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September 12, 2008

グルベローヴァ登場「ナクソス島のアリアドネ」

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当ブログをよくご覧の皆さまは、そろそろグルベローヴァの話題が出るだろうと思っていらっしゃるでしょう。

その通り 。9月の国立歌劇場目玉公演はグルベローヴァがツェルビネッタを演じる「ナクソス島のアリアドネ」です。Feriは2005年12月にグルベローヴァが出演した同公演を観ていますが、やはり見逃せない演目ですね )。

余談になりますが、グルベローヴァが国立歌劇場に出演するとき、なぜかフォルクスオーパーではFeriの好きなオペレッタをやっていることが多いのです(マーフィーの法則か?)。今回もフォルクスオーパーでは当日、よりによって「メリーウィドウ」を上演中…さすがのFeriもグルベローヴァにはかないませんでした。

さて、当日のキャストですが、指揮はKirill Petrenko(3月の時は、グルベローヴァが出ないにもかかわらず、ハイダーが指揮したのですがね)、執事役はHelmuth Lohner、音楽教師役がMicael Volle、作曲家役はMichaela Selinger、テノール役(バッカス役)はThomas Moser、ツェルビネッタ役はEdita Gruberova、プリマドンナ役(アリアドネ役)はCamilla Nylund、道化師ハルレキン役がMarkus Eiche、トルファルディン役がWolfgang Bankl、スカラムッチョ役がPeter Jelosits、ブリゲッラ役がAlexander Kaimbacherといった面々でした。

今年3月の公演と比べると、音楽教師役、作曲家役、トルファルディン役、スカラルムッチョ役、ブリゲッラ役は同じ歌手でした。

プロローグの主役は、クライアントから出される様々な要望に悩み抜く作曲家ですが、前回同様、Michaela Selingerが良い味を出していました(現実の世界にもクライアントの無理難題に悩むビジネスパーソンは多いですから、他人事ではありません)。比較的小柄な方ですが、声も充分に出ており、音域も広い…見事な作曲家ぶりでしたね。ところで、この役をガランチャにやらせたいと思うのはFeriだけではないでしょう。

プロローグでは、ツェルビネッタは、意図的に歌を押さえて、作曲家との掛け合いをはじめとする演技で場を盛り上げるところが面白いですね。

さて、注目は休憩後の「劇中オペラ」での目玉は、何と言っても中盤、ツェルビネッタが「去った男を忘れれば、新しい愛に巡り会う」と切々と歌う場面ですね。さすが、グルベローヴァ、この場面は本当に見事でしたね。口の悪い人は、「この後はオマケみたいなもの」と言っています。事実、立ち見席のお客さまの中には、この場面が終わったら、さっさと帰ってしまった方もいました。

ところで、今回、改めてグルベローヴァのツェルビネッタを観て感じたことは、歌唱力や歌唱技術に加えて、演技がすばらしいことです。歌舞伎の女形ではありませんが、ちょっとした仕草で、若い女性を舞台上に再現できるのですから、これは驚異としか言いようがありません。もちろん、オペラグラスでアップを観れば、それなりのお歳ですから、ちょっと…と思う方も多いでしょう。しかし、舞台を観ていると、本当に若い女性かと見間違う見事な演技でした。

つまり、実年齢とかなり離れた役を演技力によって担当できる。最近では、こういった高い演技力を持つ歌手が減ってきているだけに、あらためてグルベローヴァのすごさを感じます。

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当然、このパートが終わった後は、延々5分以上も拍手とブラヴァの嵐…なかなか次のパートに入れませんでした。
そして、カーテンコールでは、久しぶりに大量の花束がグルベローヴァに投げ込まれました。10月のウィーン国立歌劇場来日公演ではコンサート形式ながら、「ロベルト・デヴェリュー」では、エリザベッタを演じますが、嫉妬に狂うエリザベッタ(こちらは怖いくらいの威厳と迫力があります)と、可憐なツェルビネッタを同じ歳で演じることができるグルベローヴァは、本当にすごいですね。

ところで、7月にミュンヘンで見かけた「横断幕を持ったグループ」が、こちらにも来場していました。

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Comments

自己RESですが、その後、確認したところ、ガランチャの旦那さんはKarel Mark Chichonという方で、昨晩の方とは別人でした。なお、今シーズンからウィーン国立歌劇場に登場するようです。

http://www.karelmarkchichon.com/

Posted by: Feri | September 12, 2008 22:41

お久しぶりです。saraiです。
グルベローヴァのツェルビネッタはよかったでしょうね。見たかったですね。2000年のウィーンの引っ越し公演で見たのが最後です。
ウィーンで見たときのツェルビネッタはダムラウでなかなかよかったのですが、グルベローヴァは別物ですね。
それにしても、Feriさんはいつもウィーンに行けて羨ましい限りです。
では、また、お邪魔します。

Posted by: sarai | September 13, 2008 11:35

saraiさま、コメントありがとうございます。
2000年の引っ越し公演では、グルベローヴァは「シャモニーのリンダ」と「ナクソス島のアリアドネ」の二つに出演していましたよね。
Feriは、「シャモニーのリンダ」だけ観ていますが、そのとき、“何とすごい歌手がいるものだ…”と滝に打たれたような感じでした。それ以来、追っかけみたいになってしまったのですが

なお、新聞によるとグルベローヴァは、ツェルビネッタ35周年のようです。しかし、35年も同じ役を演じることができるところが、これまた驚異ですね。

今シーズン、グルベローヴァは、2009年の初夏まで国立歌劇場に登場しないのが、ちょっと残念です。

余談ですが、9月は異変が起こっております。それは、チケット(カテゴリーAとB)が大量に売れ残っていることです。6月の発売段階では、各公演とも完売状態だったのですが、その後、8月後半くらいから残件が大量に出ています(それも二桁)。どうやら旅行会社が押さえていた分が出てきたらしいのですが、値上げの影響で、売れ行きが鈍っているのでしょうかね。

Posted by: Feri | September 13, 2008 15:26

saraiです、こんにちは。
グルベローヴァは、ツェルビネッタ35周年なんですか。saraiが初めて見たのは1990年のバルセロナのリセウ劇場でした。18年前ですから、ちょうど、キャリアの半分くらいだったのですね。まだ、その時はsarai自身が未熟で、彼女の凄さがよく分っていませんでした。今考えると惜しい気がします。
2000年のときの引っ越し公演のときのツェルビネッタは凄かったと記憶しています。
saraiは個人的に、グルベローヴァはツェルビネッタとルチアが一番お好みです。
また、聴けることがあるか、予測できませんが、まあ、十分、楽しませてもらったとも感じて、感謝の気持ちです。
ところで、シュターツオーパーのチケットが売れ残っているとは意外です。まあ、チケットを購入する立場からは歓迎ですね。

Posted by: sarai | September 13, 2008 17:40

saraiさま、度々ありがとうございます。

チケットの件ですが、直前になると「戻ってくる」ような雰囲気です。実際問題、6月の発売当日には売り切れでしたから

日本から来る場合は、どうしても1ヶ月前発売で購入するため、辛いですよね。

ところで、グルベローヴァですが、最近では「ロベルト・デヴェリュー」は、すごい迫力です。ご本人も、年齢的に近くなるのを待っていたようで、それだけに迫真の演技です。来日公演が、舞台装置なしなのが、お芝居の上手なグルベローヴァだけに残念です。

Posted by: Feri | September 14, 2008 00:11

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