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June 30, 2009

天使が微笑んだ日 ウィーンの奇跡

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ブログのメンテナンスの関係で、30日はアクセスできない状況が続いたようです。大変申し訳ございません confident

6月最後は、完全に「私的なエピソード」をご紹介しましょう。

先日、「RingTram」のお話を紹介しましたが、実は、後日談があるのですよ。

Feriが乗車したのは、お客さまの乗り降りが少ない運河沿いの某停留所でした。何しろ、乗車したときは、お客さまゼロでしたから。そのため、すぐに車掌さんがやってきて、親切に対応してくれました。チケットの種類を指定し、お金を払うと、“発車するから、席に座って待っていてください”とのこと。

普通、Feriは、こういった場合、会計を済ませ、財布をしまってから席に着くのですが、車掌さんに強く勧められてしまったため、先に席に着きました(実は、自分が習慣にしているシーケンスを省略したことが、この後の悲劇につながったのです coldsweats01 )。

しばらくすると、車掌さんが、乗車券、パンフレット、イヤホンを持ってきて、オーディオガイドの使い方を親切に説明してくれました。途中の停留所からお客さまが増えてきて、最終的にオペラでは、ほぼ満席になりました。

30分で自分が乗車した停留所に到着しました。せっかくだから親切な車掌さんに挨拶をして下車しようかと思ったのですが、前の停留所から乗ったお客さまが多かったため、チケット販売などで、バタバタしていたので、Feriはそのまま近くのドアから下車しました。

ホテルへ戻るには、時間が早いので、旧市内の馴染みのレストランで一休みすることにして、歩き始めました。幸い、天気も回復してきたので、テラス席で、 beer ビアを飲んで一休みして、さてお会計…という時、いつも入れてある場所に moneybag 財布が見あたらないことに気づきました(小銭入れはすぐに見つかったので、会計は問題ありませんでした coldsweats02 )。

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その時は、大きめのショルダーバッグを持っていたので、“きっとRingTramの車内で、パンフレットやチケットと一緒にバッグに入れたのだろう”と思い、レストランを出る前に、バッグの中を確認したのですが、出てきません。さすがのFeriも shock 顔から血の気が引いていくのがわかりました down 。現金はたいして入っていませんでしたが、メインで使っているクレジットカードとインターナショナルキャッシュカードを入れていたのです。

RingTramの車内以外で、財布を出した記憶がないので、自信はなかったのですが、車内で落とした可能性が高そうです。時計を見ると、下車してから、すでに40分ほど経過しています。ということは、現在、2周目を回っている計算になります。

本来は、警察へ向かった方が良かったのかもしれませんが、どこで落としたのか(もしくはスリにあったのか)はっきりしないため、説明ができません。

そこで、一番可能性の高いRingTramの乗務員に確認することから始めようと考え、自分が下車した停留所へ急ぎました。なぜ、自分が下車した停留所を目指したというと、ここはRingTramの乗務員が交代する場所なので、場合によっては付近にあるであろうWIENER LINIENの事務所を教えてくれる可能性があると考えたからです(日本では、普通、鉄道内の遺失物はいったん駅の事務所に届けられるので…でも、後からウィーンが同じだとは限らないと気づきましたが… coldsweats02 )。

ところが、停留所に到着したときには、タッチの差で、RingTramは出発していました despair (いつもは遅れることが多いのに、こんな時に限って、定時に運行されているものです)。仕方なく、停留所でRingTramが一周してくるまで待つことにしました。この時間の長かったこと。

この間、99.9%は財布が出てこないことを前提に、この後のクレジットカード無効手続きをどう進めるか、今日必要となる現金をどう手配するか、といったことを考えていました。

やがて、曲がり角から黄色い車体のRingTramが見えてきました。停留所に電車が停車すると、先ほどFeriが乗った時の車掌さんが、私を見つけて、ニコニコしながら手招きをしています。すぐにドアを開けて、“とにかく乗れ”と合図を送ってきました paper

すぐに運転席まで案内されて、“これを探しているのだろう”と言って、Feriが落とした財布を差し出してきたのです。恐らく、落とした場所がRingTramなので、探しに戻ってくると考えていたのでしょうね。「自分の表情」の変化はわかりませんが、青ざめた顔から、とびきりの笑顔に変わったことでしょうね happy01

