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September 11, 2008

今シーズンの「地獄のオルフェウス」

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2007/2008シーズンにプルミエを迎えた「地獄のオルフェウス」は、全体的な評判も良く、今シーズンも継続上演となりました。

オペレッタにはまっているFeriは、機会があれば同じ演目を何回か観ることにしていますので、今シーズンもさっそく「地獄のオルフェウス」を観てきました。ちなみに、前シーズンだけで、19回上演されていますが、これは1年間の上演回数としては、多い方でしょう

さて、当日の出演者ですが、出演者リストを見て、びっくり仰天。前シーズンのキャストと全く同じでした。キャスト変更の多いフォルクスオーパーにしては珍しいですね。

ちなみにプリュント役がChristian Baumgärtel、ジュピター役がCarlo Hartmann(この人が体格からしてジュピターにぴったり)、オルフェウス役がTomas Sigwald、ジョン・シュティックス役がPerter Matic、メルクール役がWolfgang Gratschmarier、オルフェウスの妻ウリディース役がJennifer Bird、ジュピターの妻ジュノー役がHelga Papouschek、ダイアナ役がMartina Dorak、キューピット役がGerald Pichowetz(ご存じ、人気のキャバレストです)、ミネルヴァ役がUlrike Pichler-Steffen、マーキュリー役がStefan Tanzer、バッカス役がRegula Rosin、世論役がErni Mangoldでした。ダブルキャストでの入れ替えはありましたが、すべて前シーズンの出演者です。

なお、指揮は女性のEilsabeth Attlがつとめました。この指揮者、小柄なのですが、体全体を使った指揮ぶりが印象的です。また、歌の部分は自分で口ずさみながら指揮をしているようでした。ところで、途中、何回かコンサートマスターに指示をしている場面が見られましたが、細かいところに「こだわり」があるのでしょうかね。来日公演でも「マルタ」で指揮をつとめていましたね。

さて、演出そのものは、前シーズンと同じです。また、出演者もこなれてきているので、安心してみることのできる舞台に仕上がっていました。また、役者さんが歌う場面も、なかなか堂に入ってきました。とくに世論役のErni Mangold、キューピット役のGerald Pichowetzなどは良い味を出していましたね。歌で見事だったのは、ウリディース役のJennifer Birdです。ソロで歌う場面が多いのですが、声も充分に出ており、お客さまを魅了していました。

演出や展開については、昨年9月の当ブログに掲載しておりますので、そちらをご覧ください。それにしても、火薬を使った演出の多いこと。実際、一階席の前方にいると、火の熱が伝わってくるのですよ。本当。そのため、やたら派手に見えます(もちろん、お芝居もしっかりしていますが)。余談ですが、三幕でオリンポスが使う「稲妻の杖」から火が出なくなってしまうという「落ち」がありました(本来は盛大に火が出てから、稲妻の効果音が鳴るのですが… )。

また、改めて観ると一幕で、ウリディースをヴァイオリン音楽で責め立てるシーンでは、オルフェウスの教え子役(女性)が本当にバイオリンを舞台上で弾いていました。ということは、フォルクスオーパー所属のバイオリニストさんなのでしょうね。ちゃんとバイオリン演奏ができる人を起用するところは、たいしたものです。

ところで、前シーズンで味を占めたのか、役者の皆さんも、歌う場面を楽しんでいるように感じられました。出演者が楽しんでやっていることが、よく伝わってきます。

フォルクスオーパー「地獄のオルフェウス」は派手な演出や奇抜なバレエが注目されてしまうのですが、実はお芝居がしっかりしています。そのため、言葉がわからないと、面白くない場面が多々あります(実際、ギャグが連発されるところがあります)。舞台上に英語版字幕がついているので、以前よりは理解を助けてくれますが、あらかじめ「あらすじ」でお話の展開をよく理解してからご覧になると、楽しめると思います。

「こうもり」や「メリーウィドウ」とは、ひと味違ったオペレッタですが、「人間心理の本質」をよく掴んだ楽しい舞台に仕上がっていますので、機会があれば皆さんも、ぜひご覧ください(マイヤーは、来日公演でこれを持ってきたかったでしょうね )。ただ、仮に日本で本プログラムを上演する場合、火の部分は制約が多いので、雰囲気がかなり変わると思います。

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