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May 07, 2008

番外編 ドレスデンの「ランメルモールのルチア」

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ドレスデン・ゼンパーオーパーで上演された「ランメルモールのルチア」(コンサート形式)のグルベローヴァが出演しました 。と言うわけで、グルベローヴァの追っかけに「はまり」つつあるFeriも、行ってきました。なお、公演は4月27日、5月1日、5月5日の3回行われました

主な出演者ですが、エンリーコ役がMassimo Cavalletti、エドガルド役が Ismael Jordi、アルトゥーロ役がJoel Prieto、ライモンド役は Michael Eder、アリーサ役Andrea Ihle、ノルマンノ役がGerald Hupachでした。指揮は、Stefan Anton Reckが務めました。

フランス語版(シナリオが一部違います)もあるようですが、今回は「定番」のイタリア語版でした。ドレスデンで、最近、「ランメルモールのルチア」が上演されたことはなかったことから、コンサート形式での上演になったのでしょう

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コンサート形式ですから、演出の比較ができなかったのは残念ですが、歌には集中することができました(負け惜しみ)。
やはりグルベローヴァさんは、存在感抜群で、「狂乱の場」では、観客総立ち(本当です。コンサート形式ならではの現象でしょうか)で、大きな拍手が送られました。定番の「床鳴らし」もありましたね。コンサート形式ながら、グルベローヴァさんは、完全な暗譜で、演技も交えて歌っていました。素人のFeriが言うのも何ですが、完全に役を自分のものにしていることがわかります。

ただし、「ランメルモールのルチア」の山場である「狂乱の場」は、広い舞台での演技で、初めてルチアの心模様を再現できるだけに、今回のコンサート形式はちょっと残念でした。前回、ウィーン国立歌劇場で観た時は、全身で「気が触れた女性」になりきっていたのですが、ドレスデンでは歌手の立てる場所が狭いため、どうしても全身を使った演技は難しかったようです(何しろ、歩き回るだけの場所がありません)。舞台装置付きで、上演していれば、もっと見事な「狂乱の場」を観ることができたでしょう。ドレスデンの皆さまにも、舞台付きで見せたかったですね

ところで、「狂乱の場」で掛け合いを行うフルート奏者は、今回、女性演奏家でした。こちらも見事な演奏でしたね。

さて、その他の歌手ですが、エドガルド役が Ismael Jordiの熱演が光りました(こちらも、演技を交えて、暗譜で歌っていました)。かなり、役作りに励んだような感じを受けました。ただ、メイクをしていないので、役のイメージが重ならず、ちょっと損をしたような感じです(一見、さえないおっさんに見えてしまうので、ルチアが惚れないだろう…と思えてしまいます )。また、エドガルドの仇役となるエンリーコ役がMassimo Cavallettiも良い味を出していました。

演奏に関しても、さすがに旧東独を代表する歌劇場だけに、全般的にレベルの高いものでした。劇場の違いもありますから、一概にウィーン国立歌劇場と比べるのは難しいかもしれません。

なお、第4場ルチアとアルトゥーロの結婚式、そこへエドガルドが乱入する場面の「六重唱」で、前半が終わりました。演奏会形式ですから、若干、場面の省略はあるのでしょうが、休憩後は、本来、エドガルドがアルトゥーロに決闘を申し出る第5場から始まるのですが、第5場が省略され、いきなり第6場、ライモンドの報告につづいて、「狂乱の場」になっていました。

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お開きの後は、例によってロビーで「整然」とグルベローヴァさんのサイン会が行われました。ちゃんと列をつくり、終わった人から劇場を後にすると言う「ドイツ式」でした。それにしても、ドイツのお客さまは、休憩時間に飲み物を買う場合でも、ちゃんと列を作って整然としており、ウィーンとはちょっと違いますね。また、Feriと同じようにグルベローヴァさんの「追っかけ日本人」も結構いらっしゃいました。そう言えば、以前、ウィーンで見たことのあるような方も…
なお、グルベローヴァさんは、2月にバルセロナのリセウ歌劇場で、ドニゼッティ作曲「ルクレツィア・ボルジア」(演奏会形式)を、初めて全幕主演を歌っているそうです。「ルクレツィア・ボルジア」については、2008/2009シーズンにバイエルン国立歌劇場で、新演出での上演が予定されているとのことです

なお、ゼンパーオーパーについては、いずれ、番外編で劇場の模様をお伝えする予定です。

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Comments

saraiです。早速、紹介していただいたこちらの記事に移動してきました。
詳細なレポートで何もつけくわえるところはありませが、私の席は2列目中央で、しかもコンサート形式ということで、こんなに間近に歌を聴いたのは初めてで、耳が痛いくらい、すごい熱唱でした。
特にグルベローヴァは昨年のウィーン(5月3日、これもFeriさんとご一緒だったようですね。)とは違い、1幕目から、素晴らしい歌いっぷり(Feriさんのウィーンでのレポートでは触れていませんでしたが、ウィーンは前半はあまりグルベローヴァにしては声が出ていず、狂乱の場あたりから調子が出てきて、最後は素晴らしかったと思いました)。逆にこんなに最初から頑張って、狂乱の場は大丈夫かと心配になりましたが、この日の彼女は最後まで絶好調。感動のあまり、途中、涙ぐんでしまったsaraiでした。
席が良かったこともあるでしょうが、今まで聞いたグルベローヴァの中で最高でした。今回に限り、コンサート形式でよかったと思いました。
それにしても、開演が遅れ、ステージでスーツ姿の男性が話し始めたときは、正直、公演キャンセルかと一瞬観念したことを思えば、つくづく、はるばる日本から来て、こんなにも安い料金で素晴らしいルチアが聴けて最高に幸せでした。
因みに私はグルベローヴァの追っかけではありませんし、サイン会にも残りませんでした。

