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January 20, 2009

番外編 ハンブルク歌劇場「メリーウィドウ」プルミエ(その1)

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さて、以前でも当ブログでご案内したドイツ・ハンブルク州立歌劇場の「メリーウィドウ」をついに見てきました。全国のオペレッタファンの皆さん、冬の北ドイツで上演される「メリーウィドウ」…興味があるでしょう。

同劇場の「メリーウィドウ」は1月18日がプルミエでした。こともあろうに、このプルミエのチケットが手に入ってしまいました。という訳で、予想もしなかったハンブルク詣でとなった次第です。ついにオペレッタの「プルミエ・レポート」を、ウィーンやオーストリア以外からお届けするとは思いませんでした。

ちなみに、ハンブルクはFeriにとって非常に思い出の深い土地です。というのは、今から30年前、ヨーロッパで初めて訪れた都市が、ハンブルクだったのです 。この話は、後日お伝えしましょう。

まず、注目すべきは指揮者に、かつてフォルクスオーパーで活躍していたKaren Kamensekが起用されたことでしょう。彼女がフォルクスオーパーで最後に指揮をしたオペレッタは「シカゴの公爵夫人」でしたが、それまでに多くのオペレッタを振っています。結果的に、これは大正解で、演奏に関してはハンブルク・フィルハーモニカの力を充分に引き出していたと思います。

少なくとも、当初、予想していたような違和感は、全くありませんでした。さすがに細かいところを比べると、演奏慣れしているウィーン・フォルクスオーパーの方が格段に上ですが、Feriが予想していたよりも、自然な感じでした。このあたりは、指揮者Karen Kamensekの指導が功を奏しているのでしょう。逆に奇抜な演出で、演奏がメタメタだったら、話になりません。

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さて、キャストですが、ツェータ男爵役はGünter Neumann、ヴェランシェンヌ役はGabriele Rossmanith、ダニロ役はNikolai Schukoff、ハンナ役はCamilla Nylund、カミール・ド・ロション役はJun-Sang Han、カスケード子爵役がDominik Köninger、タウル・ド・サン=ブリオシェ役がPeter Galliard、シルヴィアーヌ役(ボグダノヴィッチの妻)はTrine W. Lund、ボグダノヴィッチ役はKyung-Il Ko、オルガ役はAnn-Beth Solvang、クロモウ役はSven Olaf Gerdes、プラスコーヴィア役(プリチッチの妻)はRenate Spingler、プリチッチ役はGünter Hartmann、ニェグシ役はFrieder Strickerでした。

とにかくびっくりしたのは演出です 。考えてみれば、ハンブルクで普通に「メリーウィドウ」を上演しても、注目されることはないでしょう。そういう意味で、あえて奇をてらった演出を採用したと思います(要は、「勝負に出た」訳ですね )。

普通は序曲の途中で幕が上がりますが、当公演では演奏の前に巻くが上がります。時代は第二次世界大戦が終結した1945年。ドイツを占領したGI(古いですねぇ。要するにアメリカ兵)3名(男性2名、女性1名)が乗ったジープが出てきます。その場所は、実はかつて「メリーウィドウ」の映画を撮影した名撮影所なのです。

しかし、戦災を受けて、撮影所は崩壊状態。やってきたGIは、持ってきた「メリーウィドウ」の録音テープを再生し、映画「メリーウィドウ」のシーンに思いをはせます。ここで、序曲の演奏が始まります(写真がそのシーン)。

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まず、ここまでで、普通の演出ではないことが明白になりました。また、大道具は基本的に少なく、背景に高輝度プロジェクターから投影されたリアルな映像を多用し、変化をつけるという演出でした。この映像がなかなか見事で、下手な大道具よりも、見事でしたね。さすがはドイツ。また、映像ですから、一瞬にして場面転換が可能なのです。実際、廃墟となった撮影所から、一転してパリの町並みですからね。

1幕は、GIがテープを再生しながら、映画のシーンを思い浮かべるという想定で、話は進みます。従って、主なメンバーも「それなりの衣装」で登場して、歌います。おもしろいのはヴェランシェンヌとカミールのデュエットでは、カミールが歌いながらヴェランシェンヌのストッキングを脱がせるなど、ドイツらしいエロチックな表現が見られました(要するにストレートな表現ですね。このまま、一気に最後までいってしまいそうな雰囲気でしたね )。

そのうち、GI、3人組が、「メリーウィドウごっこ」を始めます。なぜか、男性二人はダニロとニグシ、女性はハンナです。そのため、ハンナもダニロも、ジープに乗って登場します。

台本を見ながら「メリーウィドウごっこ」をしているうちに、“だったら、今風の映画をつくってしまわない?”という話になり、1幕の後半、ハンナに男性陣がダンスを迫る場面から、突然、 映画撮影のシーンになります(想定場面もバイエルン・フィルム・スタジオになっていました)。

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実際、模擬キャメラやクレーン、ブームマイクを持った撮影スタッフが舞台を動き回ります。はじめは、迷彩服を着ていたハンナとダニロですが、このあたりから、ドレスアップした姿で登場します。また、「今風の映画」であるため、他の登場人物も軍服以外は、ドレスやスーツ姿に変わります。

映画の撮影ですから、監督(何となくアメリカの名監督の風貌)も登場し、登場人物に演技指導を行います。ちなみに演奏される曲目や順番は、基本的にオリジナルと一緒でしたが、お芝居の部分は大幅にカスタマイズされており、1幕は45分でした。ちなみに映画撮影クルーは、お芝居だけです。

長くなりますので、今日はこのあたりで…

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