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July 22, 2008

番外編 小澤征爾音楽塾公演「こうもり」

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今日の「番外編」は、日本でのオペレッタ公演です。

この時期、オペレッタ公演が枯渇するのですが、幸いにもウィーン国立歌劇場の音楽監督である小澤征爾さんが主催する「小沢征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅨ」によるオペレッタ「こうもり」の公演が7月21日から始まりました。

小澤征爾さんの「こうもり」という訳で、興味津々。当然?Feriも行ってきました 。実は、ご存じの方も多いと思いますが、小澤征爾さんは、椎間板ヘルニアのため、5月下旬から活動を停止していました。そのため、6月に予定されていたウィーンでの「スペードの女王」指揮もキャンセルとなり、さらに水戸室内管弦楽団のヨーロッパツアー(ウィーン楽友協会での演奏が予定されていました)への参加も取りやめとなっていました

今回の「こうもり」についても、指揮が危ぶまれましたが、幸い順調に回復されたようで、無事復帰となりました。

小澤征爾音楽塾は2000年から始まり、過去6回の公演で、モーツァルト/ダ・ポンテのオペラ3部作、「こうもり」(2003年)、プッチーニの「ラ・ボエーム」、ロッシーニの「セビリャの理髪店」が上演されています。

今回の公演では、音楽監督・指揮は塾長の小澤征爾、演出はデイヴィッド・ニース(アメリカの方)で、サンフランシスコ・オペラ・アソシエーション所有プロダクション(演出、衣装など)で上演されました。

アメリカの演出は、意外とオーソドックスなものが多いので、ある意味、安心して観ることができます(2003年の舞台写真が会場に掲出されていましたが、同じ演出のようでした)。オーケストラは小澤征爾音楽塾オーケストラ、合唱は澤征爾音楽塾合唱団です。なお、オーケストラと合唱団は、元々、オペラ塾の目的が若手音楽家の育成なので、10代から20代の若手が中心でした

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さて、当日の出演者ですが、ロザリンデ役がアンドレア・ロスト(久しぶりです。以前、ウィーン国立歌劇場の「リゴレット」でジルダを演じたのを観たのですが、似合っていましたね)、アイゼンシュタイン役がボー・スコウフス、アデーレ役がアンナ・クリスティ、アルフレート役がゴードン・ギーツ、オルロフスキー公爵役がキャサリン・ゴールドナー、ファルケ博士役がロッド・ギルフリー、フランク役がジョン・デル・カルロ、ブリント役がジャン=ポール・フシェクール、フロッシュ役は小迫良成、イーダ役は深澤衣里でした。今回、起用された外国人歌手ですが、アメリカで活躍している人が多いようですね。なお、主要な役を外国人で固めているため、ドイツ語上演(日本語字幕付き)となりました。

さて、開演前ですが、さすがに若手の演奏家が中心なだけに、オーケストラピットで主要なフレーズを熱心に練習していました。なにやら、Feriにも緊張感がひしひしと伝わってきましたね。天下の小澤征爾指揮で、オペレッタの名作を演奏する訳ですから、緊張するでしょうね。実際、“ここが苦手なのよねぇ”という声も聞こえてきました…

今回は「こうもり」の定番である3幕構成で、1幕が45分、2幕が50分、3幕が35分で運営されました(各幕間の休憩は25分 )。

○基本的にオーソドックスな演出でした
演出は、予想通り、オーソドックスなもので、なおかつ非常に細かい配慮が行き届いており、好感が持てるものでした。

まず、1幕ですが、アデーレに「オルロフスキー邸での夜会」に招待する電報が届けられるシーンがしっかり入っていました。また、1幕の最後、アルフレートがフランクに刑務所へ連行されるシーンで、ロザリンデに「オルロフスキー邸での夜会」に招待する手紙とマスクが届けられるという仕掛けが組み込まれていました。これで、二人が夜会に出席する根拠が明確になる訳で、このあたりの細かい演出はていねいですね

また、1幕でアイゼンシュタインがロザリンデと別れを惜しんでいる場面で、アデーレはしっかりロザリンデの衣装を無断で借りて、トランクに詰めるという演出もありました。そして、アデーレはトランクを持って、アイゼンシュタインと住まいを後にする… 設定になっていました。

なお、通常、1幕冒頭、アルフレートは「声だけの出演」が多いのですが、今回は、アイゼンシュタインが帰ってくる前に、寝室(実は舞台装置が2階建てで、寝室は2階にあります)に侵入し、ロザリンデに迫る…という展開になっていました。そして、帰り際、「トゥーランドット」のメロディがちょっと入るという粋な演出でしたね。

