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January 13, 2009

ガランチャが出演「Der Rosenkavalier」

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今日は、オペラの話題です(最後におまけを追加しました)。

かねてから観たいと思っていたガランチャ出演の「ばらの騎士」(Der Rosenkavalier)を、やっと観るチャンスに恵まれました。当ブログにコメントを寄せられる皆さまからも、“ガランチャのオクタビアンは良いですよ”という誘惑 が何度もあったのですが、なかなかFeriのスケジュールと公演スケジュールが合わず、チャンスに恵まれませんでした。

2009年1月、国立歌劇場で、わずか2公演ですが、ガランチャが「ばらの騎士」に出演することがわかり、やっと「思い」が実現しました。

さて、12日は指揮がAdam Fischer、主なキャストは、元帥夫人役がSoile Isokoski、オックス男爵役がLars Woldt、オクタヴィアン役がElina Garanča、ゾフィー役がIleana Tonca、ファニナル役がOskar Hillebrandt、マリアンネ・ライトメッツエリン役がIldikó Raimondi、ヴァルザッキ役がMicael Roider、アンニーナ役がJanina Baechleという面々でした。

ご存じの方も多いと思いますが、現在、国立歌劇場で上演されている「ばらの騎士」オットー・シェンクの演出で、今回が329回というロングラン・プログラムです。古い演出なので、舞台装置が写実的な点が特徴です(Feriは、こういった演出の方が好きですが… )。また、最近では珍しい休憩が2回入る演出になっています(これは、舞台装置が大きく変わるため、休憩を挟まざるを得ないという訳です)。

さて、注目のElina Garančaですが、予想以上にお芝居がうまいことを、改めて実感しました。特に1幕では小間使いに化けたあと、オックス男爵と元帥夫人が話をしている時、全く歌わない場面で、細かいお芝居により、男性が女性に変装している状況を描写していました(要するに男性の演技がしっかりできる訳ですね)。

さらに、「ノルマ」のアダルジーザ役では迫真の演技でしたが、今日のオクタビアン役ではコミカルな演技も多いのですが、これが見事に決まっていました。ガランチャは、意外とコミカルな演技も上手なのですね(1幕と3幕には、コミカルな場面が多々ありますが、本当に笑いがこみ上げてくる演技でした)。

やはり旧東欧圏の出身者は、オペラ歌手であっても歌と同時に、「演技の基本」がしっかりしていることがよくわかります。

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1幕では、元帥夫人とのベッドシーンから始まり、小間使い、騎士の姿と三種類の姿を見ることができましたが、いずれも決まっていました。しかし、一番決まっていたのは2幕の「ばらの騎士」ですね。銀のコスチュームが、本当に格好いいですね。ガランチャは、背が高い上に、失礼ながら顔が大きいため、ズボン役がぴったりと決まります(下の写真は2幕のカーテンコールです)。この他、3幕で元帥夫人の愛情に深い配慮を示す当たりの演技(歌も含めて)は見事でしたねぇ

また、元帥夫人役のSoile Isokoskiもベテランらしく、良い味を出していました。特に3幕でオクタヴィアンとゾフィーの恋を認め、自分が身をひく場面は、気持ちが演技に表れており、見事でした。

今回、初登場のオックス男爵役Lars Woldtは、本作品中では重要な役割を占めるキャラクターです。いわゆる「女性に目がない愛すべき男性」(この「愛すべき」が重要 )を、極端に下品にならないように演じなければなりません。その点、Lars Woldtは見事に「好色なおじさん」を演じていました。ただ、歌に関しては、思ったほど、声が出ていなかったように感じました。

この他、ゾフィー役のIleana Toncaは、役にふさわしい初々しい演技が印象に残っています。「ばらの騎士」は、完成度の高い演出に、ガランチャという「はまり役」を得て、たいへんすばらしい舞台に仕上がっていました。

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しかし、リヒャルト・シュトラウスのオペラは、いわゆる歌わない場面でも、細かいお芝居が求められることが多いので、歌手もたいへんでしょうね(「ナクソス島のアリアドネ」も、そういった場面が多かったと思います)

なお、指揮のAdam Fischerですが、こちらも熱演でしたね。何と表現したら良いのか、独特の指揮ぶり(体を屈伸させる場面があるんですよね)が印象的でした。

ところで、当プログラムは Jullus Meinlが特別スポンサーになっているのですが、当初、理由がわかりませんでした。実は1幕で元帥夫人の寝室にコーヒーを届ける役があるのですが、これがJullus Meinlのシンボル・キャラクターの少年そのままなのです。なるほどね(下の写真が同社のシンボルマークですが、本当にそっくりなのですよ)。余談ですが、オペラグラスで見ていたら、ポットには本物のコーヒーが入っていました。これ、本当

