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May 15, 2008

ウィーン国立歌劇場の「ニーベルングの指輪」

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さて、今日はクラシック音楽の話題です

このところ、ウィーン国立歌劇場ではワーグナーの「ニーベルングの指輪」シリーズを「新演出」で上演中です。

2007/2008シーズンでは「ワルキューレ」と「ジークフリート」、2008/2009シーズンは「神々の黄昏」と「ラインゴルト」が上演されます。演出は四公演すべてをSven-Eric Bechtolfが担当し、指揮はFranz Welser-Möstが全演目を振るという気合いの入り方です。ということで、四話すべてを包括した演出と言うことになるのでしょう。通常のプログラムとは別に、「ニーベルングの指輪」シリーズのプログラム(解説書)も販売していました(トップ写真の左側が解説書です)。

さすがに、ウィーンでは四夜連続で、指輪を上演する訳にはいきませんが、パッケージとしてはおもしろいと思います。実際、4作品のプルミエ終了後、パッケージとしてプログラム化する意向のようです。

さて、ウィーンのワーグナー…というと色々とご意見があるとは思います。今回、Feriも新演出の「ジークフリート」を観る機会を得ました

Feriが観た時の出演者ですが、ジークフリート役がStephen Gould、ブリュンヒルデ役がNina Stemme、さすらい人役がJuha Uusitalo、アルベリッヒ役がTomasz Konieczny、エルダ役がAnna Larsson、ミーメ役がHerwig Pecoraro、ファーフナー役がAin Anger、小鳥の歌声役のIleana Toncaでした

皆さまご存じのように「ジークフリート」は、4部作の中で、最も出演者が少ないので、これで全部です。いずれも見事な歌いぶりでしたが、ジークフリート役のStephen Gouldとブリュンヒルデ役のNina Stemmeは、良い雰囲気を出していましたね。なお、役柄とは言え小鳥の歌声役のIleana Toncaだけが小柄な方で、後は皆さま、堂々たる体格の持ち主でしたね

元々、神話のお話であるため、最近は多くの歌劇場が抽象的な舞台になっていますが、今回の新演出もご多分に漏れず、象徴的な演出になっていました。

第一幕は、剣を創るため鍛冶場の舞台装置でした。小物も含めて、結構凝った舞台装置で、おもしろかったですね。

第二幕については、「森の中」という想定であるため、周囲の壁に動物(もちろん模型ですが)がぶら下がっていました。ここでの見所は、ジークフリートが大蛇に化けたファーフナーを倒し、指輪を奪う場面なのですが、しっかり舞台の奈落から天井に向かって出てきます。ちょっと、言葉では表現しようがないのが、残念です。なお、大蛇を倒した後は、歌手のAin Angerはいなくなって「大蛇の抜け殻」だけが舞台に横たわっていました(ちょっとネタばれですかね)。

最も抽象的だったのは、第三幕の「岩山の荒野」でしょうか。こちらは、事実上舞台装置はなく、スクリーンとスライドで表現していました。全編を通して、スライドなどを有効に使って、雰囲気をもり立てていました。Feri個人としては、今回の舞台装置は、なかなか良いと思います。

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さて、オーケストラの演奏が、一番意見が分かれるところだと思います。今回、Feriが「ジークフリート」を聴いて思ったのは、いわゆるワーグナーらしい「メリハリの利いた演奏ではない」ということです。いわゆる「弦楽器や管楽器が尖った音を出していない」というのでしょうか。私は、バイロイトは観たことがないので、何とも言えませんが、ドイツとウィーンでは、まず楽器や、その調整方法が違いますから、「ウィーンでドイツの音を出せ」といっても無理に決まっています。

Feri個人の見方なのですが、天下のウィーン国立歌劇場ですから、このことは十分承知した上で、あえて、ドイツ風にこだわず、ウィーン風のワーグナーを確立しようとしているようにのではないでしょうか。実際、指揮のFranz Welser-Möstも意外と淡々とした指揮ぶりでした(指揮だけ見ていると、ちょっとワーグナーとは思えないような、流麗な指揮ぶりでしたね)。

仮に、ウィーン風の解釈を実現するという明確なビジョンを掲げて、作品づくりに励んでいるとすれば、実力のあるカンパニーだからこそできる芸当ということになります。

ちなみに、指揮のFranz Welser-Möstですが、カーテンコールでは、盛大な拍手が送られており、応援しているお客さまが多いことがうかがわれます。

さて、ワグナリアンの皆さまの評価はどうなのでしょうね

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