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May 11, 2008

番外編 ドレスデン・ゼンターオーパーのバレエ

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今回、ドレスデンにはグルベローヴァ主演の「ランメルモールのルチア」を聴きに行ったのですが、諸般の事情からドレスデンに2泊することになりました。当然、Feriですから、翌日はドレスデン・オペレッタ劇場でオペレッタ三昧…と企んでいたのですが、今回、ドレスデン・オペレッタ劇場の面々は、ドイツ内のHeilbronnという都市に出張公演に行っており、休園中でした

せっかく、ドレスデンにいるので、何かクラシック音楽でも…とプログラムを見ていると、ゼンターオーパーでバレエ「Dornröschen」を上演することがわかりました。以前でしたら、わざわざバレエを観に行くことはなかったのですが、最近、ウィーンでよくお会いする さんから、会うたびに「バレエの魅力」をマシンガントークで 熱烈に訴えられるものですから、Feriも感化されてしまいました(このままだと、現代音楽のジャンルにも引き込まれそうです )。

という訳で、気づいたらゼンターオーパーの チケットオフィスに並んでいました。幸い、カテゴリーBの当日券(81ユーロ)が手に入りました。しかし、コンサート形式とは言え、グルベローヴァ主演の「ランメルモールのルチア」よりも高いとは…トホホ

ところで、皆さまは、ドイツ語で「Dornröschen」というバレエはご存じですか? はてな?という方も多いと思うのですが、チャイコフスキーの名作バレエ「眠れる森の美女」のことです(ちなみに露語の原題はСпящая красавицаと書くそうです。まるでわかりせん)。最も、日本では「眠れる森の美女」と言えば、ディズニーの名作アニメーションの方が印象深い方が多いかもしれませんね。

実際、バレエ版の方も名作ですから、多くのバレエ団が来日公演でも採り上げる作品です。しかし、Feriが実物を見るのは今回が初めて。と言うわけで、比較はできません。ご容赦ください。

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さて、当日の主な出演者ですが、オーロラ姫役はKatherina Markowskaya、デジレ王子役はMaximillian Genow、邪悪な妖精カラボス役はAna Presta、ライラックの妖精役はBritt Juleen、フロリナ王女役はLeslie Heylmann、青い鳥役はGeorge HillとPavel Moskvitoなどでした(この写真はカーンコールのときのもの 舞台装置は三幕)。

バレエ「眠れる森の美女」には、いくつかのバージョンがあるようですが、今回、ゼンターオーパーで観たものは、プロローグと3幕からなる比較的オリジナルに近い構成のもののようでした(とは言っても普及版の2時間バージョン)。バレエ団の負担を考慮してか、1幕と2幕の後に、休憩がそれぞれ入っていました。

まず、舞台装置や衣装がゴージャスで、びっくり仰天。ただ、これは演目による違いのようなので、オペラだとわかりません。さすがに「眠れる森の美女」です。また、舞台の一番前に半透明のスクリーンを下ろし、そこに「おとぎ話の本」(表紙と該当する部分の本文)をスライドを映すという演出がとられていました。

なお、プロローグに関しては、スクリーンを上げることなく、上演されていた。そのため、せっかく、フロレスタン14世の娘、オーロラ姫の誕生を受けて、盛大な洗礼の式典が行われている場面なのですが、良く見えません。周りのお客さまがお連れさまと「良く見えないねぇ」と話していました(ごもっとも)。また、邪悪な妖精カラボスが、自分が洗礼に招待されなかったことに怒り狂い、オーロラ姫に呪いをかけますが、このガラボス、邪悪な要請にぴったりのメイクでした。

引き続き始まる1幕からスクリーンが上がります。成長したオーロラ姫の誕生日シーンで、ここでも多くのメンバーが踊ります。オペラグラスで確認すると、数名日本人のバレリーナがいるようでした。後で、プログラムで確認したところ、プリマではありませんが、数名ご活躍のようです