2幕のオルロフスキー邸での夜会については、ほぼおなじみの演出でしたが、イーダがバレエをするシーンはありませんでした。これは、イーダ役の歌手に合わせたものだと思われます。その代わりに、ロザリンデがチャールダーシュを歌った後に、「ハンガリー万歳」が演奏され、これに合わせて男女のバレエ団がテンポの良い踊りを披露する展開になっていました。ハンガリー風の続き…ということでしょう。なお、オルロフスキー邸でイーダとアデーレが顔を合わせてびっくりするシーンがあるのですが、今回は、この部分が省略されており、二人とも夜会に最初から加わっていました。このあたりは、ちょっと残念でしたね。

このほか、通常では「雷鳴と電光」のメロディに合わせて、参加者全員が踊り、酔いつぶれて倒れてしまう…という演出が多いのですが、今回は、全員ではなく、アイゼンシュタインとロザリンデとバレエ団が踊る(詰まり、他の参加者は周りで見ている)という展開になっていました。もしかしたら、合唱団に踊りの負担をかけない配慮かもしれません(本格的なダンスではないので、やれば出来るとは思うのですが…)。

お芝居が多い3幕では、フロッシュ役が日本人ということもあり、一部、日本語で上演されました。とくにフロッシュは、ほぼ全て日本語のセリフになっていました。お客さまには大受けでしたが、何となくドイツ語を話すフランクやアルフレート、アイゼンシュタイン、アデーレなどとかみ合わず、Feriには不自然に思えてなりませんでした 。フォルクスオーパーが来日公演の際、全編ドイツ語上演でも、見事にお客さまを巻き込んでいたことを考えると、ここはお芝居もドイツ語で上演した方が、全体の流れが自然になったように思います。

小道具のソーダサイフォンや葉巻、やかん、ティーセットなどはしっかりと準備されており、酔っぱらったフランクの一人芝居もちゃんと入っていました。

また、最近の日本上演ではブリントの吃音は色々と問題があるため、省略されるケースが多いのですが、今回は、「こてこての吃音」でセリフのやり取りをしていました。ただし、時間の関係からか、お芝居が少し省略されている部分がありました(フロッシュがブリントを本当に目が見えないと錯覚して誘導する場面、フロッシュがアルフレートに“どこの歌劇場に出ているの?”と質問する場面など)。

ところで、フロッシュ役は唯一ダブルキャストなのですが、大浦みずき(7月24日、27日、30日に出演予定)が出る回では演出が違うようです(大浦さんが宝塚出身者なので「ベルサイユのばら」の一節を歌うとか…)。

○見応えのある舞台装置と衣装でした
今回の「こうもり」は、横浜、名古屋、浜松、東京、大津の5地区で上演されるのですが、各地区1回だけのため、舞台装置が簡略化されるのではないかと思っていました(実際、会場間の移動が大変です)。

しかし、この予想は良い意味で外れました。まず、1幕のオルロフスキー邸は、2階建ての屋敷(1階が食堂と居間、2階が寝室、ちゃんと階段で行き来できるようになっています)で再現されていました。2幕のオルロフスキー邸についても天井からゴージャスなシャンデリアが下がり、それなりの雰囲気が出ていましたね。
そして、3幕の刑務所も2階建て。アルフレートは客席から見える2階の独房に収監されていました。

衣装については、サンフランシスコ・オペラのデザインが採用されているようですが、2幕のオルロフスキー邸での夜会では、「トゥーランドット」よろしく中国風の服を着た人も結構出ていました。それ以外は、おおむね、通常の「こうもり」の衣装でしたね。

○全体の仕上がりは…
さて、全体的な仕上がりですが、まず、オーケストラについては、残念ながら序曲から弦楽器がきつすぎて(弦が立ちすぎているというか…)、ウィンナワルツ独特のまろやかなメロディが再現されませんでした 。これは、演奏技法の問題よりも、もしかしたら楽器の問題かもしれません。

歌手では、ロストはFeriの好きな歌手の一人なのですが、元々妖艶な雰囲気が弱いため、当初からアデーレ役は向いていないのではないか…と思っていました。実際、ちょっと雰囲気が違うような感じでした。ロストは小柄な女性なのですが、アイゼンシュタイン役のボー・スコウフスが長身であるため、並ぶとバランスの悪いこと…