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しかし、実際に活躍する場面は1幕の前半に限られてしまいます。そこで、サービスなのか、3幕の最後に突然、登場して、酒場の中を歩き回るという設定になっていました。しかし、本当にシンボル・キャラクターとそっくりなのには、驚きましたね

カーテンコールも久しぶりに盛り上がり、「床鳴らし」もありました。なお、ガランチャですが、12日に新しい アルバムが発売になり、これからしばらくはプロモーションのためのコンサートが続くようです。

次回、ウィーン国立歌劇場への登場は、5月下旬の「ウェルテル」になりますが、これも見事な演技で、一見の価値有り…だそうです(悪魔のささやき )。あーあ、頭が痛いですね。

さて、ガランチャはご結婚されているのですが、旦那さんは指揮者です。昨年、コンツェルトハウスで行われたクリスマスコンサートでは、競演を果たしています。

で、どんな人か興味があるでしょう 。たまたまORFの放送に旦那さんが出ていました。

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Comments

Steppkeさま、コメント、ありがとうございます。

お返事は、こちらに移動させていただきました。
まず、映像作品に関する情報提供、ありがとうございました。
機会を見て、入手したいと思います。そうそう、自宅のDVDプレーヤーですが、なぜかPALも写るんですよね(オペレッタのDVDで実験したのですが…)。

そういえば、ムーティーも、以前、オクタヴィアンはElina Garančaのはまり役だと言っていたことがあるそうです。

来シーズンは、何に出てくれるか、気になりますが、その前に5月下旬のウィーン国立歌劇場「ウェルテル」をぜひ観たいと考えております。

Posted by: Feri | January 16, 2009 01:23

Feriさん
PALコンパチは、Specに明記していないメーカーもあるようです。
私は、Mörbisch(最近はNTSCも併売されていますが、最初のころはPALしか無かった)や、古い独墺のオペレッタ映画(さすがにPALしかありません)のDVDを観たかったので、カタログに書かれている機種を買いました。

5月の『ウェルテル』、行きたいですねぇ。ただ、6月のStaatsoper『無口な女』とVolksoper『アリアドネ』ははずせないので、やはり無理かなと思っています。

Posted by: Steppke | January 16, 2009 02:34

Steppkeさま、度々のコメント、ありがとうございます。

フォルクスオーパーの「ナクソス島のアリアドネ」は6月7日がプルミエですね。確かに、これは私も興味があります

理想的には「ウェルテル」の最終公演から「アリアドネ」プルミエまで滞在できれば、その間にグルベローヴァの「ランメルモールのルチア」も入って、ご機嫌なのですがね。誘惑が多くて、大変です。

私見ですが、ロベルト・マイヤーが関わったオペレッタは、恐らく2009/2010シーズンも継続上演されると思います。逆に「伯爵令嬢マリッツア」当たりが、来シーズンは外れそうな気がしてなりません(予想が外れると良いのですが…)。

Posted by: Feri | January 16, 2009 07:15

このブログの周辺には好事家(オタク?)として侮りがたいお方がいらっしゃるようです。Steppkeさんの情報収集力には脱帽です。無声映画「バラの騎士」が近年どこかで上映されたと聞いた記憶はありますが、まさか商品として現存しているとは思ってもいませんでした。あちらでの「バラの騎士」の人気の高さを物語っていますね。ウイーンの文化を語るときこのオペラは避けて通れないような気すらします。
日本でも「バラの騎士」ファンが増えますように・・・。

Posted by: Unicorn(ユニコーン) | January 16, 2009 14:52

Unicornさま、コメント、ありがとうございます。

ブログ主のFeriとしては、様々な深い知識をお持ちの皆さまのご協力で、新しい発見があれば、これ以上の幸せはございません(私も含めて)。また、コメント欄がそういった「情報交換の場」にご活用いただければ幸いです。

「ばらの騎士」ですが、リヒャルト・シュトラウスということで、日本では、ちょっと敬遠している人がいるのも事実なのですが、実際の舞台を見ると、確実に印象が変わりますね。

私もファンが増えることを願っております。

Posted by: Feri | January 16, 2009 15:45

さすがElina Garancaですね。私も行きたかったです。でも、その時はまだ8歳だったのでElinaすら知りませんでしたが...
Elinaといえばメトの「カルメン」が有名ですが私は「皇帝ティートの慈悲」や「バラの騎士」、「カプレッティとモンテッキ」などのズボン役もとても良く似合っていると思います。1回、Elinaのズボン役を見てしまうとカッコ良すぎてもう他のオペラ女優には戻れなくなりました。2017年の5月にはルネ・フレミングとの「薔薇の騎士」がメトのライブビューイングがあるので楽しみです。

Posted by: N | February 19, 2017 12:29

懐かしい記事にコメントを頂き、ありがとうございます。

最近、彼女はウィーン国立歌劇場に出演しなくなり、ちょっと寂しい気がします。

Posted by: Feri | February 19, 2017 20:02

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