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November 14, 2008

番外編 グルベローヴァ・リサイタル in TOKYO

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ウィーン国立歌劇場来日公演「ロベルト・デビュリュー」で、圧倒的な存在感を示したエディタ・グルベローヴァのリサイタル「オペラ・アリアの夕べ」が、11月13日から始まりました。今回は、東京(サントリーホール)の他、新潟(18日、りゅーとぴあコンサートホール)、大阪(23日、ザ・フェスティバルホール)、横浜(27日、みなとみらいホール)の4箇所で開催されます。

グルベローヴァのリサイタルでは、通常、ピアノ伴奏や指揮は旦那さんのフリードリッヒ・ハイダーさんが担当するのですが、今回は、先にお帰りになったようで、オーストリア生まれのラフル・ヴァイケルトが指揮を振るうことになりました。また、演奏は東京交響楽団が務めました。

指揮のラフル・ヴァイケルトは、オーストリアの出身で、ボン歌劇場の音楽監督、フランクフルト歌劇場総音楽監督、サルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団および州立歌劇場の主席指揮者、チューリヒ歌劇場の音楽監督を歴任した後、フリーの指揮者に転身した方です。現在では、ウィーン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場などにも客演しているようです。

オペラ・アリアの夕べ」という副題からもわかるように、今回はグルベローヴァ得意のオペラ・アリア(主にコロラツゥーラもの)が聴けるとあって、好き者Feriも押っ取り刀でサントリーホールへ出かけてきました。当ブログをご覧になっている方の中にも、お出かけになった方も多いと思います

ただ、オーケストラ付きのリサイタルでは、必ずオーケストラだけの演奏があるため、アリアが少なくなってしまうのが、ちょっと残念です。もっともグルベローヴァのアリアだけという訳にもいかないでしょうが…

しかし、オーケストラが、ウィーンフィルやウィーン国立歌劇場管弦楽団だったら…それは贅沢というものでしょうなぁ。恐らく、会場の皆さまも、声に出しては言えませんが、本当はそれを望んでいるでしょうねぇ

さて、当日の演目ですが、第一部はモーツァルトものでした。まず、モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲(オケ)、モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」“あの人でなしは私をあざむき”、モーツァルトの歌劇「皇帝ティトゥスの慈悲」序曲(オケ)、モーツァルトの歌劇「イドメネオ」“この心の中に感じるものすべては”、モーツァルトの歌劇「イドメネオ」バレエ音楽(オケ)、モーツァルトの歌劇「イドメネオ」から“オレステとアイアスの苦しみを”が上演されました。

モーツァルトのアリアは、ちょうどウォーミングアップに良いようで、グルベローヴァも抑え気味に歌っていました。しかし、それでも、ツボは押さえており、見事でしたね。ちなみに第一部は白いドレスで登場しました。

休憩を挟んで、第二部は、お待ちかねのベルカントものです。チラシにも載っている赤いドレスで登場し、まず、ドニゼッティの歌劇「シャモニーのリンダ」 から“この心の光”をグルベローヴァが歌いました。ウォーミングアップも終わった感じで、見事なコロラツゥーラを聞かせてくれました。

その後、ベッリーニの歌劇「ノルマ」序曲(オケ)、続いて、ドニゼッティの歌劇「ルクレツィア・ボルジア」“安らかに眠っている~なんと美しい” (この演目は、現在、スペインはバルセロナのリセウ劇場でグルベローヴァ出演により上演されているものです。当然、Feriも聴いたことがありません。グルベローヴァも本邦初の演目です)が披露されました。

“安らかに眠っている~なんと美しい”は、実の息子を愛してしまった母親の悲劇の発端となるアリアだそうですが、お話を知らないので、どのような位置づけなのかがわかりません。あぁー、残念。なお、「ルクレツィア・ボルジア」は2009年2月に、いよいよバイエルン国立歌劇場でグルベローヴァ出演で、上演されることが決まっています。今回、広い音域を問われる見事なアリアを聴いて、ぜひ、オペラ全編で観たいと強く思うようになりました。本当にすばらしいアリアでしたね

その後、オーケストラによるロッシーニの歌劇「ギョーム・テル」から序曲が演奏されましたが、この「ギョーム・テル」だけがプログラムの中で、関連性が弱く浮いている感じがしましたね(オーケストラの皆さん、すみません )。

