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February 11, 2009

番外編 「起承転々 怒っている人、集まれ!」のご紹介

2009_02_nbs

番外編が続いて申し訳ありませんが、今日は、ちょっと面白い書籍のご紹介です

日本にウィーン国立歌劇場やフォルクスオーパーを招へいしている財団法人日本舞台芸術振興会(通称:NBS)という団体があります。この団体の理事である佐々木忠次氏は、日本以上に海外のオペラ、バレエ界の有名人です。

その佐々木氏が、日本舞台劇術振興会の発行する「NBSニュース」というニュースレター(いわゆる機関紙ですね)に、1989年から20年近く「起承転々」というコラムを連載していました。このほど、このコラムが一冊の本になりました。

NBSにおける佐々木氏の仕事は、オペラやバレエのプロデューサーなので、コラムの内容は、基本的にはオペラやバレエを取り巻く環境にまつわるものです。海外から招へいしたカンパニーにまつわるエピソードや、同氏が率いる東京バレエ団の海外公演にまつわるエピソードも掲載されています。

とくに我が国の文化芸術を取り巻く環境に関する内容は、さすがに本場のカンパニーと接点を持つ同氏ならではの切り口が光ります。もちろん、同氏の考え方が前面に出ている内容ですから、全てが納得できるわけではありませんが、Feriにとっては興味深い内容が多いですね。

面白いのは、日本の新国立劇場や、日本の音楽評論に対する痛烈な批判です(裏話も沢山、出ていますね )。これは、Feriが日頃から感じていることを、ずばり指摘しています(というか、業界の人がここまで書いてしまって良いのかな…と思う箇所がありますが )。

後半は、どちらかというと内容が、社会批判の方向になっていますが、これは、舞台芸術を取り巻く社会環境という視点で取り上げているようです。

定期的に発行されている機関紙に連載されていたコラムに手を加えず本にまとめているため、内容が徐々に変わってきていることです。例えば、新国立劇場に関しても、企画段階、設立準備中、オープン後のゴタゴタなどが、時系列で紹介されています。

ただ、どうしても招へい元でもあるため、自分たちが招へいしたカンパニーに対しては、それを擁護する論調になっているところがあります。もちろん、NBSが招へいするオペラ、オペレッタ、バレエは、「ハズレが少ない」のは事実ですが、人間がやっている以上、完璧はあり得ません。プロデューサーとしてのご苦労は、大変よくわかるのですが、自画自賛的な内容には疑問を持つ方がいらっしゃるかもしれませんね

全ての人にお勧めできる本ではありませんが、海外、特にウィーンでオペラを観ている皆さまには、興味深い一冊だと思います。なお、発行元は新書館(http://www.shinshokan.co.jp/)です。

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