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March 12, 2009

フォルクスオーパーのモダンバレエはいかが?

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国立歌劇場に比べると演目のバリエーションが格段に多いフォルクスオーパーですが、その中でも毛色の変わった演目にモダンバレエの「Tanzhommage an Queen」(クイーンに捧げるダンスオマージュ)があります。平素はオペレッタかオペラ中心でバレエはあまり観ないFeriですが、たまたま観たい演目の「谷間」に当たったため、どんなものかと出かけてきました。

クイーン(Queen)については、ご存じの方も多いと思いますが、1973年から活動しているイギリスのロックバンドです。日本にも熱烈なファンは多いですね。

1991年に、リードヴォーカルのフレディ・マーキュリーが亡くなりましたが、その後も残されたメンバーで「クイーン」の活動は断続的に続いています。その後もメンバーの一部交代などもありましたが、正式に解散したことはありません(とは言っても、オリジナルメンバーの頃とは様変わりしていますが…)。

で、「このクイーンのナンバーを使ってバレエを踊る」というのが、本公演のポイントです。ミュージカルなどを上演することはあっても、基本的にクラシック音楽が主体のフォルクスオーパーで、ロックミュージック…果たしてお客さまの層などなど、興味深い公演でもあります

まず、当たり前ですが、さすがに器用なフォルクスオーパーのオーケストラとは言え、バリバリのロックミュージックを生で演奏する訳にはいかず、すべてEMI提供によるオリジナル音源を使用しています。つまり、本物のクイーンの演奏(もちろん 録音ですが)に乗ってバレエが披露される訳です。

バレエではありますが、モダンダンス的な色彩が強いため、若いメンバーが多数出演しているのが特徴です。出演者が多いので、スミマセンがキャストのご紹介は省略しますが、なんとびっくり、前日、国立歌劇場でバレエ版「こうもり」でJohann役をつとめたKirill Kourlaevが、こちらにも出ていました。連日の大活躍ですが、大丈夫なのでしょうかね(もっともソロでは、一幕後半からのご出演でしたが)。振り付けを間違えたりしないしないのは、さすがにプロですね

また、国立歌劇場ダンス学校の生徒(小さな子供さん)も、群舞で途中、何回か登場します。実は、このようなモダンダンスは、日本でもたくさん上演されていますが、ここのすごいところは、クラシックバレエのトレーニングを積み、徹底的に基礎をたたき込まれているメンバーが、モダンバレエに挑戦するというところです。

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さすがに、一つひとつの「技の切れ」が違います。日頃鍛えた柔軟な身体と技術があるからこそ、実現できる振り付けは、本当に見事です。男性デュオによる踊りもありますが、なかなか格好いいですね。ちなみに上の写真は、女性のお客さまから「黄色い声援」が飛んでいた男性デュオです

衣装に関しては、ロック音楽に合わせて、スポーティーなものが中心でした。笑ってはいけないのでしょうが、リードヴォーカルのフレディ・マーキュリーの格好に扮して登場するメンバーがいて、これが結構良い雰囲気を出しているのですよ(要するに似ているという訳です )。しかも、フレディ・マーキュリーの歌い方を真似するのです。

背景には、クイーンのライブ演奏の映像が加工して使われている場面もあり、ライブ会場に紛れ込んだような雰囲気を味わうことができます。このほか、歌詞の内容を生かした振り付けがあるので、変化に富んだ、楽しい舞台になっています。曲がロックですから、テンポの良さは、昨日ご紹介したバレエ版「こうもり」の比ではありません。

ちなみに、この写真はオープニングに登場する「王冠と英国国旗のオブジェ」ですね。この中からメンバーが出てきます。さて、オープニングの曲は、当然と言えば当然、定番の「WE WILL ROCK YOU」ですね

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興味があったお客さまの層ですが、Feriが観た日は、ウィーンおよび近郊の学生さんの団体がかなり入っていたので、まぁ、ロックコンサート並みの賑やかさでした(この人たちのお父様、お母様がクイーン世代でしょうねぇ)。しかし、若い頃クイーンの音楽に親しんだFeriと同じ世代の皆様も、結構、ご来場していましたね(歳がわかりますね 。Feriも、その昔、ラジオの深夜放送などでよく聞いたものです )。よく考えてみると、もはや昔のクイーンは、「クラシック・ロック」のジャンルですから、頷ける話です。実際、手拍子などもしており、皆さん楽しんでいました

さて、カーテンコールには、クイーンの名曲で日本でも有名な「WE ARE THE CHAMPIONS」のメロディーに乗って、参加者全員による群舞…という盛り上がることこの上ないエンディングが工夫されていました。また、このときは背景に、この作品のメイキング映像もちょっとだけ紹介されます。見事な「ダンスオマージュ」に仕上がっています。

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しかし、そもそも、なぜ、ちょっと毛色の変わった、この演目がフォルクスオーパーに登場したのか…この点はよくわかりませんが、おそらく、かつてクィーンに惚れ込んでいた演出家(BEN VAN CAUWENBERGHというのようですが)がフォルクスオーパーに売り込んだのだろうと思います。不思議なことに、結構、一般にも受けそうなモダンバレエにもかかわらず、上演しているのは、ここフォルクスオーパーだけなのですよね

ただ、この演目、ロベルト・マイヤーが総監督になる前に導入された作品なので、もしかすると今年あたりが最後になる可能性があります(これは確かめた訳ではありません。あくまでも最近の流れから出てきた推論です )。

クイーン世代のおじさま、おばさま、ぜひ、ウィーンにお越しの際には、昔の思い出がよみがえる「Tanzhommage an Queen」をご覧になってはいかがでしょうか。お開きの後、絶対にクィーンのメロディを口ずさみながら、帰りたくなります。

なお、たまたまバレエの話題が二つ続きましたが、Feriは決してバレエ専門に転向した訳ではありませんので…ただ、バレエの魅力を再認識しつつあるのは事実です

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