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May 04, 2009

フォルクスオーパーの「Guys and Dolls」

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リアルタイムで更新していながら、なぜか出ない音楽の話題
お待たせしました。久しぶりに「フォルクスオーパーの鑑賞記」をお届けしましょう。

今日は「話題の新作ミュージカル」です

2008/2009シーズンにプルミエを迎えたミュージカルに「Guys and Dolls」があります。日本語に訳すと「野郎どもと女たち」となるのでしょうかね。

ブロードウェイミュージカルですが、当然、Feriはオリジナルを観たことはありません。

「Guys and Dolls」は、デイモン・ラニヨンの短編小説「The Idyll of Miss Sarah Brown」を元に、ジョー・スワーリングとエイブ・バロウズが台本を仕上げ、フランク・レッサーが作詞・作曲を手掛けた手掛けた作品で、1950年にブロードウェイで上演された「古典」です。

当時、ブロードウェイでも絶大な人気を博し、1955年にはフランク・シナトラが出演した映画版も制作されています。「ミュージカルの古典」なので、ロンドンなどでも頻繁に上演されているようです。

フォルクスオーパー版もプルミエ前は、今ひとつ人気がなかったのですが、プルミエでの評判が良かったようで、追加公演が行われています(「アナテフカ」と交代)。当然、今では結構、席も埋まっています。

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お話ですが、賭場を開く資金(警察に見つからない場所の所場代が高いという、よくある話)の捻出に奔走するサイコロ賭博師ネイサンは、資金を確保するためギャンブラー仲間のスカイに、救世軍で伝道をしているサラをデートに誘えるか…という賭けを持ちかけます。一方、ネイサンはナイトクラブで歌うアデレードとの結婚問題を抱えています(婚約してほったらかし)。

当初、スカイの申し入れを断っていたサラですが、救世軍支部が閉鎖されることが検討されていることを知ると、信者を集めることと引き替えにスカイとのデートに応じます。キューバでのデートを通してサラとスカイの間には、ほのかな愛が芽生えるのですが、何とサラ達がいない間に、ネイサンたちが救世軍本部を賭博場に使ってしまいます。これを知ったスカイは、サラの愛とギャンブラーたちの魂を救うため、新たな賭けを考えます(この賭は、下水道の中で行われるのですがね…)。

後半、スカイとサラ、ネイサンとアデレイドという二組のカップルにまつわる恋物語を中心に話が進みます。途中、サラとネイサンが偶然に出会い、“愛する男と、とりあえず結婚してから、男たちを改心させよう”という話で意気投合し、女性達もまた、別の動きを始めます。

最後はタイムズスクエアに皆が集まり、幸せなカップルが誕生してハッピーエンド(何とスカイが救世軍兵士の格好で登場し、サラに変わって伝道を始めます)という、元気が出るミュージカルです。ギャンブラーたちの恋と人生への賭けを歌と踊りで綴る楽しい作品です。ギャンブラーをネタにしているところが、いかにもアメリカらしいですねぇ。

さて、当日の指揮はJoseph Olefirowiczがつとめました。主なキャストですが、Super-Super役がMarko Kathol、Benny役がThomas Markus、Rusty役がReinwald Kranner、Sarah役がJohanna Arrouas、Agata役がDagmar Bernhard、Arvide役がSándor Németh、Corporal役がFrederick Greene、Calvin役がHermann Lehr、Harry役がNicolaus Hagg、Brannigan役がPeter Pikl、Nathan役がRobert Meyer、Angie the Ox役がJoseph Prammer、Adelaide役がSigrid Hauser、Sky役がAxel Herrig、Ansager役がAlfred Werner、General役がRegula Rosin、Big Jule役がGerhard Ernst、Martha役がSusanne Litschauerという面々でした。

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演出は非常にオーソドックスで、当時にニューヨークの模様をよく再現していました(他では、今のニューヨークを舞台にしている例もあるそうです)。舞台装置も最近のオペレッタに見られるような抽象的なものではなく、かなり写実的なものでした。実際、救世軍支部前の通りには高架鉄道が走っているのですが、その高架線や電車が走るときの音も再現されていました

ミュージカルなので場面転換が多いのですが、スクリーンを上手に活用して、テンポの良い演出が光っていましたね。とくに一幕の途中、スカイとサラがニューヨークからキューバへ行く場面があるのですが、映像を拡大して場面転換を図るという、最近流行のスタイルを取り入れていました。短時間で場面転換が実現できる上に、視覚効果が高く、この仕掛けは見事でしたね

さて、キャストですが、今までオペレッタ「彼の地からきた従兄弟」や「愉快なニーベルゲン」では脇役を務めていたJohanna Arrouasが事実上の主役サラを演じていました。のびのびとサラ演じていたのが印象的でしたが、彼女のキャラにあっているようです。

また、救世軍のメンバーには、Feriがお気に入りのSándor Némethが入っていたのがうれしかったところです。もともとオペレッタでも彼はお芝居が上手なので、この手の役はお手の物…という感じがしました。いい味出していますね。

ネイサン役はRobert Meyerでしたが、やはりうまいですねぇ。出演者の多くは、役者さんなのかもしれませんが、お芝居の部分が多いので、このキャスティングは当たっていると思います。

休憩時間のお客さまを見ても、皆さん楽しそうで話が弾んでいましたので、急遽、公演数を増やした理由もよくわかります。理屈抜きに楽しめるミュージカルなので、Feriお勧めの作品です

ご年配の方も含めて、お客さまの反応も良く、幅広い年齢層に親しまれる作品に仕上がっていました。これが、ロベルト・マイヤーが目指している姿なのでしょう。

それにしても、この手法を是非ともオペレッタにも取り入れてもらいたいものです。来シーズンも大いに期待できそうですね

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Comments

Feriさんのブログ、いつも楽しみに拝見しております。
つかぬ質問で恐縮ですが、Volksoperでの英米語がオリジナルのミュージカル、My Fair ladyとか、このGuys and Dollsなど、セリフ、歌詞はすべてドイツ語化されているのでしょうか? あるいは歌詞はオリジナルのまま? 一度見に行きたいなと思っているのですが、そのへん、お教えいただければ幸甚です。

Posted by: Njegus | May 05, 2009 09:51

Njegusさま、お久しぶりです。

説明不足で申し訳ございませんでした。フォルクスオーパーのミュージカルは、全編「ドイツ語バージョン」で上演されています。

お芝居の部分のみならず、歌の部分もドイツ語に「吹き替え」られています。

以前から英語の歌をドイツ語に変えて歌いにくいにではないか…と思っていたのですが、先日、プロの歌手に話をうかがったところ、クラシックと異なりポピュラーではタイミングの取り方に幅があるので、間やテンポなどを調整しやすいので、さほど難しくないそうです。

また、ドイツ語圏のお客さまを対象としているため、英語字幕は出ません(オペレッタの場合は、英語字幕がでるケースもあるのですが)。

「マイ・フェア・レディ」も含めて、なかなか良くできているので、機会があったら、ぜひご覧ください。

Posted by: feri | May 05, 2009 10:09

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