« マイヤーの独壇場 マイフェアレディ | Main | 番外編 ドレスデンの「ランメルモールのルチア」 »

May 06, 2008

マーラー交響曲第3番 こぼれ話

Img_3770_01

5月に入り、楽友協会大ホールなどを中心に様々なコンサートが開催されています notes 。音楽ファンにとっては、見逃せないプログラムも目白押し…といったところです。

さて、5月3日と4日の両日、グスタフ・マーラー交響曲第3番ニ短調が、楽友協会大ホールで、ウィーンフィルにより演奏されました。

クラシック・ファンには有名なマーラーの交響曲第3番、全6楽章からなっており、第4楽章にアルト独唱(メゾソプラノが出ることもあります)、第5楽章にアルト独唱と児童合唱、女声合唱を導入した、ちょっと変わった交響曲です。また、演奏時間は約100分で、マーラーの交響曲としてはもちろんのこと、通常の演奏会で採り採り上げられる交響曲としても、「最長の曲」として、ギネスブックに掲載されているそうです(何しろ交響曲のくせして、CDは二枚組というオペラ並みの大作です) coldsweats02

今回、指揮はマリス・ヤンソンス、独唱にエリーナ・ガランチャが出るというので、 ticket チケットをウィーン在住の「ある方」 maple に探してもらい、5月4日の公演を聴くことができました。

が、指揮者が突然の変更で、Semyon Bychkovになってしまいました。ヤンソンスを見たかった皆さまはがっかりだったかもしれません(Semyon Bychkovもすばらしい指揮ぶりでしたが)。
とにかく長い交響曲なので、聴く方も、それなりに大変です coldsweats02

ところで、第4楽章の独唱では、ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」からとられた歌詞を歌います。ここが、ガランチャの見せ場…ということになります。また、第5楽章では、児童合唱が鐘の音を模した「ビム・バム」を繰り返し、独唱と女声合唱が「少年の魔法の角笛」の「3人の天使は歌う」に基づく歌詞を歌います。当然、ここではウィーン少年合唱団の登場です(30名近く出ていました)。ウィーンならではの贅沢な競演ですね。

Feriは今まで、マーラーの交響曲は、好んで聴くということはありませんでしたが、じっくりと聴いてみると、壮大な世界観を持った曲で、生で聴くと、確実にはまりますね(楽友協会大ホール+ウィーンフィルですからねぇ happy01 )。

なお、Feriは4日に聴いたのですが、ご一緒した方のお話では、3日よりも仕上がりが良かったとのことでした。確かに、金管も見事でしたね。

Img_3781_02

さて、これだけだと普通の音楽鑑賞日記…になってしまうので、ここで「こぼれ話」を一つ happy01

今回、初めて聴く交響曲だったので、事前に cd を購入して、聴き込んでから演奏会に行くことにしました。で、第1楽章のスタートを聴いて、びっくり仰天。

なぜ、びっくり仰天したか…というと、8本のホルンの斉奏による特徴的なこの「出だし」、どこかで聴いたことがある旋律です。

実は、 night 「銀河英雄伝説」というSFアニメーション(OVA)のオープニングで、使用されていたのです。「銀河英雄伝説」は、田中芳樹氏によるSF小説を元にしたアニメーションです。OVA本編だけでも110話からなる壮大な物語で、よく「スペースオペラ」と形容されます(別にアニメの中で、オペラが上演される訳ではありません。何故かスケールの大きいドラマを、日本では「オペラ」と言うケースがあるようです。意味不明ですが…)。

ちなみに物語の舞台は、未来の宇宙で、人類は恒星間航行の実現により太陽系外に進出し、銀河系の3分の1にまでその居住圏を広げている…という時代です。内容を簡単にご紹介すると、銀河帝国と自由惑星同盟という二つの勢力が、宇宙で覇権を争うというお話です。このアニメ、主なBGMを、あえてオリジナルスコアではなく、クラシックの名曲を数多く使用している点に特徴がありました。