公式プログラムの最後は、ベッリーニの歌劇「海賊」から“その汚れない微笑みと”(これも聴いたことがない演目です)。このオペラについては、内容を知らないのですが、グルベローヴァお得意の「狂乱のアリア」なのです。最後に、グルベローヴァの真価を発揮する「すさまじい演目」を持ってきたものです。 これは、非常に演技力を要求される歌で、正にグルベローヴァにうってつけのアリアでした。公式プログラムの最後が、印象深いアリアだったので、会場は非常に盛り上がりました 。すごかったですねぇ。

さて、アンコールの一曲目は、サプライズ。何と、バーンスタインの「キャンディード」から“きらびやかに楽しく”でした。これにはちょっとびっくり。グルベローヴァのバーンスタインは、予想できませんでしたが、ご本人も、リラックスして楽しみながら歌っていましたね。これもまた、すばらしいアリアでした。

そして、大サービス。二曲目はヨハン・シュトラウスⅡのオペレッタ「こうもり」からアデーレが歌う“田舎娘の姿で”でした。これは、Feriの読みどおりでした。というのは、以前のリサイタルでもアンコールで実施しており、かつ歌手への負担も比較的少ない演目なので、今日も入れるだろうと思っていました。

が、今日は、よほどご機嫌が良かったのか、“田舎娘の姿で”を歌っているときのお芝居(特に表情の作り方)が、ノリノリでした。コンサートながら、オペレッタ歌手真っ青な演技にはFeriも脱帽です。特は、表情は百面相の様相を呈していました。

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当然、カーテンコールでは盛大な拍手が行われ、何度も舞台に登場していました。サントリーホールは音響が良いので、余計に印象深いコンサートになりましたね。

ところで、今回、比較的前方の席だったので、グルベローヴァの表情を大変良く観察することができました。オペラ歌手としては当たり前のことなのかもしれませんが、表情を見ていると、歌の舞台設定や、役の心理などをしっかりとイメージし、本番のオペラさながらの役作りをしていることがわかります(おそらく、ご本人の頭の中には、舞台シーンがしっかりとイメージできていると思います )。

通常のオペラでしたら、流れの中で自然と役の心理や立場がつくられてくると思うのですが、リサイタルの場合、単独でアリアを歌う訳ですから、結構大変だと思います。それを、いとも簡単にやってのけてしまうところが、グルベローヴァのすごいところかもしれません。また、歌っているときの「集中力の高さ」が、ひしひしと伝わってきます。

一方、今回のオーケストラ、東京交響楽団も一生懸命演奏しており、好感が持てましたが、前半のモーツァルトはちょっと弦が堅い感じがしました。逆に、第二部の「ノルマ」では、もう少し弦が強い方が良かったように気がしました。また、後半は、オーケストラの演奏とグルベローヴァの歌が分かれるような演目が選曲されていましたが、これは慣れないオーケストラとの共演するための対策ではないかと思います。

お開きの後は楽屋口で恒例のサイン会も行われ、グルベローヴァと指揮者のラフル・ヴァイケルトが、ファンにこたえていました。

さて、余談ですが、会場で、Feriが最近、会っていなかった親戚ご夫婦とばったり。親戚ご夫婦は、クラシック音楽のファンですが、グルベローヴァは今回が初めてとか。

とにかく、コンサート会場で親戚と会ったのは初めてで、びっくりし仰天です。これがグルベローヴァがご縁というのも、何やら不思議な気がした一夜でした


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Comments

グルヴェローヴァ、私も大好きな歌手の一人ですが、まだまだ現役どころか素晴らしいコンサートをなさったようで、とても嬉しくなりました。素敵なレポートをありがとうございました。

Posted by: Omuro | November 15, 2008 00:48

Omuroさま、コメントありがとうございます。

実際にリサイタルを聴いての感想ですが、リサイタルでしたらば、まだまだご活躍できると思います。ただ、オペラの場合、さすがに負担が大きいですから、いつまで続けて頂けるか…それが気になります。

もしかするとオペラ出演での来日は、今回が最後になるかもしれませんね

Posted by: feri | November 15, 2008 07:34

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