フォルクスオーパー「微笑みの国」続報
まず、配役ですが、リーザ役(Ursula Pfitzner)と将軍・宮殿の宦官長役(Gerald Pichowetz)以外は、主要なメンバーががらりと入れ替わっていました。なお、リーザ役も、もう一人出演予定の歌手がいるようです。
上記の二人以外の出演者は、リヒテンフェルス伯爵役はPeter Pikl、グスタフ役はDaniel Schmutzhard、スー・チョン王子役はMehrzad Montazeri(この歌手は、フォルクスオーパーのオペラ「カルメン」で、ドン・ホセを演じています)、ミー役はKatja Reichertでした(今シーズンは、この役だけのようです)。なお、指揮は、プルミエと同じSascha Goetzelが務めました(なお、フォルクスオーパーでは、指揮も同じ人が振るとは限りません)。
注目されたスー・チョン王子役のMehrzad Montazeriですが、普通の歌ではKi-Chum Parkよりも出来は良かったように感じました。Ki-Chum Parkよりも声量があり、言葉もしっかりと聞き取れました。当然、本オペレッタの肝である“君はわが心のすべて”に期待がかかったのですが、こちらは今ひとつでした。やはり一生懸命に歌っているのですが、オーケストラのドラマチックの演奏に負けてしまっています。ぐいぐい引き込まれるような歌い方には遠いような感じがしました。なお、東洋人の雰囲気を出すようなメーキャップや芝居をしているので、あまり違和感はありませんでした。
また、プルミエから変更になった箇所は、二幕の最後、リーザが兵士の剣を奪う場面があります。ゲネプロとプルミエでは、奪った剣でリーサが兵士の首をはね、その勢いでスー・チョンに自分の解放を迫るのですが、「兵士の首をはねる場面」がなくなっていました(首だけダミーの衣装をせっかく作ったのにねぇ)。きっと、何か問題があったのでしょうか。それ以外の変更はありせんでしたが、プルミエの時と、若干タイミングの違う場面がありました。
この他、失敗談では、三幕の冒頭、5人組がカートで軟禁されているリーサの前を通るのですが、カートが軟禁されている格子に引っかかって、動かなくなってしまいました。そこで、急きょ、乗っている女性が降りて、カートの方向修正をしていました。が、別の場所でも、また引っかかって、危なくリーサの歌が終わるまでに、舞台袖に戻れないところでした。そのため、最後は、バタバタで舞台袖に引き上げていきました。きっと、お目玉でしょうね。
ミーに関しては、服装やメイクが同じなので、ちょっと見ると、同じ人が出ているように錯覚してしまいます。しかし、全体的な仕上がりとしては、プルミエに登場したJohanna Artouasの方が、感情表現が上手だったように思います。
全体的には、ファーストクルーもセカンドクルーも、ほぼ同じ出来ですから、これからご覧になる方は、どちらを観ても楽しめると思います。二回目の公演では、ご年配のお客さまが多かったので、反応が気になりました(何しろフォルクスオーパーの全盛期を知っている「うるさがた」が多いので)。ご年配の方の反応も、比較的良く、途中でお帰りになる方もいらっしゃらなかったようです。
また、出演者(特にバレエ団)などのメイクを見ていると、パリコレに出てくる東洋人のような感じがしました。なるほど、こちらの方がイメージするエキゾチックな東洋人というのは、こういうメイクなんですね。あと、京劇の影響も若干受けているようです。
ところで、プルミエでリヒテンフェルス伯爵役を務めたHeinrich Schweigerは、ブルク劇場の俳優さんで、舞台歴50年のベテランだそうです(どうりで、お芝居がうまいはずです)。きっと、同僚のマイヤーさんが声をかけたのでしょう。「地獄のオルフェウス」もそうでしたが、最近、この手のパターンが多いですね。
なお、プルミエの新聞評を一部ご紹介しましょう。
クリーエは5星満点の3でした。いつも辛口のプレッセは、指揮・楽団がひさびさのホームランだったので、合格点でした。演出は映画風だが、いまの時代では観客の好みに合うので、合格だそうです。さらに、“脇役のグスタフとミーが巧くて、主役が凹んでいるのは残念。リヒャルト・タウバー(伝説のオペレッタ歌手ですね)は観客のアンコールにこたえて“君はわが心のすべて”を4~5回も歌ったが、今回は歌が終わって観客もやれやれ、なんとか終わってよかった…という感じだった(これはFeriも感じました)”とのコメント。しかし、伝説の名歌手タウバーを引き合いに出されると、今の歌手は太刀打ちできません![]()





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