« 「最後の晩餐」の仕掛け | Main | 番外編 ハンブルク歌劇場「メリーウィドウ」プルミエ(その1) »

January 19, 2009

番外編 バイエルン国立歌劇場「ノルマ」

Img_1379_001

昨年は来日公演もふくめて、グルベローヴァの歌声を楽しむことができましたが、2009年の前半、グルベローヴァはウィーンにはやってこないようですね。うぅーん、寂しい

グルベローヴァが出演するとなると、つい観たくなるのが人情。そこで、懲りもせず、やってきましたバイエルン国立歌劇場。ただ、昨年7月、アダルジーザにガランチャが出た公演が、恐らく近年では最高ではないかと思います。

さて、1月17日のキャストですが、指揮はStefan Anton Reck(昨年7月と同じ)、ポリオーネ役がAndrew Richards、フラーヴィオ役がFrancesco Petrozzi、オロヴェーゾ役がChristian Van Horn、ノルマ役がEdita Gruberova、アダルジーザ役がCarmen Oprisanu、クロティルデ役がAnaïk Morelというメンバーでした。配役は、昨年7月と大きく入れ替わっていますね。

なお、今回は、平戸間の席を確保できたので、舞台の状況をよく見ることができました。

さて、1幕の山場、ノルマが歌う「清らかな女神よ」は、さすがグルベローヴァ、見事に歌い上げていましたが、昨年7月よりは、今ひとつインパクトに欠けていたような気がしました。細かい技巧は、いつも通りなのですが、今ひとつ、調子が出ていないように感じました。

アダルジーザ役のCarmen Oprisanuはガランチャとは、違うタイプのメゾソプラノでしたが、背が高く、声量も十分で、見事な歌いぶりでした。一幕の後半、ノルマとアダルジーザの二重唱は、前回同様、二人の息がぴったり合って、すばらしいものでしたね。

実は、前回は、舞台装置がよく見えなかったのですが、実は「神殿の地下室」のシーンでは、上に神殿の一部が見えるような作りになっています。当然、階段で、神殿へ上がっていくことができるようになっていました。

1幕2場から神殿の地下シーンでのお芝居になります。ノルマは子供を思いながら歌う場面あたりから、グルベローヴァも調子が上がってきたようでした。このあたりの演技は、例によって「さすが」ですね。

2幕の前半では、アダルジーザとノルマの二重唱「お聞きなさい。ノルマ」が山ですが、こはアダルジーザ最後の出番なので、Carmen Oprisanuも熱演していました。とくにノルマ、アダルジーザ、オロヴェーゾの三人が重唱を披露する場面は、聴かせましたねぇ。

二幕の後半は、ノルマの父オロヴェーゾとポリオーネ、ノルマの三人が中心となりますが、ポリオーネ役のAndrew Richards、オロヴェーゾ役がChristian Van Hornとも見事な歌いぶりでした。ただ、オロヴェーゾ役のChristian Van Hornは若く見えるため、グルベローヴァが娘役だと、父親役としては貫禄不足という感じがしました(当たり前ですね。ノルマの弟のような感じでした)。

Img_1362_001

ところでオロヴェーゾの裏切りにノルマが立腹し、信者に戦闘を促すシーンは、迫力ある合唱がポイントですが、さすがにグルベローヴァ、声が合唱に埋もれないところがすごいですね。しかし、今のグルベローヴァを観ていると、「情念に燃えた女性の役」が一番ぴったり来るような気がします(この部分の迫力は鬼気迫るものがありました。本当に怖い)。

ところで、信者が戦闘に入ると、いきなり男女とも目刺し帽をかぶり、拳銃やマシンガンを持って、歌い出すのはねぇ。まるでテロリスト集団のようです。ビデオで見ていたものの、やはり違和感はありますね。特に、今のご時世ではねぇ…

二幕の後半はグルベローヴァが得意とする感情の起伏が多い場面で、オロヴェーゾとノルマのやり取りは、迫真の演技でした。とくに処刑台に縛り付けられたオロヴェーゾを解放する当たりは、歌もさることながら、悩み苦しむノルマの心模様が見事に表現されていました。

お開きの後は、恒例の「怒濤のカーテンコール」です。当然、「床鳴らし」大会です。しかし、冷静に見ていると、ドイツ人観客の熱狂ぶりは、すごいですね。明らかにウィーンとは違います(良い、悪いという意味ではなくて)。

Img_1377_001

今日は、ドイツ公演恒例の「ロビーでのサイン会」なく、楽屋口でサインに応じていました。「ノルマ」は、非常に負担の大きいオペラであるにも関わらず、23時過ぎから楽屋口でファンの要望にこたえているグルベローヴァには、頭が下がります。そうそう、グルベローヴァ・ファンクラブの皆さまも来ていましたね。

|

« 「最後の晩餐」の仕掛け | Main | 番外編 ハンブルク歌劇場「メリーウィドウ」プルミエ(その1) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 「最後の晩餐」の仕掛け | Main | 番外編 ハンブルク歌劇場「メリーウィドウ」プルミエ(その1) »