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May 24, 2008

フォルクスオーパー日本公演「こうもり」(前編)

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9年ぶりの来日となったフォルクスオーパー、日本公演が5月23日の「こうもり」から始まりました。好き者のFeriは、初日を観てきましたので、その模様をお知らせしましょう

まず、当日の出演者ですが、指揮はレオポルト・ハーガー、ロザリンデ役はナンシー・グスタフソン、アデーレ役はダニエラ・ファリー、イーダ役はマルティナ・ドラーク、オルロフスキー公爵役はヨッヘン・コワルスキー、アイゼンシュタイン役はディートマール・ケルシュバウム、ファルケ博士役はミリェンコ・トゥルク、アルフレート役はルネ・コロ、イワン役はハインツ・フィツカ、フランク役はカルロ・ハルトマン、フロッシュ役はハインツ・ツェドニク、ブリント役はゲルノート・クランナーでした。

当たり前ですが、当日は満員御礼でした。ただ、実際には、スポンサー企業向けのご招待枠が相当あったようで、「オペレッタは初めて」という方も多くいらっしゃっているようでした。
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また、オーケストラメンバーの中には、日頃からフォルクスオーパーでお会いしている方も多く、開演前にちょっと「来ましたよ」というサインをピット前で送っておきました( “あのオヤジ、何で日本にいるのか”とびっくりしているような感じでしたが…)。

○Feriにとっては衝撃のオープニング
さて、序曲の演奏が始まって、Feriは衝撃を受けました 。というのは、フォルクスオーパーで慣れ親しんだ音色と全く違うのです。厳密に言うと、シュトラウス独特のこぶしやリズムは同じなのですが、響きが違うのです。実は、先日、ウィーンにお住まいの日本人歌手の方とお話した際、フォルクスオーパーの来日公演の話になりました。で、会場の話題になった時、“文化会館はフォルクスオーパーには広すぎるわね”という話になりました。その時は、正直、Feriは“そんなものかな”と思っていたのですが、今回の公演を観て、本当に驚きました。

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確かに東京文化会館はオペラ専用劇場ではないため、客席の構造が扇形になっています(フォルクスオーパーなどは馬蹄形ですね)。さらに、収容人数も遙かに多い大劇場なので、オーケストラの音が散らばってしまうのです。そのため、フォルクスオーパーで感じる、オーケストラのメロディーが客席を包み込むような雰囲気にならないのです。オーケストラピットを見るとよくわかります。というのは、通常、フォルクスオーパーでは、「こうもり」のときは、結構、オーケストラピットが一杯になります(すし詰め状態)。それが、今回は、写真のように余裕綽々。これでは、各パートの相乗効果も難しいかもしれません。

実際、目測ですが舞台を比べてみると左右が、それぞれ3メートル以上広いように感じました。当然、天井の高さも、5メートルほど高いでしょうか。しかも、一階席が広く、奥行きがありますから、当然と言えば当然なのかもしれません。

ところで、フォルクスオーパーの劇場そのものについては、音響効果が良いという話はあまり聞きませんが、今回の来日公演を聴き、実は同カンパニーはフォルクスオーパーという劇場で最大のパフォーマンスが発揮できるようになっていることを痛感しました。

おそらく、指揮者のレオポルト・ハーガーをはじめ、オーケストラのメンバーは、このとを痛切に感じていると思います。日本の皆さん。ウィーンではこんなものではありませんよ。日本公演の演奏だけで、実力を判断しないでね

ウィーンの舞台を完全再現
さて、逆に感動したのは、オリジナルの舞台が狭いため、「東京文化会館でウィーンの舞台をそのまま再現できた」ということです。Feriは、フォルクスオーパー(現地)で「こうもり」を9回ほど観ていますが、大道具のみならず、小道具まで、見事にウィーンの舞台が再現されていました(わずか5公演のために作るか、持ってくるかしたわけですから、それは大変です)。そのため、舞台を注視していると、出ている歌手の皆さんもおなじみの方が多いことも加わって、ふと“今、ウィーンにいるのではないか”と思ってしまいます。オペレッタが終わって、劇場の外に出ると、U6の地下鉄や41系統の路面電車が走っている…そして、坂を下るとカフェ・ワイマールが見えてくる…というような錯覚に見舞われました。これには、感激しましたね。

さらに、オペレッタの来日公演では、「日本スペシャル」として、現地では行わない日本語の台詞を一部に入れるケースがあります(お客さまが喜びますから)。しかし、今回のフォルクスオーパー来日公演では、そういった手法は一切使わず、本当に毎日、ウィーンで上演している内容を、そのまま実施していました。この見識は高く評価されるところです。
さらに、日本スタッフの連携も良く、日本語字幕も適切で、お客さまの反応も上々でした(とくにお芝居の比重が高い3幕)。

長くなりましたので、後編は明日お届けします。

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