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March 15, 2009

ネトレプコ復帰戦は…

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産休に入っていたアンナ・ネトレプコが、3月、いよいよウィーン国立歌劇場で復帰しました(その前に、ニューヨークなどでは、すでに公演をしていますが、彼女は現在オーストリア国籍を取得しているそうなので、今回が地元での復帰戦となります)。

ネトレプコが出演したのは、“ランマムーアのルチア”です。さすがにチケットは完売。Feriも通常のルートでは入手できず、現地のエージェントさんにお願いしました(当然、値段は高いのはやむを得ません。お値段は内緒 )。

3月14日の指揮はMarco Armiliatoがつとめました。キャストは、エンリーコ役がGeorge Petean、ルチア役がAnna Netrebko 、エドガルド役がGiuseppe Filianot、ライモンド役はStefanKocán、アルトゥーロ役がMarianTalaba、アリーサ役がJulietteMars、ノルマンノ役がPeterJelositsという面々でした。かつて、グルベローヴァが出演したときとは、ずいぶんキャスティングが変更になっています。

まず、ネトレプコですが、産休中にかなり太ったという話が流れていましたので、この点も気になりました 。何しろ、今までスレンダーな姿でファンを魅了していた歌手ですからね。

さて、注目のネトレプコが登場するのは、第2場からとなります。ここは、ルチアとエドガルドが、二人で歌う唯一の場面なので、前半の見所でしょう。服装がゆったりしているために、思ったほど太ったという印象はありませんでした。やはりスターの要素である「華」がありますね。生を観て、よくわかりました

ただ、顔はふっくらした印象を受けましたね (もっとも、ネトレプコは、元々丸顔系なので、メイクによって、そのように感じたのかもしれません)。Feriは今までネトレプコは映像作品でしか見たことがありません。生は今回が初めてなので、厳密な比較はできませんが、声の艶や音域、声量などに大きな変化はなかったように感じました。ただ、このあたりは聴き込んでいる方のご意見を伺いたいところです。

意外と良かったのはエドガルド役のGiuseppe Filianotです。お芝居が進むにつれて、尻上がりに調子を上げてきました。

第4場は、ルチアとアルトゥーロの結婚式と、そこへエドガルドが乱入する場面ですが、この後、休憩となりました。第4場が、合唱団の出演も多く、前半の山場でしょうかね。

休憩後は、エドガルドがアルトゥーロに決闘を申し出る第5場から始まります。このあたりの演出や進行は従来と同じでした。
さて、注目はなんと言っても第6場、「狂乱の場」でしょう。ここでネトレプコの真価が問われます。まず、若いですから雰囲気はぴったりですね。また、歌もかなり良かったという印象です。

ただ、「狂乱の場」の演技に関しては、まだまだ研鑽が必要だと思います。実際問題、歌うだけで精一杯という印象を受けました。そのため、心にビンビンと響かないのです。今回は席が後ろだったのでオペラグラスで観ていましたが、まず、「気が触れた女性」にもかかわらず、視線がしっかりし過ぎているようです。そのため、表情が「気が触れている」ようには見えない時がありました(いかにも「演技ですよ」という感じ。もっとも、それでもレベルは高いですが…)。

グルベローヴァの場合は、実際に、「気が触れてしまったのではないか」と思わせるような演技、特に目線が宙をさまよっているのが印象的です。比較するのは気の毒ですが、さらにレベルアップして、新たなステージを開拓してもらいたいと思います。

もちろん、ネトレプコの場合も「狂乱の場」終了時の拍手はすごいものがありました(ここで出番が終わりますから)。
しかし、最後の場(地下の墓場)で見せたエドガルド役のGiuseppe Filianotの演技と歌は見事でしたね。感情の起伏がストレートに伝わってきました。ある意味、主役のネトレプコを完全に食っていた感じです(ブラヴァも一番多く出ていました)

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さて、注目していたのは、ネトレプコと同時に、お客さまです。さすがに第2場でネトレプコが出てきたとたんに拍手をするような人は皆無でしたが、やはり「話題の歌手」ですから、オペラ通以外が多かったようです。また、グルベローヴァの場合、女性のファンが多いのですが、さすがに美形のネトレプコ。男性のお客さまもいつもより多かったような気がします。それにしても、すごい人気(まるでポップスの歌手並)であることを再認識しました(人のことはいえませんが… )。ちなみにFeriの隣はフランス人のご婦人二人ずれでした(Giuseppe Filianotはイタリア人か…とかきいてきました)。なお、左の写真は当日の模様を伝えるDie Presseの記事です。

ちなみにシンコヴィッツ氏は、「深いルビーの赤ワイン色の声は、シャンパンの泡にはならなかった」とのコメントを寄せています 。言い得て妙ですね。どう解釈するかは、皆様次第。

ルチアに続くウィーン国立歌劇場でのネトレプコの次回出演は、彼女のはまり役「椿姫」(ヴィオレッタ)です。こちらはタイトなドレスで登場しますから、それまでにシェイプアップしてくるでしょうね。

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Comments

はじめまして。
私も14日ルチアを見て、同様にフィリアノーティが良かったと感じました。シンコヴィッツ氏の表現があまりに素晴らしく的を得ていると思いましたので、私のブログにも紹介させていただきました。お粗末なブログで恐縮ですが、私のブログからこちらにリンクできるように表示してもよろしいでしょうか?