また、2幕の聴かせどころチャールダーシュでは、途中で声が十分でなくなってしまう場面がありました。極めつけは、3幕のフィナーレ…「全てはシャンペンのせい」と歌う場面で、歌い出しのタイミングが合わず、ワンテンポ遅れてしまいました(アイゼンシュタインが許しを請い、ロザリンデは平手打ちをして、歌に入るのですが、演技と歌の間が合わなかった感じがしました)。プロの歌手では珍しいと思うのですが、練習不足だったのでしょうかねぇ。残念。

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一番、しっかりと歌っていたのはアイゼンシュタイン役のボー・スコウフスです。声も良く出ていました。ただ、全体的にお芝居で存在感を示すことができるタイプではないようです。また、華がないためなのか、2幕のように大勢の人の中に入ると埋没してしまう傾向が見られました(どこにアイゼンシュタインがいるのかが、はっきりしなくなってしまいます)。これはファルケ博士役のロッド・ギルフリーにも、同じような傾向が見られました。このあたり、ちょっとした演技で存在感を示すフォルクスオーパーのオペレッタ歌手の皆さまとの違いかもしれません。

オルロフスキー公爵役のキャサリン・ゴールドナー(メゾ・ソプラノ)は、ちょっと存在感が薄かったため、2幕が締まらなかったですね。とくにアイゼンシュタインにウォッカを強要する名場面では、余り迫力を感じませんでした。もうちょっと、怖い感じの方がおもしろいと思うのですが…

フランク役のジョン・デル・カルロは、ワーグナーも歌う体格の良い方ですが、1幕では何故か十分声が出ていなかったような感じでした。ただ、2幕以降は声が出ていましたが…

Feriの個人的な感想ですが、歌手と役のミスマッチが目立つような感じがしました(要するにキャスティングの問題だと思います)。なお、プログラムには珍しくCoverCastの皆さん(大多数が日本人の歌手、私の存じ上げている方もいらっしゃいました)も紹介されていましたが、恐らく「磨き上げ」の過程では、CoverCastの皆さまが入っていたと思われます。逆に、メインキャストも、十分練習をしていたCoverCastの日本人歌手に出ていただく…というのはどうなんでしょうかね。

若手音楽家の育成を目的とした私塾が小澤征爾オペラ塾なのですが、確かに音楽学校などでは、本物のオペラを演奏する機会は少ないでしょうから、このような機会を活用してオペラ演奏を経験することは、演奏家・声楽家として大きく飛躍するきっかけになることでしょう。そういう意味では、次世代の育成に熱心な小澤征爾さんならではのプロジェクトと言えそうです。

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ところで、開演前にオーケストラピットを除いたら、譜面代の上に写真のような注意書きが載っていました。どうやらゲネプロの後、小澤征爾さんが修正を決めた箇所らしく、楽譜に記載してある上に、さらに注意書きで注意を促しているようです。きめが細かいですね。

日本には小澤征爾さんのファンが多いですから、当然、終演後はブラヴァの嵐でした。小澤さんも、病気で心配されましたが、とりあえず自分が責任をもって運営しているプロジェクトで最後まで指揮をすることができて、ご本人もお客さまも一安心…というところでしょうか。

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なお、2009年のオペラ・プロジェクトの演目は、フンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」に決まったようです。予定では、アンゲリカ・キルヒシュラーガーがヘンゼルで出演するようです。

ところで、今回、小澤征爾オペラ塾公演「こうもり」を観て、改めてフォルクスオーパー版「こうもり」の完成度の高さを実感した次第です(フォルクスオーパーの皆さまに、叱られそうですが…)。やはり、ウィンナ・オペレッタには独特の空気感があるんですね

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Comments

詳しいレポートありがとうございます。Floschの件おっしゃるとおりだったと思います。Rostの最後の失敗はワンテンポ遅れたのではなく、はやまったので、少し歌うのをやめて伴奏に合わせたというのが実体でしたね。最後の最後にこっちもずっこてしまいました。

Posted by: Fledermäuschen | July 22, 2008 21:32

Fledermäuschenさま

コメントありがとうございます。確かに、よく考えてみると最後の場面はそうだったかもしれませんね。
そういえば、今回、プロンプターは居たのでしょうかね?

