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August 13, 2008

オペレッタの思い出 「ペンザンスの海賊」

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野外音楽祭以外では、オペレッタのオフ・シーズンなので、思い出話をご紹介します。

フォルクスオーパーでは2001/2002シーズンは、「世界のオペレッタ」と称して、ドイツ語圏以外のオペレッタを上演していました。その中に、アーサー・サリバンの傑作オペレッタ「ペンザンスの海賊」がありました。

このオペレッタは1879年の初演されたもので、舞台はイギリス・コーンウォール地方のペンザンスです(実は、Feriは現地に行ったことがあるんですね)。

お話は、海賊(中心は海賊見習いのフレデリック)と地元の娘(イギリス海軍少将の娘達、中心はメイベル)との恋愛を中心とした楽しい三幕からなるオペレッタです。この海賊、宮崎アニメにでも出てきそうな心優しい海賊で、自分よりも強い相手に戦いを挑むため、いつも負けてしまいます。さらに、自分たちは孤児をいじめないという信条を持っているため、攻撃相手の船に孤児が乗っていると、攻撃の手をゆるめてしまうのです(実際、孤児からは金品を奪わないのですよ)。

さて、第一幕では、海賊見習いを終えたフレデリックをはじめとする海賊一族が上陸し、娘達をつれた少将一行を取り囲む場面が山場です。この間にルスがフレデリックに求婚するのですが、超姉さんなので、フレデリックが躊躇する場面もあります。この時、少将「は、自分たちは孤児なので、娘を連れて行かないでくれ」とウソをついて、その場を逃れます。その後、

第三幕で、このウソが海賊の親玉にバレで、海賊退治に出動した警官隊と海賊との間で戦いが繰り広げられます。しかし、警官隊が劣勢で、負けそうになる寸前、隊長が、「ヴィクトリア女王の御名において逮捕する」と宣言すると、海賊は急におとなしくなり降参する(すごいご都合主義)。また、その時、ルスが「海賊達は全員貴族の出身で、不幸にも道を誤っただけなのです」と証言します。そうすると、少将は「全員が貴族ならば、あなたたち許そう」と言い、娘達と海賊との結婚を認めるというお話です。

舞台装置も、メルビッシュを思わせる華やかなものでしたね。演出も多少お色気あり、涙ありのような、楽しいものでした。

さて、フォルクスオーパーのプルミエは、2002年5月4日に行われました。Feriも、この公演を見ております。

当日のキャストですが、指揮はWilliaHI BoughtOn、スタンレー海軍少将役がJosef Forstner、海賊の親玉役がAdrittn ErO、海賊の雑役婦ルス役がDame Gwyneth Jones、海賊見習いフレデリック役がH o w t t r d N i g h t i、巡査部長役がStetten Rössler、スタンレー少将の娘達メイベル役がAkiko Nakttima、イディス役がGabriela Bone、ケート役がChristiane Costisella、イザベル役がMarie Luise Hüblなどでした。ワーグナー歌手として名をはせた名歌手Dame Gwyneth Jonesがルス役で起用され、話題になったオペレッタです。また、中嶋さんも、準主役として登場しましたが、少女姿が初々しかったですね。

このオペレッタは、結構、記憶に残るようなメロディーが多いのが特徴です。とくに三幕で警官隊が出てくるときにメロディーは、一度聴いたら忘れられませんね。

今の状況を考えると、恐らくフォルクスオーパーでも再上演される機会はないと思います。当時のフォルクスオーパーにしては、おもしろい演出だったので、ちょっと残念です。

ところが、このフォルクスオーパー版「ペンザンスの海賊」には、おもしろいエピソードがあるのです。

実は、プルミエの前日、5月3日は、ツェラーの名作オペレッタ「小鳥売り」の上演が予定されていました。当然、Feriも「小鳥売り」のチケットを入手したのは、言うまでもありません。

ウィーン到着後、さっそく国立劇場連盟のブッキングオフィスへ出向いて、予約記録を渡して滞在中のチケット発券を依頼しました。すべての発券が終わり、チケットを確認したところ、5月3日のフォルクスオーパー公演が「ペンザンスの海賊」に変わっているではありませんか。

びっくりして、係員に予約記録を見せて“この日は、「小鳥売り」ではないの”と確認したところ、「ペンザンスの海賊」に変わっているよ…とのお言葉…

さて、当日、フォルクスオーパーに行くと、確かに「ペンザンスの海賊」が上演されるようです。で、開演直前、舞台上に劇場関係者が登場し、なにやら説明が始まりました。

Feriは、十分理解できなかったのですが、どうやら“配役の一部に変更を生じたため、今日は最終舞台稽古を行います。そのため、一部の歌手は台本を見ながら歌うことをお許しください”とのお話でした。“えーっ、そんなのありかよ。しかも、正規のカテゴリーA料金でゲネプロを見せるとは…

実際、始まってみると一部の男性歌手は台本を手に持ちながら(もちろん、衣装も着けて、舞台装置もあります)、歌っていました。

これには参りました。この結果、Feriは「小鳥売り」には逃げられ、「ペンザンスの海賊」を二回見ることになったのですが、今から思うと、非常に貴重な経験でしたね。

しかし、これでOKになってしまうところが、ウィーンらしいところかもしれません。

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Comments

ペンザンスの海賊大好きなものです。検索していたらここが引っかかってきました。実はこの公演のCDRを持っています。多分本番のものでしょうが、英語ドイツ語が混ざっています。中島さんはメリーウィドウなど混ぜ込んで歌っており、私には悪趣味に聴こえますが、ウィーンではやむを得ないのでしょう。珍品として保存、またドイツでのドイツ語の公演CDも持っています。ただ家で聴くにはDeccaの1960年代のきちんとした録音がいいですね。今年は英国旅行の折にENOで公演があり初めて舞台を見られそうです。

Posted by: Witchcraft | March 07, 2015 09:45

Witchcraft様、コメントありがとうございます。

「ペンザンスの海賊」。懐かしいですね。当時、フォルクスオーパーはさまよっていた時期で(今も、さまよっているような感じですが‥)、「世界のオペレッタ」といったようなテーマで、色々なオペレッタを上演していた時期でした。

成功したかどうかは微妙でしたが‥

しかし、私は「ペンザンスの海賊」の独特のメロディが今でも忘れられません。

Posted by: Feri | March 08, 2015 08:03

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