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April 07, 2008

ミュージカル「アナテフカ」

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フォルクスオーパーでは、オペレッタやオペラだけではなく、ミュージカルも上演されています

日本でも、森重久弥や西田敏行の出演で上演される古典的なミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」(現地では「アナテフカ」というタイトルで、副題がFiddler on the Roofとなっています)も、その一つです。2007/2008シーズンまでで、45回ほど上演されているようです(今シーズンの公演は、予定では終了しました)。

そもそも、何故、「屋根の上のヴァイオリン弾き」が「アナテフカ」なのでしょうか。実は、物語の舞台となっているウクライナ地方の小さなが「アナテフカ」というのだそうです(帝政ロシア時代のお話)。そういえば、日本でも某劇団が「アナテフカ物語」とかいう題名で上演しているようですが…(何でも仕様音楽の著作権問題でモメているようです)。

お話の筋は、ご存じの方も多いと思うので、省略しますが、アナテフカ村で牛乳屋を営むユダヤ人のテヴィエ一家のお話です。しかし、背景には、「ユダヤ人弾圧」という重いテーマがあります。
日本人にとっては、「ユダヤ人弾圧」といってもピンと来ないのでしょうが、ご存じのように、欧米ではインパクトのある出来事です

話の中で、テビィエは、子供達の幸せを願っているものの、成長した娘達は必ずしもテビィエが期待する男性とは結ばれません。相次いで結婚し、親元を離れてしまうので、娘さんを持つお父さんにとっては、胸にグッと来るお話かもしれません 

私が観た時は、指揮がMichael Tomaschek、テヴィエ役がGerhard Ernst、テヴィエの妻役がSigrid Martikke、長女ツァイテル役がUlrike Pichler-Steffen、次女ホーデル役がJohanna Arrouas、三女役がDagmar Bernhard、四女役がValerie Luksch、五女役がAlina Flatscher、長女ツァイテルと結婚する仕立屋モーテル役がRobert Maszlなどでした。

基本的には二幕もののミュージカルなのですが、暗転での場面転換が非常に多いのが特徴です(他の劇場の公演を観たことがないので、比較できないのですが)。各場は比較的短く、テンポの良い展開となっています。

さて、舞台装置は、お話の内容を反映してか、写真用に全体的に暗く、かつモノトーンで仕上げられています。印象的なのは、空の色を、その時々で調整していることでしょうか 

なお、このミュージカルは合唱が多いので、なかなか迫力のあるシーンが観られます。ただし、合唱団も含めて全員、マイク(小型のワイヤレスマイク)を使っていますので、席によっては、声のする方向と、歌手の位置が一致しないことがあります。これは、マイクを使ったミュージカルの宿命かもしれません 同じマイクを使う上演でも、メルビッシュのように屋外ですと、あまり気にならないものです。

劇中、ユダヤ人村民に対する迫害は、次第にエスカレートし、終盤では国外追放が始まります。実際、村民がパーティで盛り上がっている時に、官憲が来て中止を指示する場面もあります。最後は、テヴィエたちは、着の身着のままで、住み慣れたアナテフカ村から追放されてしまいます。

ちなみに、日本でも有名な「屋根のヴァイオリン弾き」は、テヴィエの台詞の中で、危なっかしくもその日を暮らすユダヤ人の例えとして、象徴的に登場します。劇中でも、テヴィエの後ろでヴァイオリンを弾くシーンが何度もあります(さすが、フォルクスオーパー、本当に弾いています)。

原作ではイスラエルへ帰還するようですが、ミュージカルではアメリカへ渡るところで話がおわります(最後の方で、村民同士で、アメリカのどこへ行くか話をする場面があります)

さて、フォルクスオーパーのミュージカルと言えば、そう、ドイツ語上演です。私は、ドイツ語が堪能ではありませんので、訳詞に無理上がるのかどうかは判断できませんが、現地の皆さまは、言葉がよくわかるので、評判はよいようです。

それにしても、さすがアメリカのミュージカル。ロシア(もちろん帝政ロシアの話ですが)はユダヤ人を虐待する怖い国。アメリカは自由を謳歌できる国…というのが、下敷きになっているように感じるのは、Feriだけでしょうかね。

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