本当は、しっかりとお礼をしたかったのですが、RingTramは大勢のお客さまを乗せて、営業運転中でしたから、運転士さんと車掌さんと握手をし、御礼を言って、電車を降りました。RingTramは何事もなかったかのように、走り去っていきました。ちなみに2枚目の写真に写っている人が、天使になった乗務員さんです lovely

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いくら観光客しか乗らないRingTramとは言え、世界各国のお客さまが乗りますから、落ちている財布に気づいてからといって、乗務員に届け出てくれる可能性は、極めて低いでしょう。本当に「 shine 奇跡 shine 」と言っても良いでしょう。

Feriに財布を返した時の運転士さん、車掌さんの嬉しそうな笑顔が忘れられません。正に天使に見えましたね。何か「古き良きウィーンの風情」に触れたような気がしました heart04 。さて、なぜ、RingTram車内で財布を落としたのか…その原因は「ヒミツ」です。

この出来事があって、ホテルに戻ってから“そういえば、どこかで、このような話を読んだことがあったなぁ”という気がしてきました。そう、当ブログでもご紹介している山城 薫さんの book エッセイ集「風の街のシンフォニー」の中に、このようなエピソードが紹介されていました(インド婦人の思い出アルバム)。ただ、主人公のインド婦人が忘れ物をした場所は、西駅終着の長距離列車の中だったようなので、車掌さんが車内点検中に発見したのでしょう。しかも、最後に列車を降りたらしいので、発見のチャンスも多かったかもしれません。

それに引き替え、Feriの例は、不特定多数の観光客が利用する「RingTram」。しかも、お客さまが沢山乗車している上に、お客さまが頻繁に入れ替わる営業運転中の出来事ですから、正に「奇跡」と言っても良いでしょう。

なお、その後、ウィーンにお住まいの方に伺ったところでは、最近、ウィーンでは落とし物を警察では受け付けなったそうです sad (治安の悪化で、本来の警察官の業務が増えたためだとか)。では、どこで受付をするのかと言えば、役所の窓口だそうです。

役所の窓口なので、警察と異なり受付時間が決まっているため、落とし物を拾ったウィーンの方が、届け出ようと思っても“わざわざ、遠くの役所まで行くのはねぇ think ”と、おっくうになっているようです(その後、窓口の空いている時間が短いという声に応えて、落とし物ポストのようなものが役所に設置されたそうですが)。そのため、見つけても、そのまま放置するケースもあるとか…この話を聴いてから、余計に今回の一件が「奇跡」に思えてきました。

ところで、比較的治安が良いウィーンですが、残念なことに最近では、スリの被害に遭う観光客が増えているようです。日本人の方も狙われているようで、たまたまあるブログを見ていたら「東京とウィーン、地下鉄スリ事情」(アドレスはこちらです)という記事を見つけました(しかも、お気の毒なことに、ご本人は1日に2回、スリの被害に遭っているようです)。

もちろん、オーストリアに限らず、EU拡大にともなって人の交流が自由になりましたから、当然、「悪い人」も入ってきます。

と言うわけで、皆さまも、スリの被害に注意するのはもちろん、「落とし物」も「絶対に出てこない」と考えて、細心の注意を払うようにしましょう。ここでご紹介したエピソードは「奇跡」ですから clover

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Comments

Feriさん、saraiです。
結果的には、大変よい結末でウィーンの街にも好印象で、よかったですね。
先日(5月)、シュターツオーパで初対面の日本人ご夫妻と歓談したところ、そのかたの団体ツアーでご一緒しているかたがウィーンに着いたとたんに地下鉄でスリにあったということでした。Feriさんの紹介されているサイトも読んでみましたが、ずい分、ウィーンも治安が悪いのですね。
でも、どこにも、悪い人もいれば、良い人もいる。Feriさんは幸運でした。
まあ、ヨーロッパに出かけるときは、十分、自衛対策をとって、気をつけましょう。オペラはやめられないのだから・・・

Posted by: sarai | July 01, 2009 at 12:15 PM

saraiさま、コメント、ありがとうございます。

残念ですが、ウィーンも昔に比べると治安が悪化しているのは事実のようです。もちろん、これはウィーンに限らず、よその都市でも同じでしょうが…

ただ、見ていると「狙われそうな人」は何となくわかりますね。

Posted by: フェリ | July 01, 2009 at 05:46 PM

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