Posted by: Feri | July 22, 2008 21:36

私も横浜公演を一階最前列で観てきました。
プロンプターは居なかったようで、舞台前端部には照明ライトが並べられていましたよ。
一幕最初のアルフレードが二階によじ登るあたりから、ひとまず退散する辺りの演出では、この先いったいどうなるのかと思っていましたが、結局はトラディショナルな演出でした。
オケまで巻き込んだアルフレードが引っ込む場でのズッコケではフェリさまの書かれたトゥーランドットと、何かもう一曲瞬間的に入っていたような気もしますが・・よくわかりません。
舞台の大道具も衣装も全ての面で細かいところで凝ったという感じでずいぶん力が入っていましたね。

歌手陣はなかなか好調でした。フェリさまの云われるとおりオウロフスキー公のゴールドナーは小柄で迫力に欠けたかもしれませんが、全域にわたって良く声が出て上手く歌っていましたよ。
日本語も結構うまく突っ込んであり、フロッシュの日本語と歌手のドイツ語の掛け合いも面白かったです。
もっとも最後にスコウフスに「日本語じゃわからん」とドイツ語で言わせていたのが、フェリさまに対するエクスキューズだったのかもしれませんね。
オケは本当に若い人ばかり(数人ベテランが加わっていましたが)でしたが、良く音を響かせていました。
一流歌手と伴奏ではなく対等に歌い合える歌劇場オーケストラというわけにはゆきませんでしたが・・・・
最後のロストのフライングですが、現地でのあのシーンは普通間髪を入れず歌に入ってくるので、身についた習慣で飛び出したのだと思います。オケは歌手ではなく指揮者に集中していますので逆合わせは出来なかったということでしょうか。
でも充分見ごたえ、聴きごたえのある舞台で、すっかり楽しませて頂きました。

Posted by: どてら親父 | July 23, 2008 02:35

どてら親父さま

コメント、ありがとうございます。
お近くにいらっしゃったようで
三幕の日本語の件は、色々なご意見があると思いますが、正直、難しい問題ですね。

また、オーケストラの方ですが、どてら親父さまがおっしゃっているように、音色の問題は別にして、しっかり音が出ていましたね。若い方だけに一生懸命演奏している姿が印象的でした。

なお、同オーケストラの場合、トレーナー役のベテラン演奏家が参加しているのですが、今回は何名か本番でも入っていたようです。

何はともあれ、小澤征爾さんの「こうもり」はそう観るチャンスがありませんから、貴重な機会でしたね。

オーストリアではメルビッシュが先週末から始まったようですが、なかなか楽しそうな仕上がりだとか(現地では、プルミエがライブ放送されたようです)。こちらも、楽しみです。

Posted by: Feri | July 23, 2008 06:38

お久し振りです。
遅ればせながら、saraiも昨夜の文化会館の公演を聴いてまいりました。もともと、小澤塾は過去、そんなにキャストに魅力がなかったので、興味がなかったのですが、ロストとスコウフスが出ることを直前に知り、あわてて、チケットを入手した次第。
事前にferiさんの詳細なレポートを読んでいたので、ある意味、恐る恐る聴きにいったわけですが、すべて、ご説明のとおりではありましたが、やはり、実力派の歌手の力は大きいと実感し、それなりに楽しめました。
この日はロストも言われるほど悪くなく、アデーレ役のソプラノもなかなか良かったと思います。スコウフスはもちろん良かったし、彼はアルマヴィーヴァ伯爵よりもやはりオペレッタのほうがかっこいいですね。
saraiが一番がっかりしたのは2幕目の舞踏会です。たしかにみなさん豪華な衣装ですが、ウィーンの舞踏会というよりも、あれでは鹿鳴館の舞踏会に見えました。この点に関しては、やはりこれはウィーンで見たいと切実に思いました。
ところでsaraiはフォルクスオーパのこうもりを見たことがないのですが、シューターツオーパのこもりと比較するとどんな感じなのですか?
saraiは年末年始のウィーンには行ったことがありませんが、行ったとしたら、つい、シュターツオーパのこうもりに行ってしまいそうです。
ところで小澤塾もスター歌手が登場するようになったのですね。来年のヘンゼルとグレーテルはバーバラ・ボニーとキルヒシュラーガーということで楽しみです。これは是非聴きにいこうと思っています。
ついでに過去の出演者を見ていたら、恥ずかしながら、2004年のラ・ボエームにムゼッタ役で何とネトレプコが出ていたことに気がつきました。これは残念。もし、聴かれたかたがいらっしゃれば、一体、どうだったのか、お聞きしたいのですが・・・
ところで、feriさん、saraiのコメントが滞っていたのは、以前のsaraiのコメントをたまたまネット検索していたsaraiの妻が見つけ、冷やかされ、今後、見られることを覚悟して、発言に気をつけなければならなくなったからです。

Posted by: sarai | July 31, 2008 10:53

saraiさま、コメント、ありがとうございます。

Feriの私見ですが、私が観たのは「初日」であったため、客演歌手の皆さんと稽古を積んできた音楽塾塾生(でいいのかな)の皆さんとのコンビネーションが十分とれなかったのではないか…と思っております。