これは、アニメ版製作に携わった徳間グループの音楽部門会社・徳間ジャパンが、ドイツ・シャルプラッテンレコードの音源を大量に持っていた事から実現したものだと言われています。しかも、一般的なクラシックの名曲ばかりではなく、クラシック・ファンの間でも知名度の低い曲も多数使用されるなど、ありとあらゆる楽曲が使用されています。「銀河英雄伝説」OVA版のオープニングでは、マーラーの交響曲第3番第1楽章の冒頭の旋律(8本のホルンの斉奏)だけをピックアップして使い、その後、オリジナルの歌に移るという凝ったつくりになっていました。

マーラーも、まさか自分の楽曲が、日本のSFアニメーションに使われていると知ったら、どんな感想を持つでしょうかね。聴いたみたいものです delicious

|

« マイヤーの独壇場 マイフェアレディ | Main | 番外編 ドレスデンの「ランメルモールのルチア」 »

Comments

ブログを辿って見ますと5月2日シュターツオーパー「死の都」翌3日フォルクスオーパー「マイフェアーレディ」そして5日楽友協会でマーラーの大作「交響曲第3番」と変化に富んだ毎日。
Feriさんにはほとほと感心します。好奇心旺盛というか、貪欲というか・・・。ブログのための時間も結構かかっていると思いますし睡眠時間まで削って頑張って(楽しんで?)いらっしゃるのではありませんか?。よもや4日の夕方から「ジークフリート」なんてことは無いでしょうね。考えただけでも気が遠くなります。
オペレッタがきっかけでウイーンリピーターとなる内にオールラウンドの音楽マニアとなった人は多いようですね(ウイーンは音楽の総合百貨店みたいなものですから)。それこそオーストリア/ウイーン市の思う壺でしょう。(それにしてもユーロ高は何とかならないものでしょうか)

差し出がましいですが指揮者(誤)ヤリス・マンソンス(正)マリス・ヤンソンス。キータッチミスかと思いますが2箇所マンソンスとなっておりましたので一寸気になりました。失礼。

Posted by: Unicorn(ユニコーン) | May 06, 2008 at 12:29 PM

ユニコーさん、コメントありがとうございます。
私の行動パターンを読まれていますね。
実は、「ジークフリート」は1日に観ております。ブログには、後日、掲載予定です。

最近は、ウィーン在住の方と知り合う機会が増えて、時々、Feriの未開拓ゾーンに対するお誘いがあります。これで、ジャンルが広がりつつあるのですが、あまり間口を拡げると、破産しそうです。

なお、ユーロ高の影響もあって、日本人観光客が減っているのが、残念なところです。

Posted by: Feri | May 06, 2008 at 04:32 PM

初めまして、こんなところに突然コメントしてすみません。
6月にマーラーの3番を歌うことになって、以前にも歌ったことはあるのですが、合唱団の人に教えるのに対訳の良いのが無いかと検索してて、偶然こちらに迷い込みました。
銀英伝、私も観ています。ってか、DVDも全巻持ってるんですが、そこで書かれているスペースオペラって造語、もうご存知かもしれませんがアメリカで昼メロドラマを「ソープオペラ」と呼ぶことから来ています。
なぜソープかと言うと、スポンサーが洗剤会社のことが多いから。そして「オペラ」というのは、たぶん日本で言う「ドラマチック」と言うことなんだと思います。ミュージカル「レ・ミゼラブル」の歌詞の中に「戦というのに恋が生まれたか これはまるでオペラ」というのがありますから。
そこからSF界で宇宙を舞台にしたドラマを「スペースオペラ」と呼びますが、たぶん日本での造語ではなくアメリカ産のコトバですね。アメリカでは安っぽい西部劇のことも「ホースオペラ」と呼びますから。
すみません、通りすがりのたわごとと聞き流してください。ではでは

Posted by: サドラー2号 | May 05, 2011 at 03:03 AM

サドラー2号さま

懐かしい記事にコメントいただき、感謝。これを機会に時々、お立ち寄りくださいませ。

>アメリカで昼メロドラマを「ソープオペラ」

なるほどねぇ。アメリカのドラマには疎いものですから、言われてみると、その通りですね。

また、興味深い情報、ありがとうございました。

しかし、肝心のマーラーの訳詩でお手伝いできず、申し訳ありません。

Posted by: Feri | May 05, 2011 at 12:49 PM

The comments to this entry are closed.

« マイヤーの独壇場 マイフェアレディ | Main | 番外編 ドレスデンの「ランメルモールのルチア」 »