「眠れる森の美女」は、出演するメンバーが多い上に、舞台が明るく華やかなので、観ていても楽しいバレエです。とくに1幕後半の宮殿中庭で繰り広げられる誕生会の場面は、実際に噴水が出ているなど、興味深い舞台装置でした。また、衛兵のようにほとんど踊らないメンバーも出演します(バレエ団なのかどうかは不明ですが)。

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さて、2幕は、それから100年の「森の中」です。普通、この手のセットでは、森の木を絵やスクリーンで表現するのですが、ゼンターオーパーでは立体感があったので、どうもセットで再現しているようでした。2幕は「眠れる森の美女」の山場、デジレ王子が眠っているオーロラ姫を発見し、王子のキスによってオーロラ姫が目を覚ます場面があります。ここの演出も、なかなか凝っていてオーロラ姫は、ちゃんと葉っぱに覆われていました。

さて、3幕は、宮殿大広間でのデジレ王子とオーロラ姫の婚礼シーンです。ここの舞台装置も、最近のドイツオペラでは、まずお目に掛かることのない写実的なものでした。さすがに入場料が高いだけのことはあります。
さまざまな妖精たちが招かれ、それぞれ見事な踊りを披露します。妖精なので、いずれも派手なコスチュームを身につけおり、本当に華やかです。青い鳥とフロリナ王女、オーロラ姫とデジレ王子のバレエが次々と披露されます。

一見すると、子供向きのバレエ作品のようですが、実際の劇場では9割が大人の皆さまでした。

さて、バレエの出来ですが、踊り終わった後のポーズがぴたりと決まららず、少し動く場面が多いような印象でした。これは、体力の問題があるのかもしれません(踊り終わったあと、息が上がっているのがわかりました)。また、回転の際に軸がブレるなど、基本的な技術が十分確立されていないようにも感じられた。
人数が多く、綺麗ないため、舞台そのものは盛り上がりますが、プリマドンナが観客を引きつけるだけの魅力(色気というか)を発していないように感じてしまいました 。何となく、個ではなく、数と調和で勝負…という感じを受けました(あくまでもFeriの個人的感想です

一方、オーケストラの方ですが、「ランメルモールのルチア」では、コンサート形式でオーケストラが舞台上に上っていたこともあって、特徴を十分つかめませんでした(平戸間の比較的前の方を確保できたため、オーケストラの音が頭上を通り越していった感じです)

バレエ「眠れる森の美女」では、同じ平戸間でしたが、座席が後方だったこと、オーケストラが本来のピットに入っていたことで、通常の状況を確認することができました。もちろん一回の公演で全てを判断することは失礼ですが、当日の感想としては、ドイツ・ザクセン州のオーケストラらしく、金管、弦ともに切れの良い演奏だったように思います(メリハリがある演奏と言っても良いかもしれません)。ワーグナーなどを弾かせたら、おもしろいかもしれませんね。それもそのはず、1842年にはワーグナーが、同歌劇場に指揮者として招へいされ、「さまよえるオランダ人」や「タンホイザー」の初演を上演しているそうですから、脈々と伝統が息づいているのでしょう

ただ、惜しかったのは、当日、金管がそろっていない場面が数箇所あったことでしょうか。まぁ、これはウィーンでも、時々ありますから、これだけでオーケストラの実力を判断するのは失礼千万ではありますが…

さて、お客さまの反応も興味深いものがありました。実際、カーテンコールでは、床鳴らしを始め、拍手喝采の嵐… どうも、ドレスデンのお客さまの場合、「普通の出来」でも、熱狂的な声援を送る傾向があるようです。ある意味、一生懸命やったから、応援している…という姿勢なのかもしれません。Feriの前に座っていたおじいちゃんも、カーテンコールの時ばかりは、ブラヴァを連発していました

ドイツのバレエは始めてみましたが、ウィーンとはまた違った演出や趣向もあり、楽しい一時を過ごすことができました。なお、劇場の構造もウィーンとはちょっと異なっていますが、こちらも後日、お伝えする予定です。

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