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August 23, 2008

メルビッシュ・フェスティバル「白馬亭にて」 その2

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前日に引き続き、「白馬亭にて」の続編です。今回は、Feriなりの感想です。好みがありますから、この点はご了承願います なお、二回目を見ましたので、若干、加筆修正しました(好きですねぇ)。

○キャスティングの難しさ
まず、給仕長レオポルド役のAlexander Puhrerは良い男過ぎてしまい、何でヨゼファがつれないのかが、今ひとつピンときませんでした。なお、翌日登板したRainhard Fendrichの方が、仕事はできるがヨゼファの好みではない給仕長のイメージにはぴったりでした。年齢的にもあっていますし、お芝居も上手でした。最高のレオポルトでしょう。

また、ヨゼファ役のIngeborg Schöpfは歌や演技は安定しているのですが、女性として強すぎるようなイメージがありました。本来、ヨゼファの役は、「白馬亭」という名門ホテルを未亡人の立場で任されているという役割から来る強さがある反面、本当は寂しさを内面に秘めた女性だと思っています。しかし、Ingeborg Schöpfは、寂しさを感じさせるような雰囲気がありませんでした(特に第三幕で、皇帝と二人きりで語り合う場面で、本来は寂しい一面をのぞかせるのですが…伝わってきませんでしたね)。

また、弁護士のジードラー役のCarsten Süssについては、やり手の弁護士というには軽い感じがしてしまい、「何でヨゼファが惚れるの?」という感じでした。

ギーゼケ役のKlaus-Dieter Lerche、オッティリエ役のAnja-Katharina Wiggerは、なかなか雰囲気が出ていました。また、ジギスムント役のSerge Falckについては、「ぼんぼん」の雰囲気は出ていました。

しかし、ジギスムントは、実はプレーボーイ的な側面もあるのですが、ここは弱かったですね(単なる「ぼんぼん」。ただし、これは演出上の問題かもしれません)。

このほか、昆虫学者のヒルゼルマン教授役とErik Göllerはそれなりの雰囲気を出していました。クレールヒェン役のIna Nadine Waglerについては、「発音にコンプレックスを持つ奥手な娘」にしては、最初から快活な感で、ちょっと雰囲気が違うような感じがしました(演出の都合かもしれませんが)。コンプレックスがなくなったとたん、快活な娘に変身するというところが面白いんですけれどね。

○二幕がちょっと残念
さて、「白馬亭にて」では、どこで休憩を入れるかが難しいオペレッタです。今回、一幕をかなり拡大して、その後、休憩を挟み、二幕と三幕を続けて上演する方式でした(実際には、二幕第一場前半のレオポルトが解雇され、「進軍の唄」を歌い、雰囲気をとりつくろうため、ヨゼファが「ザルツカンマーグートの唄」を歌うところまでを一幕にしていました)。

また、意外と細かい演出がなされているのですが、遠くから見ていると、よくわからない点が惜しまれます。

ところで、一幕は良かったのですが、時間の関係からか、二幕がかなり省略されてしまい、お話の必然性が薄れてしまいました。

例えば、ジギスムントとクレールヒェンは、本来、ここへ来る列車の中で出会うことになっているのですが、今回はジギスムントはスポーツカーで、お金がないヒルゼルマン教授とクレールヒェンは馬車でやってきます。もちろん、白馬亭の前でギズスムントが一目惚れするという展開も「有り」なのですが、それにしては出会いが唐突。

さらに、二幕の前段で、ヨゼファがレオポルトを解雇する場面があるのですが、ここもはっきりとしませんでした(場面そのものは設定されているのですが、わかりにくいという印象でした。広い場所ですから、難しいのですかね)。そのため、皇帝フランツヨーゼフが来ることになり、レオポルトを再雇用するための二人のやりとり(これは名場面)が弱くなってしまいました。いったん解雇したレオポルトを再雇用するため、レオポルトが条件を出し、プライドの高いヨゼファが渋々条件をのむ…というところが面白いのですがね…

この他、三幕でジギスムントがクレールヒェンの発音を直すため、「君を愛している」という言葉を言わせる名場面がありますが、今回は舞台手前の水路に足こぎボートで二人が登場しながら行うという展開でした(本来は山の避難小屋)。また、フォルクスオーパー版では、発音が直ったクレールヒェンが、野暮ったい娘から魅力的な娘に変身するというドラマチックな演出もあったのですが、メルビッシュ版では、ここは普通でしたね。

また、前後しますが、一幕で、ジードラーは自転車で白馬亭にやってくるのは良いのですが(常連客ですから)、双眼鏡を首から提げて、やたらに周囲を眺めるという演出がありました。これですと、常連客のイメージがでないのですよね。

また、ギーゼケとオッティリエは当初、レオポルトの策略で、ジードラーが予約してある4号室に通され、その後、別の部屋に移動させられるのですが、今回は「別館」に移動していました。本来、こちらの別館はお金がないヒルゼルマン教授が通されるのが普通なのですが…(オッティリエに惚れてしまったぼんぼんのジギスムントがお金を出して、ヒルゼルマン教授一行を、本館側の部屋にご招待したというのがお話の筋でした。ここは、結構手の込んだお芝居でしたね)。

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三組のカップルが誕生するため、お話がややこしくなるのですが、今回はジギスムントとクレールヒェンの関係については、かなり単純化してわかりやすくしたような感じがします。ただ、ヨゼファとレオポルトの「恋の駆け引き」がもう少し、メリハリをつけて欲しかったような気がします。ただ、このような広い場所でのオペレッタでは、難しいのかもしれませんが…

しかし、Feriとしては、予想通り、アウトドアのメリットを最大限発揮した「白馬亭にて」に仕上がっていたと思います。正直、一幕の途中で、ウルウルきてしまいました

ところで、現地で生中継されたテレビでは、NHKの文字がでなかったとか…日本で放送されるかどうか、心配です。

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