Posted by: kametaro07 | March 18, 2009 21:37

kametaro07さま、コメント、ありがとうございました。
ウィーンの評論家というのは、辛辣ですが、ある意味、語彙力がありますね。私も勉強になりました。

さて、よろしかったら、ぜひリンクを張ってください。今後もお気軽にお立ち寄りください。

Posted by: Feri | March 19, 2009 07:56

saraiです。ご無沙汰しています。
早い話、ネトレプコは今ひとつだったということですが、ルチアを見られたお二人は羨ましい!
グルヴェローヴァのルチアはもう満喫したので?、絶好調のネトレプコのルチアを聴くことが目下のところ、念願です。
saraiはネトレプコは5月の椿姫を聴くことを予定していますが、とりあえず、彼女が無事、復帰したというところで安心しました。
貴重な情報ありがとうございました。
あとは5月のチケットが何とか入手できればというところです。

Posted by: sarai | March 19, 2009 13:10

saraiさん、こんにちは。
さすがに、高いレベルの「狂乱の場」を観てしまっていると、もの足りませんでした。
ただ、ネトレプコは、「華のある歌手」なので、ヴィオレッタはうってつけでしょう。あと、雰囲気からすると「ラ・ボエーム」のミミなども、はまりそうです。

私も実は5月にネトレプコの「椿姫」を観たかったのですが、その時期に出かけることが難しそうだったので「ルチア」にしました。

それにしても、すさまじい人気で、正に「プラチナチケット」です。チケットが確保できることをお祈りしております

Posted by: feri | March 19, 2009 18:18

アンナ・ネトレプコ、楽しみにしています。5月に椿姫に出ますね。エージェントを通したら、日本円換算で2万5千円の第1カテゴリーが6万円台に化けていますね。
とりあえず、昨年8月に申し込んで一度ははねられました。が、再トライしたら、入手できました。正規チケットで。
楽しみにしています。キャンセルしないこと、祈っています。ルチア、注目公演だったので、見たかったですね。

Posted by: TOMOMI | March 25, 2009 19:59

TOMOMIさま、コメント、ありがとうございます。

また「椿姫」のチケット、確保、おめでとうございます。たまに「戻りチケット」が出て、正規ルートで確保できることがありますね。ヴィオレッタはネトレプコにぴったりな役なので、大いに期待できると思います。後は、ご本人が若干シェイプアップしてくれるとベストかと…

Posted by: Feri | March 26, 2009 10:06

feriさん、saraiです。
こちらにもコメントさせてもらいます。
ビーブルの記念オペレッタの前日はシュターツオーパでネトレプコの椿姫。実は結局、チケットは取れず、やむなく法外な?値段でチケットを購入する羽目になりました。
が、それを忘れさせるような期待通りのネトレプコのヴィオレッタでした。1幕目の出だしはあまり、声が本来の美声ではなかったのですが、さすがに尻あがりに本来の美声に。
2幕目以降はsaraiには完璧なヴィオレッタでした。CDで聴くスカラ座のカラスよりも良かったというとカラスファンに叱られそうですが、今後、これ以上のヴィオレッタを聴けるとは思いません。
ただし、まだ太めでした(笑)。

もちろん、カーテンコールはスタンディングオベーション。これはお決まりですが。

シュターツオーパで聴いたフレーニのミミと双璧の快演だとsaraiは感動・・・

やはり、オペラは止められないですね。

Posted by: sarai | May 10, 2009 14:41

saraiさま、こちらも楽しみにしておりました。

Feriはザルツブルク音楽祭のテレビ放映でしか観たことがないのですが、今のネトレプコの場合、ヴィオレッタが一番似合う(はまり役)だと思います。コロラツゥーラなどの超技巧を要求されるパートもありませんし…それより雰囲気がぴったりですよね。

ところで、ネトレプコが出演するときは、ちょっとお客さまの層が違うような気がしませんか?(別にどうでもいいことですが)。

今から頭が痛いのは、2010年の今頃予定されている「カルメン」です。オリジナルのチケットも「N]という新しいカテゴリーが設定されていますので、もし市中で買うとなったら、いったいいくらになるのでしょうかね

しかし、ガランチャとネトレプコの競演は、ぜひ観てみたいものです(ホーレンダーの術中に見事にはまってしまったFeriでした)。

それから、Feriが注目しているのは、今月下旬から予定されているグルベローヴァ出演の「ルチア」です。前回はネトレプコ主演でしたから、おばさま(Feriは親しみを込めてそう呼んでおります)も、ある意味、気合い十分かと…

インフルエンザが歌手の皆さまに蔓延しないことを祈るばかりです。

Posted by: Feri | May 10, 2009 15:42

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