、ヨーロッパ人が着物を着て、オペラを歌うわけだから、日本人には、どうしても違和感があります。しかし、予想以上に着物はしっかり着ていました。ただ、ゴローのように着流し風の衣装では、体格がいいため相撲取りに見えてしまうのはご愛敬でしょうか(髷を結っているわけではないので、引退後の親方みたい)。
二幕と三幕は、蝶々さんがアメリカに帰ったピンカートンを待つ「豪邸」の中になります。「豪邸」のわりには、障子が傷んでいるような気が…

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また、二幕と三幕は「豪邸」の中が舞台になりますが、ヨーロッパの方は直に座布団など座れないようで、苦労が忍ばれました(唯一、ヤマドリ役のHans Peter Kammererだけが、ちゃんと座っていました)。ただし、本当に座れないのか、何らかの演出上の指導なのかは、知る由もありません。そういえば、座布団が巨大で、まるで敷き布団のようでしたが

演出は、オーソドックスなものでした。ただし、第三幕は、普通、子供に日米の国旗を持たせた上で、目隠しをして、蝶々さんが自害するのですが、今回は、子供を表に追いやって、屏風の裏で、自害するというパターンでした。蝶々さんが子供を抱きしめて歌うアリア「さよなら坊や」まで、声量が落ちなかったのは、見事です(ちょっと、日本人ではまねができないかもしれません)。

トップの写真は国立歌劇場のプログラムですが、この絵が、当時、ヨーロッパの皆様が、日本をどのようにイメージしていたのかを、良く表していると思います。

ところで、ふと、もし「マダム・バタフライ」をドイツ風の近代演出にしたら、どんな感じになるだろうか…と思ってしまいました。仮に蝶々さんの設定を変えないとすると、15歳でピンカートンに嫁いでくることになります。自害するのは、18歳…蝶々さんが、三つ編みのセーラー服か何かで出てきたら…ちょっとヤバイオペラになっちゃいそうですね。

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Comments

自己レスですが、はっぱさんの日記にもあるように、マダム・バタフライでは「Marina Mescheriakova が急病のため、Roxana Briban がタイトル・ロールを歌う」ことになりました。

実は、Marina Mescheriakovaは、フォルクスオーパーで同じ役を務めて、今回、抜擢されて国立歌劇場の堂演目に出演することになったようです。

ちょっと、残念でしたね。

Posted by: Feri | March 02, 2008 14:40

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