そういう意味では、こなれてきた後半にご覧になって正解かもしれません。

このあたりが、来日するカンパニーとの違いでしょうね(来日するカンパニーの場合は、やはり初日に評価が決まってしまう傾向があるので、初日に全力投球する傾向があります。ただし、例外もありますが…)。

そうそう。来年、キルヒシュラーガーが客演するのでしたら、私もぜひ観たいと思っています。

ところで、「こうもり」ですが、私は国立歌劇場とフォルクスオーパーの両方でよく観ますが(好き者ですねぇ)、今はフォルクスオーパー版の方が好きですね。とくに、演出が細かくなってから、伝統的なウィンナオペレッタの雰囲気が良く出るようになりました。地元でも高い評価を得ています。フォルクスオーパーでは、年末年始以外でも、上演していますから、機会があればぜひご覧になることをお勧めします。

国利歌劇場の方は、キャストは良い人を揃えていますが、何となく「オペラ風」というか… まぁ、年末の「お楽しみ公演」という感じなので、それはそれで楽しいですけれども。

余談ですが、来シーズン、国立歌劇場ではバレエ版の「こうもり」が上演されますが、こちらもぜひ観たいと考えております。が、資金が…

Posted by: Feri | July 31, 2008 11:30

feriさん、saraiです。
正直なところ、あのキャスト(歌手)でそのまま、ウィーンのシュターツオーパーでやっていれば、どれほど、よかったかなと思います。
小澤さんとオケも透き通った音色で、すこし固かったのはともかく、決して悪くはなかったのですが、「こうもり」のタタタタタタ、タタタタタタ、タタタッタターのユニゾンのところの響きは、ウィーンの分厚い響きが欲しいところです。
オペラはまずは歌手の力が一番ですが、最後は総合力ですね。
feriさんもキルヒシュラーガーのファンなんですね。saraiも今年のウィーンの引越し公演のコシでのキルヒシュラーガーを楽しみにしています。
saraiは来年、フォルクスオーパーに行きますが、「微笑みの国」と「メリー・ウィドー」です。「こうもり」はこれからの楽しみにとっておきます。

Posted by: sarai | July 31, 2008 13:32

saraiさま

フォルクスオーパーの「微笑みの国」については、当ブログでもご紹介しましたが、オーストリア人が考えるチャイナムード満点で、なかなか楽しめます。舞台や踊りがきれいですね。

また、「メリーウィドウ」についても、一時の飛んでも演出から脱却し、安心して観ることができるようになりました。後は、誰が出るか…によって印象が異なりますが。

Posted by: Feri | August 02, 2008 09:04

最初にコメント差し上げたものです。

第2幕の衣装についてどなたかご指摘の通りで、わたしも赤色を多用しの下卑た衣装のセンスに少々がっかりしたのですが、よく考えたら、この舞踏会の招待客は東洋系のお客さんだった、それで中国系の色を使っていた?あるいは蒙古斑を持つロシアかハンガリーの田舎ものの設定?そう思ってみていました。

そうしないと、これらのお客さんの所作がいかにもあか抜けしていなくてウィーンの夜会には違和感を覚えるのです。二幕後半でワルツが多用される場面での踊りも様になっていなかったし。

ということで、今回の日本人キャストに対するコレオグラフィには感心しませんでした。

一昨年に終わってしまった若杉さんのびわ湖ホールのプロデュースオペラの方が全員日本人なのに、スタイルが整っていてずっと徹底していました。

Posted by: Fledermäschen  | August 05, 2008 08:17

Fledermäschenさま

たびたびのコメント、ありがとうございます。
この演出の趣旨は、演出家にうかがってみないと何とも言えませんが、以前、上演された日本オペレッタ協会の「こうもり」では、「当時、ウィーンではジャポニズムが流行っていたので、オルロフスキー邸の夜会は日本情緒を強調してみました」といった演出がありました(プログラムに主催している寺崎さんが、書いていました)。

このあたりは、好みの問題が顕著に出るところなので、演出家としても難しいところでしょうね。

とくにオペレッタの場合、近代演出や新しい解釈については、現地でも否定的な意見が出やすいようです(お客さまが、ご年配の方が多いという背景もありますが)。

ところで、国立歌劇場やフォルクスオーパー「マダムバタフライ」を上演する場合、ヨーロッパの方が日本人を演じる訳で、これはこれで、日本人のFeriから見ると、“うっ、ちょっと変だよな”と感じる場面もあります。このあたり、難しいですね。

また、色々な見方、ご意見をお寄せいただけると幸いです。

Posted by: Feri | August 05, 2008 09:44

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