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February 23, 2008

合唱団が主役のオペラ

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今日は、オペラのお話です。
通常、オペラの主役はソプラノかテノールと相場が決まっています。しかし、オペラの魅力の一つに、各劇場が誇る合唱団があります。実際、「ノルマ」でも一幕は合唱団が大活躍しますし、日本人にもおなじみの「アイーダ」では、「凱旋行進曲」の場面での合唱は印象深いものがあります。

さて、カーテンコールの際、合唱団にブラヴァが出る数少ないオペラが、あの有名な「ナブッコ」でしょう。

三幕二場で歌われる「金色の翼に乗ってゆけ、わが思いよ」は、イタリア第二の国歌と言われるくらい、イタリアでは親しまれているそうです。しかし、日本でも、この歌は有名ですよね。さて、先日、ウィーン国立歌劇場で、その「ナブッコ」を久しぶりに見る機会がありました。

以前、NHKのBS放送で放映されたことがあるので、ご存じの方も多いと思いますが、現在、ウィーン国立歌劇場の「ナブッコ」は、オリジナルが紀元前580年頃のお話なのですが、ドイツ張りの超近代演出です。そのため、男性出演者がスーツを着ており、雰囲気が今ひとつです。何しろ、ナブッコは、紺色のダブルのスーツにネクタイ着用ですから…

さて、私が見た時の配役ですが、ナブッコ役はAlbert Gazale、アビガイッレ役はMaria Guleghina、大司祭ザッカーリカ役はGiacomo Prestia、ナブッコの娘フェネーナ役はElsabeth Kulman(この人は、ナブッコの娘の雰囲気が良く出ていましたね)という面々でした。指揮は、はPier Giorgio Morandiでした。

「ナブッコ」は合唱団の人数が多いため、ソロパートの声量が要求されるのですが、今回担当したソロは、皆粒ぞろいで、声量が弱々しいという人はいませんでした。たいした人選です。

その中でも、印象に残ったのは、アビガイッレ役のMaria Guleghina。体格の良いソプラノで、声量は抜群でした。コーラスの多い「ナブッコ」でも埋もれることなく、見事に渡り合っていました。ただし、声の質があまり良くないようで、力業で押しているような感じがしました(まぁ、「声の質」だけは天性のものだからしかたがありませんね)。個人的には、好みのタイプではありません。ごめんなさい

三幕、最初の聴きどころは、ナブッコとアビガイッレの二重唱「わしの王位を奪うものはだれか」ですが、これは迫力もあり、お客さまからも盛大な拍手が送られていました。二人とも声量があるので、バランスがとれているように感じましたね。

さて、お待ちかね、三幕二場は、「ナブッコ」のハイライト、合唱による「金色の翼に乗ってゆけ、わが思いよ」です。改めて、国立歌劇場合唱団の実力を垣間見るような見事なコーラスでした。ここはお客さまお待ちかねの場面なので、惜しみない拍手が送られていました(口の悪い人は、「ナブッコ」は、ここだけが楽しみ…と言っています)。

なお、「金色の翼に乗ってゆけ、わが思いよ」の演出ですが、最初は強制労働に従事するユダヤ人(合唱団)が舞台上に全員寝ています。曲の始まりとともに、寝ながら合唱を始め、徐々に起き上がってきます。そして、強制労働で亡くなった仲間(ユダヤ人)の遺影を胸元に抱きながら、歌うという演出になっています。

卒業旅行シーズンのためか、若い日本人のお客さまも結構いらっしゃっていましたね。あの合唱は、必ずや良い思い出になることでしょう。

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