Posted by: sarai | June 02, 2008 13:16

saraiさま、さっそく、ご覧いただき、ありがとうございます。

ドレスデンでは、ごく近くにいらっしゃったようですね。おっしゃるとおり、あの時は、コンサート形式でしたから、最初からエンジン全開という感じでしたね。ちなみに、コンサート形式だったため、お値段がリーズナブルだったようで、翌日観たバレエ「眠れる森の美女」は結構なお値段でした。

ところで、私は声楽の専門家ではない普通のファンですが、舞台装置のついた普通のオペラの場合、演技が入ることもあって、普通は最初は声を抑え気味にして、徐々に調子を上げていくケースもあるようです(これは、演目によっても違うようですが)。

別にグルベローヴァの肩を持つわけではないのですが、ウィーンの「ルチア」では、意図的に後半の「狂乱の場」にピークを持ってくるようにしていたのではないか…と感じています。

時々、お立ち寄りいただければ幸いです。

Posted by: Feri | June 02, 2008 19:07

Feri様  ずいぶんな亀レスではありますが、一応報告を。私が観た5月1日の公演ではエドガルド役はStefano Seccoでした。2幕クライマックスのエドガルドのアリアが圧巻の熱唱で、歌い終えたStefano Seccoはひざまづいたまましばらく動けなくなってしまい、しばしの沈黙の後ものすごい拍手とブラヴォの嵐が。。。しかしロビーでサイン会があったとはしらなかったなぁ。

Posted by: ジョバンニ | November 10, 2008 18:53

ジョバンニさま、コメント、ありがとうございます。

エドガルド役のStefano Seccoが良かったようですね。ところで、サイン会ですが、グルベローヴァだけの場合が多いようです。また、予定されていても、諸般の事情で、突然中止になる場合もあります。

また、お気軽にお立ち寄りください。

Posted by: feri | November 10, 2008 20:03

ジョバンニさん、初めまして、saraiです。
横から失礼します。
feriさんもこんにちは。
私は5月5日の最終日に見ましたが、やはりエドガルド役はセッコでした。確かに素晴らしい出来で、saraiはセッコを聴いたのは初めてでしたが、びっくりして、あとで経歴を調べたくらいでした。加えて、エンリーコ役のカヴァレッティもよく声が出ており、もちろん、素晴らしかったグルベローヴァもあわせて、この3人はかぶりつきで聴いていると、耳はびんびんするし、すごい迫力でした。コンサート形式ならではの目の前で歌手が歌う経験でした。
アルトゥーロ役のプリートだけが物足りませんでしたが、妻はイケメンだと言って、喜んでいました?
で、feriさんは4月27日に見られたのですね。
では、また

Posted by: sarai | November 11, 2008 13:49

Feriさま、saraiさま、
ものすごく遅れたコメントにこんなにすばやくレスをつけていただきありがとうございます。やはりウィーン国立歌劇場の来日公演の効果でしょうか。 グルベローヴァは今回も素晴らしかったですね(私は11/4に観ました)。でも、やはり少しずつ年齢の影響がでてきているように感じました。だからといって素晴らしさに変わりはないのですが。深いし。 ところで11/4の公演ではホルンの調子が目立ってよくなかったと思うのですが、あの方々は1軍なんでしょうか?ご存知でしたらご教示ください。

Posted by: ジョヴァンニ | November 11, 2008 23:04

saraiさん、こんにちは。

コメント、ありがとうございます。ところで、ドレスデン・ゼンパーオーパーのグルベローヴァ出演は、今のところ、今後の予定が入っていないので、もしかしたら、貴重な経験になったかもしれません。

こう考えると、観ることができる時に決断してよかったような気がします。

Posted by: Feri | November 11, 2008 23:05

ジョヴァンニさま

11月4日は、私は観ていないので何とも言えませんが、ホルンは鬼門のようで、現地でも時々、調子を外した演奏もあるようです(フォルクスオーパーはしょっちゅうです )。

今回来日したオーケストラメンバーの中で、ウィーンフィル所属のホルンはLars Michael Stransky、Wolfgang Vladarの2名ですから、もしかしたら一般メンバーだったかもしれません。

オケの出演者リストは公開されていませんから、確認のしようがありませんね。

あと、グルベローヴァの件ですが、やはり年齢の影響はあると思います。実際、ご本人もそれを意識しているようで、60歳を過ぎてから筋力トレーニングをしているという話を聴いたことがあります(専門のトレーナーさんがいるようです)。また、会場によっても歌の聞こえ方が違うような気もします。

以前の記事のコメントでも結構ですから、お気軽にお立ち寄り下さい。

Posted by: Feri | November 11, 2008 23:21

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